1.施術後、刺鍼部と、刺鍼部位に関連する領域に、一時的なだるさや痛み、感覚異常などがみられることがあります。これは刺鍼による筋肉の再生、神経伝導の回復、血流改善、筋内圧バランスの変化などの過程に起こる現象です。一般的に、数時間程度で減少し、3日程度で消失します。しかし、特にコリが強かった部位は施術後に患部の圧力が減少し痛みが軽減しても、圧力が高い部位には痛みや違和感が残ることがあります。通常7日くらいの間隔で良くなるまで施術を続けますが、慢性化した部位は完治まで少し時間がかかることがあります。また、鍼施術後は脳内麻薬が増加すると言われており、一過性の多幸感や眠気が感じられることがあります。特に強い異常感がみられない場合は、通常、数時間から数日で自然に治まってきます。
2.術後5~8時間は刺鍼部位に水をかけないで下さい。施術後2日程度は刺鍼部位が小さな傷となり、微細な炎症が起こります。術後5~8時間程度は入浴を避けて下さい。また、術後1週間程度は染髪やパーマ液の塗布なども避けて下さい。
3.まれに内出血(腫れ)が見られることがあります。術後に刺鍼部位が腫れた場合、柔らかいアイスノンなどを布で包み、5分~15分程度患部を軽く冷しながら圧迫して下さい(冷やしすぎて低温やけどならないようご注意下さい)。通常腫れは10分~数時間程度で治まります。また内出血により、2~3週間ほどアザが残ることがありますが、通常は綺麗に治ります。施術後の筋肉痛やだるさは通常、数時間から数日、内出血による鈍痛や術後稀に見られる一過性のしびれは2~4週間ほどで消失します。
4.安静にして下さい。激しい運動は血圧を上昇させ、骨格筋の融解を促すことがあるため控えて下さい。特に施術した当日は筋トレなどの運動を避けて下さい。翌日からは通常通り過ごして頂いて構いませんが完治するまで運動は軽めにして下さい。
5.マッサージは控えて下さい。刺鍼部位に一過性の内出血がみられることがあるため、数日間はマッサージは控えて下さい。
6.適度に水分摂取して下さい。鍼灸治療は血流を改善し、新陳代謝を活発にするため、免疫機能が向上しやすくなると考えられます。季節に関わらず、なるべく水分は体温に近い温度のものを摂るのが理想的です。ぶどう糖果糖液糖や人工甘味料、各種薬剤などが含まれる飲料は糖尿病や炎症性疾患などの原因となる可能性がありますのでなるべく避けましょう。
7.食事にご注意下さい。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品、卵黄などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液の循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は万病の元になります。食事は魚菜食を主として、フルーツや海藻類、納豆などの発酵食品を副食にすると便通も良くなりやすいようです。また、野菜や海藻類を多く摂取していれば、ヨーグルトを食べなくても、便通は正常になりやすいようです。そもそも日本人は乳糖不耐症が多いため、乳製品は便通の悪化やアレルギーの原因となり得ます。血液をサラサラにするDHAやEPAなど不飽和脂肪酸の多い食品や刺身と野菜を多めに摂取しましょう。薬害を避けるため、野菜はなるべく有機・無農薬を、魚は養殖ではなく天然を選びましょう。
8.体を冷やさないで下さい。施術後に冷たい物を飲食することは避けて下さい。
9.お酒は控えめにして下さい。日常的な飲酒が肝臓や腎臓に大きな負担をかけることはよく知られていますが、筋組織や脳組織に影響を与える可能性があるという事実はあまり知られていません。またアルコールは粘膜を傷つけたり、常在菌を死滅させる可能性があると言われています。主に薬害で起こる横紋筋融解症と同様、飲酒もミオグロビンの溶出、速筋繊維の部分的壊死を誘発し、筋委縮による慢性疼痛や筋繊維壊死による筋力低下を促す可能性があるとも言われています。これらはアルコール筋症(ミオパチー)と呼ばれ、飲酒した翌日の倦怠感や筋肉痛などがその1例であると言われています。したがって、施術後は筋肉の回復を促すため、なるべく飲酒は控えて下さい。ちなみに、アルコールは食道や鼻の穴の粘膜を強く刺激するため、消化管の炎症や潰瘍、蓄膿症、花粉症などを悪化させたり、遺伝子を傷つける可能性があります。さらに、骨粗鬆症学会は骨密度が同じであっても飲酒・喫煙習慣がある人は骨折のリスクが約2倍高くなると公表しています。カフェインやパルミチン酸(飽和脂肪酸)が含まれるコーヒー、食品添加物、動物性食品なども回復を阻害しやすくなる可能性があります。
10.公共交通機関での御来院をお勧め致します。腰やお尻、ふくらはぎなどに針をした場合、施術後一時的に脚が痛んだり、思うように動けなくなることがあります。重症であるほど、施術後のダルさが強くなる傾向があります。なるべく自家用車での御来院はお控え下さい。
*過去に手術歴がある場合や、すでに骨や靭帯などに変性がみられる場合、日頃のストレスが強く睡眠障害がある場合、薬物依存が強い場合、日常的な運動量が過剰または不足している場合などは、症状が軽減しても完治しにくいことがあります。