*逆子の灸のやり方についてはこちらのページを参照してください。患者様からの要望があり、詳細に記しました。
Q:20代妊婦です。お灸で逆子を治せると聞いたのですが、そちらでは逆子の灸治療はやっていますか?
A:可能です。実績もあります。しかし、逆子(胎位異常)の灸はあまりにも簡単かつ効果が高いので、特に希望がない限りは患者さん自身が自分で灸をすえることをおすすめしています。逆子の灸はそれについて知らぬ鍼灸師はいないくらいメジャーな治療法で、実際に逆子専門で荒稼ぎしている鍼灸院もあるようです。しかし、その治療法の実態は至ってシンプルで、素人でも自宅で容易に行える程度の内容です。主に至陰(しいん)というツボに灸をすえるのですが、詳細についてはネットでも調べられますので、一度試されてみるのが良いと思います。一応、下記に私が実際に採用している施術法を記しておきます。灸は法律上は雑貨扱いですから、素人がネットで買うことも問題ありませんし、大きめの薬局なら直接購入出来ると思います。
とにかく、私は基本的に逆子の灸など、誰でも出来るようなことをして稼ごうという気がないので、特別な事情がない限りは患者さん自身またはその家族にやってもらうように頼んでいます(治療院では難治な患者の治療を優先したいためです)。最近はモグリ的な鍼灸師ばかりで、質の低い治療で患者を喰い物にしている感がありますが、本来は素人が真似出来ないようなことを生業(なりわい)にして稼ぐのがプロフェッショナルであり、可能な限りそうありたい、と私は考えています。つまり、鍼灸師はお金を頂いて治療をする以上、プロにしか出来ないような業務内容でお応えするのが当然であると考えているため、基本的に当院では素人でも治せるような病態を表立って治療することはありません。ちなみに、実業家の横井昭裕氏は「素人が千人集まっても一人の人に敵(かな)わない。まぁ、その一人の人がプロだと僕は思ってるんですけどね。圧倒的に力の差があること。その技量、ノウハウを持った人がプロフェッショナルですね。」と述べていましたが、昨今の鍼灸師のプロ意識の低さには愕然たるモノがあり、膚(はだ)の寒きを覚えることしばしばです。
《逆子の鍼灸治療》
逆子の治療では鍼を用いることもありますが、素人が自宅で出来る方法は台座灸か棒灸を使った灸療法です。鍼の方が効くと思っている患者さんもいるようですが、灸治療でも十分な効果があり、完治させることが可能です。捻って使うタイプの昔ながらのもぐさは慣れないと使いにくいですから、「長生灸」や「柔(やわら)」などのシール付き台座灸か、棒灸を使うのが良いでしょう。これらは薬局やネットで購入出来ます。
①台座灸を使う場合…両側の至陰穴(ツボは左右の足の小指の爪の外側あたりです)に、それぞれ灸を3~5個くらいすえます。やけどしないようにしながら、熱感が指の奥まで感じられるまで続けます。せんねん灸などを使う場合は、中ぐらいの熱さの商品を選ぶと良いです。熱感が左右等しく加わるよう、左右で個数を加減しながら片側7個ぐらいを限度にしてすえましょう。ポカーっと気持ち良い程度に温まったらOKです。この工程を1日1回、3日続け、1日休む形で続けます。逆子が治ったら灸をする必要はありません。灸で水泡が出来てしまった場合は滅菌した針などで水を抜いて、感染しないように殺菌消毒した後、膏薬などを塗っておくと良いです。逆子の灸で大事なのは、やけどしないように上手く温めることだけです。治療中、心地よい熱感がお腹まで届くような感じがあれば、ほぼ確実に成功します。施灸時間は至陰のツボが属する太陽膀胱経と呼ばれるツボの通り道が活発になるとされる15~17時くらいに設定するのが良いでしょう。
Q:インターネットで貴治療院のページを拝見し、ご連絡させていただきました。現在、右膝に不具合があります。
・椅子に長時間座った後、立ち上がるとしばらく痛みが続く。
・痛くて正座が出来ない。
日頃、よく行く整骨院での見立ては筋肉が固くなりすぎてるので、ストレッチをしてください。とのことでした。確かに子供のころから体が固かった自覚はあります。趣味でマラソンと空手をやっており、筋肉の固さ、体の固さはどちらにしても怪我の原因にもなり改善したいと思っています。もちろんストレッチなども普段から念入りにやっております。しかしながら、やり方が悪いのかどうしようもなく固まっているのか。そのような事情で膝の痛みの治療と筋肉のほぐし(と、言ってよいのでしょうか?)でお世話になりたいと思っております。出来れば股関節の可動域などが広がったりすると嬉しいのですが・・・。どうぞよろしくお願いします。
A:当院ではよくみられる症状ですので、改善させることは可能であると思います。
Q:昨年12月にお世話になりましたYです。その節はありがとうございました。治療後、1~2日くらいは筋肉痛のような痛みがありましたが、その後は今までの痛みが嘘のように消えてしまいました。年明けに二回目をお願いしようと思っていたのですが、色々と忙しく今になってしまいました。ところが先日より膝の痛み再発(前日と前々日に荷物を持って駆け足で階段の昇降を繰り返しました)し、仕事帰りにどうしても歩くのが辛く、帰宅途中にある整形外科に寄ったところ半月板が原因ではないかということになりました。とはいえ、痛い膝を庇っているせいかどうなのかはわかりませんがやはり足がカチカチなっているように思えます。半月板ということで必要であれば外科的治療も行うつもりですが、まずは先生にご相談しようと思いメールをさせていただきました。現状のような状態ではありますが、引き続き二回目をお願いすることは可能でしょうか。よろしくお願いいたします。
