・頭が後ろへ長く、顴骨が高くなくて鋭く、眼中に深みがあり、その奥に鋭さがある。鼻は相応に高い。以上のような場合は、必ず不敵の相である。大体において、不敵な者の眼は、一見すると和気があるようだが、よく観ると鋭さがあり、悪死の相のように観える。不敵な者には、円面(えんめん、=丸顔)、露眼(ろがん、=出目)、低鼻(ていび、=低い鼻)はない。ゆえに、円面、露眼で不敵に観えても、不敵ではない。みな短気で、思慮が浅く、愚かな人である。不敵の相は、横死(おうし)の相に似ている。よってこれを、怪破(かいは)の相と名付ける。この相を備える者は、聡明ではない。また、将たる人(≒人の上に立つ人)は、その徳によって不敵を観抜く。この事はまた、別である。