A:半月板が損傷する原因は膝関節周辺に付着する筋肉の慢性的な硬化が原因ですから、手術しても根本的な解決には至りません。その良い例が、プロ野球選手がこぞって受けている○○ージョン手術(側副靱帯再建手術)です。あれは損傷した靭帯をチョコチョコといじくっているだけで、慢性的に硬化した筋肉をゆるめていませんので、術後に使い過ぎれば再び靭帯への張力が強まるのは必至で、再発する可能性が非常に高いです。外科医は基本的に「切った貼った」ばかりで、硬化した筋肉を弛めて関節部への根本的負担を軽減させる、という術を知りませんので、術後に後悔する患者も多いようです。
とにかく、どんな手術であれ危険が伴いますし、硬化した筋肉をゆるめない限りは膝関節への負担は軽減しませんから、手術後により悪い状態になる可能性もあります。医者は損傷した部分や異常が出ている部分ばかりに囚われていますし、根本的に疼痛を除く方法を持ち合わせていないため、「切った貼った」をすすめることしか出来ないように思われます。手術によって、靭帯や関節、骨に変化が出てしまうと、結局は鍼をして筋肉をゆるめても、完全に痛みを除くことは出来ないケースがほとんどです。とりあえずは、何回か鍼治療をしてみて、痛みが減らないようであれば、最終的に手術などを検討するか否かを判断されるのが宜しいかと思います。
Q:経過ですが、非常に良いです。2月1日に鍼を刺してもらい、先週はずいぶん楽になったなぁという感じでしたが、今週に入り痛みがなくなりました。とても足が軽いです。このまま少し様子を見てみようと思いますが、先生のご判断はいかがでしょうか。それとは別のお話になりますが、私の場合は右膝が痛かったため、右足を重点的に(左足はなにもせず)施してもらいました。その結果、以前に比べて空手の稽古の際に右足の上段回し蹴りが格段に高く蹴れるようになりました。左は相変わらず足が上がりません。これはやはり右足の筋肉が緩んだことも影響しているような気がしますがいかがでしょうか。以前にもお話しましたが、好影響があるのであれば、特に不具合はありませんが左足も筋肉を緩めていただくなどということは可能でしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
A:こんにちは。筋肉は針をすれば基本的にはどこでも柔らかくなります。しかし、稀に筋肉自体が骨化していたり、何らかの原因で筋肉を構成するタンパク質が変性したりしていると、針をしても柔らかくならない場合があります(多くが薬害か食害による。それらを改めない限り何をしても無効になるケースが多い。)。とりあえず、凝っている部分に数回針をしてみて、筋肉が柔らかくなったり、可動域が拡がる感じがあれば、右脚と同じように良くなる可能性はあります。針をして悪くなることはありませんので、気になる部分に針を打ってみる価値はあります。片側が良くなって逆側の悪い感じが目立つようになって来た場合は、悪い方に針を打つとバランスが取れて、さらに動きが良くなると思われます。
Q:ホームページを観て治療に関しての事をお伺いしたくメールいたしました。現在会社の事務をやってる26歳の女性なのですが、昨年からドライアイから始まり、頭痛、めまい、耳鳴りになり目のゴロゴロ感も始まり夏にかけては目が痛く外出も出来なくなり、台風が来る頃には酷い頭痛眼痛に襲われるようになりました。今は眼科、神経内科の診察を受け、片頭痛、三叉神経の炎症と診断され薬は痛い時に飲んでいますが、ほぼ毎日頭と目や目の周りが痛かったりゴロゴロしたりしているのですが、そういった症状もそちらで改善の見込みはありますでしょうか?
A:病院で問題ないという具合でしたら、治せると思います。
Q:友人がそちらの鍼灸院で施術していただいてとてもよかったと聞いたので、ぜひ治療を受けたいと思い、メールさせていただきました。数年前から歩いている時に右足に違和感があったり、左右の足首が硬いのか正座すると痛かったりします。仕事は一日中座ってPCを操作する座り仕事がメインです。それ以外にも全体的な倦怠感や胃弱、慢性的な肩こり、耳鳴りもあるので、一度診ていただきたいと思っています。よろしくお願いします。
A:似たような症例を多く治療していますので、治せると思います。
Q:はじめまして。42歳の男性です。症状は、閃輝暗点をともなう頭痛です。もう25年ぐらい前から、はじめに目にギラギラした光が見えてそれが30分から1時間続きそれが収まると今度は、激しい頭痛が5~6時間続きます。その間は、なにも出来ずにただ寝てひたすら耐えるだけです。年に4~5回起こります。いろいろな病院にも行きMRI検査だの受けましたが異常は、ありません。いろいろな薬を試しましたがほとんど効きません。整体も何件も行き首などを治療しましたが効果は、ありませんでした。鍼灸も川崎市川崎区にあるG鍼療院に5回程通いましたが5回目終えて、一週間たらずでまた閃輝暗点をともなう頭痛が発生してしまい、それ以降行くのを止めました。そちらでは、閃輝暗点をともなう頭痛の治療も可能でしょか?
A:可能です。慢性頭痛は当院で最も治療成績が良い疾患の一つです。病院の頭痛外来に長年通っても治らなかった患者を完治させたケースが多いですが、特段珍しいケースではありません。閃輝暗点は頭痛の原因になっている筋肉が弛めば、簡単に消失していきます。
ほとんどの頭痛は2~3回くらいの施術で痛みが半減するか消失し、頭痛薬が不要になります。しかし、稀に罹患年数が長かったり、ストレスの強い生活環境に曝されている場合は、治りが悪いというケースもあります。特にストレスで食いしばりの癖があったり、顎関節症を併発している場合は、軽減してもすぐに症状がぶり返すことがあります。しかし、当院ではどんな疾患においても、2回くらいの施術で何らかの変化が出れば治せる可能性はあります。3回くらい治療しても全く変化が出ない場合は、当院では治せない確率が高いため治療の継続をお断りすることがあります。
現在まで数百例以上の頭痛患者をみてきましたが、今のところ95%程度は完治させています。現在の医学では慢性頭痛を治すことは難しいようですし、実際に治せる治療院も少ないため、頭痛は治らないものだと思い込んでいる方も多いです。ましてや、科学的根拠に乏しい、怪しい鍼灸治療などで治るものか、と思っている方も非常に多いようです。しかし、当院のような鍼灸治療を施せば、簡単に治ってしまうケースが多いのは事実です。
ちなみに、今の日本の鍼灸業界の主流は経絡治療という、いわばツボだけを用いた治療で、治療時の痛みが少なくて、治りが悪いという報告が多いです。短い鍼を体に数本打つだけでは、慢性頭痛は治せません。少なくとも首には30本以上の鍼を打って、 30分以上は置鍼しておかなければ、完治は見込めません。当院ではツボ以外の治療点も探って刺鍼しますし、それなりの本数も打つため痛いですが、他院に比べると遥かに治りは良いようです。
医学的には、閃輝暗点の原因は目の後ろにある内頚動脈の炎症ではないかと言われていますが、内頚動脈がなぜ炎症を起こすのかというメカニズムに至っては、解明できていないようです。当院でこれまで多くの患者を診てきた経験では、内頚動脈が頸部で凝り固まった筋肉に圧迫されていることに内頚動脈炎症の根因があると推察されます。実際に、内頚動脈周囲の筋肉をゆるめるような施術をすると、患者はすぐに目の奥のコリがとれたとか、目がハッキリと見えるようになったとか、目がスッキリしたなどと驚きます。もちろん、それに伴って閃輝暗点も頭痛も出なくなるようになります。筋肉は長時間圧迫されることで炎症が起こることは医学的に知られていますが、結局、血管の炎症も筋肉に圧迫されることで起こることがあるようです。その結果、眼窩周囲の神経が異常なパルスを出すようになったり、筋肉が虚血状態になることなどによって、閃輝暗点や頭痛が発生するようになるのであると推察されます。
基本的に、医師の多くはレントゲンやCTで骨ばかりを診て筋肉を診ない傾向にありますから、筋肉が硬化していても、骨に異常が見られなければ、異常なし、と診断することが多いようです。しかし、当院で筋肉をゆるめるような施術をすると、偏頭痛や閃輝暗点のあった患者が一様に改善し、完治するという同様の再現性が見られますから、やはり筋肉に問題があるケースがほとんどなのではないかと思われます。基本的に、西洋薬も漢方薬も副作用があります。医師から処方された薬で薬物性肝障害や劇症肝炎を起こし、死にかけた患者さんも知っています。なるべく本当に必要な薬以外の薬は控えることをお勧めします。痛み止めはあくまで対症療法です。投薬で硬くなった筋肉をゆるめ、根本的に治すことができるわけではありません。
Q:はじめまして。HPを拝見し、メール相談していただけるとのことで受診前にメールさせていただきました。スキューバーダイビングのあとに、減圧症という病気になり、治療を受けました。その後、残存症状で左腕に神経痛のようなものや、左指の小指がピクピク動く症状がたまにあります。気泡が脊髄に少しダメージを与えてしまったようです。神経痛は鍼灸治療でも効果があると聞いたので受けてみたいと思ったのですが。私の症状でも効果があるか少し疑問に思ったので、質問のメールをさせていただきました。 神経痛などは、筋肉が硬くなって、神経を圧迫するためにおこる症状ですか?鍼が、筋肉をほぐして、血流をよくしたり、神経への圧迫を和らげることにより、神経痛が治るということでしたら、私のように、神経自体が傷ついている場合は、まったく効果がないのでしょうか??
A:ケイソン病は減圧症、減圧病、潜函病、潜水夫病、トンネル病などと呼び、比較的メジャーな病態です。圧気潜函作業や潜水作業時など減圧に失敗した時に発生しやすく、特に高圧下から常圧に戻る際、減圧速度が速すぎると体内に溶解していた窒素が過飽和状態となって(減圧が急激すぎるために窒素ガスの排泄が間に合わない)、気泡を形成することに主な原因があるとされます。特に、寒い時期は自ずと代謝が低下するため、窒素の排泄が緩慢になって発病しやすいと考えられます。
一次的な段階では、この窒素ガスの気泡が小血管内に引っかかることでその流域だけに血液循環を障害して、部分的な窒素塞栓症(ガス塞栓)を引き起こすだけに留まります。しかし、二次的な段階に至ると抹消循環障害が起こりやすくなるため、血液濃縮や浮腫がみられるようになったり、窒素ガスの気泡がその他の様々な組織を圧迫することで皮膚の掻痒感(かゆみ)、四肢関節の疼痛(ベンズ)、前胸部痛や息切れ(チョークス)、その他麻痺や知覚障害、めまい、頭痛など多様な中枢神経系の障害までも現れることがあります。基本的にこれらの症状は減圧後数時間以内に発生し、その後は時間が経過するにつれて減少していくとされています。一般的に窒素塞栓症やケイソン病は、早期に適切な再圧処置(高気圧酸素治療、HBO、チャンバー)や薬剤投与が行われていれば予後は比較的良好ですが、処置を誤ると後遺症が残ることもあります。
結論から言えば、再圧治療完了後であれば、当院で行われているような鍼灸治療は比較的有効です。そもそも窒素(窒素化合物)は筋肉などを構成するタンパク質中に含まれていますが、ヒト体内では代謝という過程を経ることで最終的に尿素となり、尿中に排出されます。このような、いわゆる窒素循環やタンパク質代謝は、硬化している筋肉を鍼で弛めてやると、正常化が促進されやすくなります。つまり、血液循環が良くなることで各組織へ供給される酸素の量が増えるため、加圧した状態と似たような分圧差が出て、窒素が排泄されやすくなるようです(分圧差のスケールは加圧を加えるよりもかなり小さいと思われますが、酸素を増やす機序が異なるため、また違う効果があるようです。)。また、鍼灸治療は血液循環を改善させることが主な効果ですが、ケイソン病で起こりやすい毛細血管の閉塞を改善し、骨組織の壊死を防ぐことが可能です。実際、ケイソン病や大腿骨頸部骨折、股関節脱臼などに起因する大腿骨骨頭壊死は、刺鍼することで改善しています。
理論的には窒素は放っておいても血漿に溶解しますので、圧をかけなくても少しずつは抜けていくようです。要するに、血中の酸素の量が増えれば分圧差で気泡が小さくなったり破壊されやすくなるので、血中の酸素の量を増やせば良いわけです。鍼で減圧症の症状が減るのは前述した通り、主に毛細血管の血流が改善して、血液中の酸素が増えるからだと思われます。しかし、効果が出るまではそれなりの時間がかかりますから、まずは病院での治療を優先するのが重要です。つまり、鍼は窒素ガスの気泡が血液中に多ければ多いほど微々たる効果しか見込めませんし、何よりも一刻も早く病院で気泡の数を減らすことが、後遺症を残さないためにも重要だからです。ゆえに、減圧症における鍼灸治療はあくまで最終的な段階で行われるものであり、病院での治療をしっかりと済ませないうちに鍼灸治療を受けることは危険です。
ちなみに、重度の減圧症患者は血小板の数が30%程度減少しているとのデータがあり、窒素ガスの気泡が多ければ多いほど肺塞栓や脂肪塞栓のリスクも高まりますので、そのような状況下においての鍼灸治療は非常に危険が伴います。つまり、刺鍼時に出来た内出血が治まりにくかったり、治療中に出来た血栓が肺塞栓や脂肪塞栓を誘発させる危険性があるからです。また、気泡が沢山残っているほどに、そのリスクは高まると思われます。さらに、血液をサラサラにするような薬を飲んでいたり、出血傾向がある患者も同様の理由で鍼治療は厳禁です。当院ではより高い効果を出すため、他院に比べて約3~4倍の長さ、約3倍太い鍼(一般的な鍼師は直径0.2mm程度の細い鍼しか使いません)を使用しています(刺鍼部位や筋肉の硬さによって使い分けています)。太い鍼は小血管を損傷しやすいというリスクがありますが、筋肉を弛める効果は高いです(特に出血傾向などがみられない患者であれば、通常は内出血を起こしても全く問題ありません)。また、刺鍼によって一時的に迷走神経反射が起こることもあります(献血や注射をした時に出る一過性の吐き気やめまいに似た症状が軽く出たりします)。とにかく、病院での再圧治療が終了して、医師にほとんど窒素ガスの気泡がなくなったと言われたのにも関わらず、しばらく経過しても症状が消えない場合は、上記のリスクを担当医師に確認していただき、医師の了承を得た上でしたら、何回か鍼灸治療を試されてみるのも良いと思います。日常的には有酸素運動を適度に行い、水分摂取を小まめに励行することが最も重要です。水分はなるたけ冷たいものは避け、ぬるめのものを飲むと良いでしょう。
いわゆる神経痛の原因は色々ありますが、脳や脊髄、骨、神経に異常が見られなければ、鍼灸治療で硬化した筋肉を弛めてやればほとんどのケースは治ります。しかし、減圧症においては、まずは再圧治療にて気泡を出来る限り取り除くことが最優先です。また、脊髄や神経を損傷している場合は自己修復が完了するまで相当な年月が必要であるとされているため、鍼灸治療を施したとしてもその効果を実感するまでにはかなりの時間がかかると思われます。一応は鍼灸治療を定期的に施すことで回復を速め、症状の悪化を予防することは可能だと思われますが、損傷の程度によっては今後実用化が期待される人工多能性幹細胞(iPS細胞)や、刺激惹起性多能性獲得細胞(STAP細胞)などの万能細胞を用いた、外科的な処置による完治を期待するしかないと思われます。
Q:はじめまして。たまたま貴院のHPを拝見し、相談させていただきたいことがありメールさせていただきました。
お手数お掛けしますが、お時間のあるときにお読みいただければと思います。私は現在○歳(20代後半)で、一時橋本病の無痛性甲状腺炎を発症し、その後そちらは完治(橋本病の抗体も消失)したのですが、同じような体調不良(だるい、疲れやすい、頭の中がぼーっとする、生理不順、首から腰の張りや痛み等更年期のような症状)が続くようになり、鍼灸治療を約二年受けています。一年間はほぼ毎週、それ以降は大体二週間に一回です。因みに小さい頃から体力はなく、胃腸が弱く、アトピーも所々出ている体質でした。生理不順はずっとで、高校の時からほてりや動機といった更年期のような症状は感じていました。ストレスはあまり感じないタイプなのですが、生まれつき自律神経の働きが悪いのと、女性ホルモンがうまく出ていないようです。(生理痛とカンジダの治療にピルを二年以上服用しています)
鍼灸治療により頭のぼーっとする感じと首から腰の張りが比較的軽減したのでと、汗をかけるようになった等良くなった部分もあるようなのですが、未だに胃腸不良や疲れやすさ等が悪化したりマシになったりを繰り返し、新しい症状も出たりしています(去年の夏頃から喉が絞まって苦しかったり声が出し難くなったり)。通っているのは中医学をメインとした、しっかり問診をして、鍼もしっかり刺す医院(頭皮から足先まで全身に打ちます)なのですが、あまり痛くない期間もありましたが、最近また一時間半の施術で10回くらいは刺された瞬間の痛みが強く、抜いてもらっています。筋肉が固まっているため、体調が悪いためと言われます。施術直後は全身がぽかぽか暖かくなるのですが、施術後数日は体調がいいということは特にありません。
漢方外来の先生や知り合いにも「効いてる?」と言われており、一回やめてみればと言う人もいます。
鍼灸の先生は、体自体の体力は前と比べると良くなってきているけど、今まで溜め込んできていたものが多いのと、最近の天候不順の影響もあってすっかり良くはなってこないと言われます。この状態で、もうしばらく通って様子を見た方がいいのでしょうか。それとも、やめてみたり、他の医院をあたった方がいいのでしょうか。診察してみないとわからない部分も重々承知ですが、ひとつご意見いただければとても助かります。お手数お掛けして申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。
A:ピルを飲んでいると血栓ができやすくなるため、鍼治療は基本的には避けた方が無難です。ピルの服用を中止してしばらくたってからでしたら治療は可能です。残念ながら血栓症と鍼治療の関係について熟考している鍼灸師は少ないようで、現在、日本の鍼灸業界においても鍼治療のリスクが問題にされることはほとんどありません。刺激量の多い鍼治療ほど適応症が限られてきますので、何でもかんでも鍼灸治療が適応かというと、それは間違いです。逆をいえば、ほとんど刺さないような鍼治療であれば、患者がどんな状態であっても適応となるケースが多いでしょう。つまり、刺激量の少ない鍼治療はリスクが少ないと同時に、ほとんど効果が期待できません。もし浅鍼治療で効果が見られたとしても、その大半はプラシーボによる脳内麻薬放出の効果程度に過ぎぬと思われます。
実際、当院のような鍼治療は体への負担が大きいですが、他院では追随出来ないような効果がみられます。要するに刺した時にズーンと響くような痛みを伴わない刺鍼法は、多くの病態の原因である深層筋への刺入がなされていないがゆえに、体が根本的に変化する、ということがないのです。現在、日本鍼灸の主流は浅鍼です。全体の95%以上は浅鍼治療であると言っても過言ではないと思われます。それらは皮膚の極表面または浅層筋にしか刺鍼しない、いわば慰安鍼です。それは到底治療と呼べるものではなく、一時的に良くなったかのような錯覚を起こさせるだけのシロモノが大半でしょう。その結果、世の中の人々に鍼は効かない、と言わしめるようになってしまったのです。
その鍼灸院について詳しいことはわからないので断言はできませんが、やはり浅鍼治療の類ではないかと思われます。患者の状態にもよりますが、2年も鍼治療を受けていてそのような病態であれば、ハッキリ言って効果がある治療とは到底思えません。漢方薬においてもしっかりと勉強していない医者が処方するようだと、ただただ肝臓に負担がかかるだけで、むしろ害になるケースも多いようです。さらに、漢方薬には発癌性があると言われているものもありますので、気軽に常飲することはおすすめしません。
また、残念ながら、未だ衛生管理が徹底されている鍼灸院の存在は非常に稀であると思われる現況ですので、通院する鍼灸院も慎重に選ばなくては危険です。
Q:はじめまして。HP拝見させて頂きました。約二年前から耳閉感など耳の症状で悩んでいます。軽症ですが、右耳が耳管開放症気味で、左耳が耳管狭窄症と診断されています。色々な病院や鍼灸院、整体にも通いましたが、治りません。似たような症状で通われてる方、いらっしゃいますか。
A:こんにちは。当院へ耳閉感の治療で来院される患者さんは年々増えています。耳管は嚥下やあくびなどをする時以外は通常閉鎖していますが、常に開放しているような病態を耳管開放症と言います。これは自声強聴(自分の声が耳の中で響く感じがすること)という症状が特に見られるのと、難聴がなく、鼓膜が正常であることが特徴です。医学的には急激な体重減少や月経不順などによって引き起こされると言われていますが、結局のところは原因不明です。逆に、耳管狭窄症は嚥下やあくびなどによって通常起こるはずの耳管の開大が妨げられる病態です。耳管狭窄によって中耳の換気が妨げられると、中耳内にある酸素が中耳周囲の粘膜から吸収されるため、中耳内は陰圧となり、鼓膜が内側に凹みます。その結果、耳閉感や難聴、自声強聴などといった症状が現れます。これらの原因となる、上咽頭(鼻咽腔)の炎症や腫瘍がによる耳管の器質的な狭窄があったとしても、症状が軽ければ当院の鍼治療で改善することは可能です。医師の所見で特に器質的な問題が見られないにも関わらず現在の症状が現れている場合であれば、より当院での鍼治療による効果が期待出来ます。病院では主に保存療法や耳管通気法、鼓膜切開術が行われていますが、どれも根本的な治療にはならず、完治は見込めないようです。当院においては、耳閉感、突発性難聴、耳の痛みなどの治癒率は全般的に95%程度を維持しています。つまり、耳管や内耳を通る椎骨動脈や外頸動脈が硬化した筋肉で障害されているようなケースであれば、当院のような鍼灸治療で完治する可能性が高いです(棒灸治療と木枕の常用でより完治しやすくなり、再発もしにくくなります。)しかし、耳鳴りにおいてはその発生起序が異なると思われ、治癒率は50%程度にとどまっています(多くが環境因子による心因性ストレス、精神安定剤や睡眠薬などによる薬害、食の異常などに根因があると思われます。それらを改めない限り何をしても無効になるケースが多いようです。)。どうぞご参考になさって下さい。
Q:初めまして。40代男性です。少々お教えください。現在、別の北京堂さんにて慢性腰痛(腰の痛みというよりだるい感じ)の治療をしていただいております。整形外科に2か所通院しましたが、どちらの病院でもレントゲンを撮影し、特に異常がないと診断を受けたため、北京堂さんにお世話になっております。北京堂さんへは、週1回のペースで3回通ったところですが、あまり変化が感じられない状況です。これは、治る希望がないということなのでしょうか?それとも治療の回数がまだ足りないのか、治療の間隔が合ってないのでしょうか?
A:基本的に慢性腰痛は週一回のペースで三回くらいやれば、大抵は何らかの変化がでます。変化がみられない場合は、①治療ポイントが外れている、②使用している鍼のサイズが不的確、③日常的に腰にかかる負担が強すぎる、④薬害・食害・暴食などにより小腸・大腸が慢性炎症を呈し、腰部の神経が常に興奮して筋肉が萎縮している、⑤消化器に器質的な異常がある、のいずれかだと思います。また、日常的に飲酒量が多いと筋肉を構成するミオグロビンの溶出が起こりやすくなり、筋委縮が常態化して治りにくくなるケースもあります。一度、効果がみられないことを治療者と相談されるのが良いと思います。慢性腰痛は当院のような鍼治療においては、最も効果がみられやすい病態です。どんな治療においても言えることですが、術者によって治療効果が大きく変わることがあります。
A:そちらでは、がん治療もしていますか?今、膵臓がんの兄が、痛みを訴えています。治療をうけることで、痛みを軽減することは可能でしょうか?
Q:がん患者の治療も行っていますが、がんの進行具合によっては、全く効果がみられない場合もあります。例えば脳に転移していたり、骨に転移している場合は痛みが軽減しない可能性があります。例えば、すい臓がんの患者に当院で鍼治療を施した場合、病院での投薬治療に比べて痛みを軽減させることは出来ても、完全に痛みを取り除くことが出来ないケースが多いです。つまり、刺鍼による鎮痛作用はモルヒネの数倍と言われている通り、投薬で鎮痛効果が得られなかった患者にも効果はみられます。ちなみに、がんのほとんどの原因は薬害と食害によるものと思われます。先ずはがんが好む冷えと酸素不足を改善させるよう生活を見直すことが最重要です。特に、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。つまり、肉食を魚食に変更し、小食粗食を心掛け、体を温め、有酸素運動を習慣にすることなどです。当院のようなインナーマッスルに影響を与える鍼灸治療は他の手技に比べて桁違いに有効であると思われます。なぜなら、筋肉は骨に近い、深層筋が慢性的に硬くなりやすく、細胞の酸欠や冷えに最も影響しやすいからです。とにかく、癌にならぬよう普段から食事と運動を見直し、出来るだけ薬害や放射線の害を避けるため、色々と自衛しつつ、当院のような鍼灸治療で定期的にメンテナンスすることが最善であると思われます。
Q:自分は高校生で部活でサッカーをしています。五月初めに左太もも前側が肉離れになり整形外科で二週間休むように言われました。その後復帰しましたが患部が硬く盛り上がり、腫れが引いていない状態で少し練習しても痛みます。治りが遅いと思い別の整骨院に一ヶ月ほど通っていますが変化がほとんどありません。今は部活をしていますが、あまりに治りが遅いので、ネットで調べたところ外傷性骨化筋炎であると思いました。部活が忙しく病院に行ってないので確認はしていませんが、そちらの針治療で改善できるものか確認したいです。
A:血腫や骨化の程度が軽ければ、当院の鍼治療によって簡単に治すことが出来ます。骨化性筋炎は慢性的な筋肉の炎症によってカルシウムが沈着し、石灰化現象が起こって筋組織の中に骨が形成されたり、筋肉の損傷や使いすぎで血腫が筋組織内に溜まることによって、神経が圧迫されて痛みが出たり、可動範囲が著しく低下することがあります。病院ではテーピングなどによる保存療法が主流ですが、完治することが少なく、再発するケースも多いようです。受傷後しばらくたっても、RICE処置などで冷やしているようでは血腫も滞留しやすく、完治は見込めません。鍼治療で血腫や骨化が起こりやすい深層部の筋肉へ刺鍼してやると、患部の血流が改善され、短期間で完治させることが出来ます。また、骨化の根因である深層筋の慢性的な委縮も改善されるため、再発しにくくなります。
Q:初めまして。早速ですが、質問です。針で手の甲と腕に浮き出る血管を目立たなくさせることは、できるのでしょうか?また、下肢静脈瘤は、針治療で治りますか?
A:軽ければある程度は治せますが、完全に無くすことは出来ません。下肢の静脈瘤においても、症状の予防には役立ちますが、ひどく浮き上がってきてしまうくらいになると、鍼で完治させることは難しいです。この場合は外科的な手術が必要です。基本的には静脈瘤が悪化しないように定期的に刺鍼し、主に下肢を使うような有酸素運動をやるしかありません。
Q:昨日治療していただいたふくらはぎ、足の裏についても温めたほうが治りが速いのですか?
A:灸で温めると良いですが、水泡が出来ない程度に温めてみて下さい。細胞は冷えている時よりも温かい方が、活発に活動出来ます。例えば、細菌感染した時に体温が上昇したり、局所的に炎症が起こり、熱を帯びるのはそのためです。しかし、のぼせたり、体温がひどく上がるほど温めてはいけません。適度に、心地よい程度に温めることで回復を促します。医者は炎症部位を何でもかんでも冷やすように指導しますが、重篤な細菌感染や体温上昇、骨折や出血などがみられない、単なる慢性痛であれば、温めて血流を改善しない限り細胞はいつまでも回復せず、完治は見込めません。このことに関しては、実際に実験してみると、多くの医者の言うことが間違っているのがわかります。残念ながら、患部を冷やすか温めるかについては、医術のスペシャリストであるとされる医者においても、しっかりと理解されていないのが現状です。
Q:初めまして。私の友人で、ある鍼灸院で左目の少し上に鍼をされてから(本人は頼んでいません)顔に急にしわが増えて顔全体がかゆくなった人がいます。今は皮膚科に通ってそのかゆみをおさえるお薬をもらっています。私が出会ったころよりは、顔のしわも少しはうすくなり、顔のかゆみも当初よりは少しはましと本人も言っています。家が神戸市なので、先生の所には通えそうにありません。このまま日にち薬で放っておくしか方法はないでしょうか?よろしくお願いいたします。
A:実際に診てみないと断言はできませんが、何らかの細菌に感染したのでしょう。皮膚科の医師に診てもらえば、どのような菌に感染したかはすぐにわかると思います。鍼治療における感染菌で最も多いのは、常在菌である黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌です。それらの感染によって皮膚がかゆくなるのは、いわゆる「とびひ」が多く、皮膚表面に水泡が出来るのですぐにわかります。「とびひ」は0~6歳までの乳幼児に好発するとされていますが、「とびひ」の一種であるレンサ球菌性膿痂疹は成人にもみられます。基本的に水泡に溜まっている水分を滅菌した針などで出して、しっかりと洗浄・消毒すればかゆみも収まり完治しますが、細菌を含む体液が他の皮膚に付着すると感染が止め処なく拡大するため、完治するまではしっかりと皮膚科に通うことをおすすめします。病院での治療は抗生物質の全身投与と局所療法が中心になると思います。
ちなみに、常在菌はどこにでも存在するものであり、患者本人の免疫力が高ければ感染する可能性も低くなりますから、なるべく薬に頼ることが無いように、普段から免疫力を高めるような生活を心がけることが重要です。今回のケースはメールを拝見しただけですので予測にはなりますが、術者の消毒および滅菌の不徹底と、患者の免疫力低下が運悪く合致してしまったのかもしれません。基本的には、日本の多くの鍼灸院で行われる刺鍼法は、皮下に数ミリ刺すだけの浅鍼ですし、ディスポ鍼(使い捨ての滅菌済み鍼)を使う鍼灸院がほとんどですから、患者の免疫力がそんなに弱っていなければ、衛生状態の悪い鍼灸院でも、細菌に感染する可能性は低いでしょう。しかし、他人に使った鍼を完全に滅菌せずに使っている鍼灸院も実際に存在しますから、患者の免疫力が高くても、浅鍼でも、大いに感染する可能性はありますので注意が必要です。
また、鍼灸学校においても、厚生労働省においても、鍼灸治療における消毒と滅菌の完璧なガイドラインは示されされていませんから、私のようによほど自分で文献を漁っている鍼灸師でない限りは、安全な鍼灸治療は提供出来ていないのが現状であると言えるかもしれません。残念ながら、現在の日本における鍼灸治療というものは、決して安易に受け入れられる状況ではなく、患者が自分でマトモな鍼灸院を見極めるしか術がありません。先日もメディアで頻繁に取り上げられていた東京の某鍼灸院の院長が逮捕されましたが、ネットやメディアの口コミに騙されないように自衛するのが賢明です。
日本の鍼灸治療は世界的にみて最も遅れており、その証拠に未だ刺鍼事故についての公的な調査が行われておらず、同じような刺鍼事故が繰り返されています(2015年頃になってようやく国が医療事故をちゃんと調査するという話が出てきましたが、鍼灸の事故に関しては未だ明言されていないようです。)。一方、中国は鍼灸においては最も研究が進んでいるため、1970年代から刺鍼事故を調査した本も多く出版されています。それらの本を読んでみると、刺鍼事故による感染性疾患が実際に多く報告されています。前述した通り、最も多いのは常在菌である黄色ブドウ球菌による感染で、他にもグラム陽性球菌である化膿レンサ球菌(A群溶血性レンサ球菌)、グラム陰性桿菌である大腸菌、緑膿菌なども発症の原因になりえます。
日本のほとんどの鍼灸院において、HPで自院の衛生面における安全性を謳う場合、必ずと言って良いほど「当院はディスポ鍼を使っているので安全です」と記しています。そのため、患者も鍼灸院の安全性を確かめる際は、必ず「そちらはディスポ鍼を使っていますか?」と聞いてきます。しかし、実際は、鍼灸治療における細菌感染の危険性はあらゆる部分に存在するのであり、「ディスポ鍼を使っているから安全である」というのは、私からみれば鍼灸師自らがアホを公言しているとしか思えません。つまり、消毒と滅菌における知識は1冊の本に出来るほどの量であり、実際に病院などでは器材・物品の管理や滅菌業務などを行う滅菌技師というスペシャリストが働いています。消毒や滅菌は医療においては欠かせないものであり、彼らが存在しなければ、今の医療は存在出来ません。それだけ、消毒と滅菌というものは重要なのです。
しかし、多くの鍼灸師は滅菌技師の存在さえ知らないでしょうし、鍼灸治療における消毒と滅菌の重要性さえも理解出来ていないパターンが多いようです。「たかだか鍼治療なんだからそんなに神経質に気にしなくても平気だよ」と、大半の鍼灸師は鼻で笑うでしょう。とにかく、常在菌と言えども、患者(宿主)の免疫機構が破たんしていれば、如何様にでも細菌は病原性を発現させることが可能なのであり、今後は鍼灸院においても、マトモな病院なみに消毒・滅菌を徹底した衛生管理が求められるべきである、と私は考えています。したがって当院では実際に鍼灸業界におけるモデルケースとなるべく、色々と先駆的に実践しています。巷では「現代医学的知見に基づいた鍼灸治療」とか、「現代科学針灸」とか、「エビデンスに基づいた鍼灸治療」などと騒ぎ、カルト的に信者を獲得している鍼灸師も存在しますが、真に安全で、効果の高い治療を提供する鍼灸師は、今のところほとんど存在しないと推察されます。
ちなみに、先に述べたとびひの原因菌である黄色ブドウ球菌は、化膿性炎症の他、剥離性皮膚炎、毒素性ショック症候群、敗血症までも引き起こします。化膿レンサ球菌もとびひの原因菌となりますが、同様に敗血症の原因にもなります。また、10年くらい前に病院の院内感染で問題になったメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のように、鍼灸院で使われている消毒用のアルコールにおいても、使用しているアルコールの種類に問題があったり、衛生管理が杜撰であれば、同様の耐性菌が増殖し、重篤な感染を起こす可能性は否定出来ません。多くの鍼灸師は消毒および滅菌の重要性について語ることはありませんし、実際に日本においてはそのような鍼灸関連書籍もほとんどみられない(私がみた限りでは存在していません)ですし、他院の臨床現場における現状を鑑みると、私個人的には他の鍼灸院で治療を受けようなどという気持ちは、今のところ到底起こりえません(ですから私は自分で自分に鍼を打ちます)。
アルコールには耐性菌は存在しえない、と叫ぶ相当にアホな自称専門家も存在しますが、実際には、2000年7月、東京都墨田区の某病院で、2001年6月には大阪府堺市の某病院で入院中の患者数人が突然敗血症で死亡する事故が発生しています。原因は細菌による院内感染で、保健所の調査によれば、セラチア菌という常在菌が、皮膚消毒のためのアルコール綿を保管していた容器にて増殖していたことが原因である可能性が高い、と公表されました。ちなみに、術者の手指消毒に使われる塩化ベンザルコニウム(オスバン液)はアルコールよりも耐性菌が発生しやすいため、ポンプ式容器への継ぎ足し方によっては、容易に細菌感染を引き起こす可能性があります(継ぎ足し使用しないのが理想です)。
鍼灸師の業務を規定するあはき法の第6条には「事前消毒の義務(『はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。』)」という項目が記載されており、刺鍼前に術者の皮膚と患者の皮膚を消毒するよう定められてはいます。しかし、使用するべき消毒薬の種類・濃度などについては、細かく規定されていません。ゆえに、鍼灸院によっては使用している消毒薬がイソプロピルアルコール50%であったり、70%であったり、エタノール70%であったり、様々です。通販ではメーカー不明で、「ほんとに殺菌出来るんかいな」と疑わさせるような、品質の怪しい安価な消毒薬も販売されています。当然ながら消毒薬は細菌を殲滅するにあたっては、水分が少ない方が効果が高まるわけですが(例えば、一般的なカビは無水エタノールでないと死滅しません)、水分が少なければ少ないほど皮膚への攻撃性や人体への毒性が高まるため、とりあえずは殺菌効果が高く、皮膚への攻撃性が比較的少ない、エタノールを80%程度含有する建栄製薬の「消毒用エタノールIP」(全国の薬局で売っているベーシックな消毒液)などの使用を、当院では推奨しています。
基本的にしわはすぐに定着するものではないでしょうから、一時的に顔面部の筋肉が緊張して、収縮しているだけかもしれませんが、不安でしたら信頼できる医師の診断を受けることをおすすめします。衛生管理や美容鍼については下記ページをご参照下さい。
日本よた師ばなし恐怖!あなたの知らない「美容鍼」
Q:昨年から1月にもお世話になりましたYです。お蔭で首~腰の痛みは日常生活には耐えられるようになりました。今回のご相談は昨年夏に肩甲骨、肋骨骨折による血気胸を起こし、入院中2週間後歩行途中に突然、前胸部両サイドの圧迫により呼吸困難(深呼吸は全くできない)になりました。血圧、脈拍、酸素も特に異常はないとのことでしたが、その後何回も同様の症状が起こり、EKG、冠動脈造影も行いました。強い不整脈もなく特に血管のつまりもなく、一部分において正常に近い狭い部分があるものの、上記症状につながらないとのことでした。考えれるのは、背中を強打した際、脳の一部で防御反応が起きた可能性があると思はれるとのことで、精神安定剤と降圧剤(130/80前後)を服用していますが、突然に圧迫感に襲はれ横になって休まないといけない状態が続いています。精神安定剤を服用指定していますが、いつ発作が起きるかわからず不安な毎日ですが、針で改善可能でしょうか?また、3月頃より左指先(1~3指)がしびれて、絶えず弱い電気が流れているような状態で、整形外科では手を頭上にあげると左鎖骨下の血流が弱くなるので、CT造影による血流も調べましたが、数量的には弱い時もあるが問題になるほどではないとのことで、試しに食道横付近にブロック注射しましたが、あまリ効果はありません。良い方法があれば宜しくお願いします。
A:こんにちは。呼吸困難の発作が出た場合、現在はどのように処置されていますか?そのまま放っておくと自然に治まる感じでしょうか?そのような感じですと、頸背部の筋肉が一部、強打した際に強く収縮したままになっていることに根因があるかもしれません。
つまり、首や背中にある肋間神経や自律神経の神経根周辺の筋肉が硬化していることによって、主に肋間筋を利用した胸式呼吸がしにくくなっているだけかもしれません。その場合は頸部から背部にかけて刺鍼すれば肋間筋がゆるみやすくなるため、深呼吸が出来るようになります。また、左鎖骨下動脈は斜角筋隙(前・中斜角筋の間隙)を通るため、首の横の筋肉が硬くなっていると、左鎖骨下動脈が栄養する①首②脳③前胸壁への血液供給が減少しますので、肋間筋の機能が低下し、胸式呼吸がしにくくなる可能性があるのです。同様に、斜角筋隙で腕神経叢が障害され、正中神経の知覚支配領域(母指、示指、中指)にしびれなどの異常が出ることもあります。正中神経障害の一般的な臨床症状の鑑別については、「祈祷師の手(hand of benediction)」、ボトル兆候(bottle sign)、母指球萎縮などがありますので、参考にしてみて下さい。
とにかく、病院で検査しても何も原因が見当たらないのに、ストレスフルな状況に陥ると時折胸が苦しくなったり、呼吸が異常に浅くなるという症状などでしたら、当院での鍼灸治療が有効です。左手のしびれは特に手や腕に局所的な外傷を負ったということでなければ、首に鍼をすると治る可能性があります。前述した通り、左鎖骨下動脈や腕神経叢が手を滋養し、知覚を司るいわば「黒幕」だからからです。
CT造影などで医学的な検査をして医師が血液量に問題がないと言ったとしても、極わずかな血液量の差で病状が一転することがあります。実際に捻挫した患部に刺鍼し、抜鍼時に鬱滞していた血液が数cc出るだけでも、それまでの激痛がなくなったり、医師が見積もった予後よりも遥かに早く回復することが多々あります。なお、肩甲骨や肋骨を骨折した際に左手で着地したなど、患部に直接的な原因があった場合は、腕から手にかけて鍼をすれば治ると思います。ちなみに、CTやレントゲンによる放射線の害は色々ありますので、ネットなどで調べて自衛するのが賢明です。
Q:こんばんは。高校2年生の男子で部活は野球部所属です。3月の中頃の野球の練習中のスライディングで今まで経験したことのない腰痛にあいました。しばらく様子を見ましたが一向に良くならないため、整形外科を受診しました。MRIをとられて腰椎分離症と診断されました。それから2ヶ月以上経ちますが、完治しておらず運動も思うように出来ません。早く体を動かせるようになるようであればご教授お願いいたします。
A:結論から言えば、当院で長鍼治療を受けることが最善であると思われます。現在の日本の病院では、保存的な治療(分離した腰椎が自然に癒合するのを待つ)しか出来ないケースがほとんどです。つまり、神経ブロック療法(神経根ブロックや硬膜外ブロックなど)か、理学療法(赤外線や低周波による物理治療、体操などによる運動療法、コルセットなどによる装具療法)くらいしか選択肢がありません。当然ながら、腰部の手術は危険が伴うのと、治療予後が良くないケースが多いので、避けた方が無難です。
そもそも、腰椎が分離する原因は、激しい運動や労働などによって、腰椎に付着している筋肉が過緊張を強いられることにあります。つまり、腰椎を支える腰部の筋肉(特に大腰筋や小腰筋、起立筋群)の張力が慢性的に高まると、それらが付着する腰椎への圧力が増加し、ある程度の圧力は椎間板という名の緩衝材(=クッション)で逃げる構造にはなっていますが、結果として骨や腱にへの負担が増加して、それらの変性を促します。
人体の骨は外部からの物理的な刺激が加わらない限りは、骨を支えている筋肉の弛緩と収縮によって刺激を受けています。ゆえに、筋肉を使いすぎると骨や腱への負担が増加しますので、最悪の場合は骨が折れたり(疲労骨折など)、腱が断裂したり(アキレス腱断裂など)するのです。軽い場合は筋肉自体が破壊される(いわゆるトレーニング時の好負荷による「超回復」や、過負荷による「肉離れ」など)だけで済みますが、微妙な負荷の違いによっては腰の骨が折れることもあるわけです。例えば、中国の刺鍼事故の本には、「電気鍼の通電ミスによって骨折した(パルス治療器の電流を誤って最強にしたことによって、筋肉が急激に収縮したため。)」という報告例があります。
腰椎分離症は腰椎の棘突起という部分が折れて離れる病態ですが、これが進行すると椎骨が前方へ滑り出すことがあり、いわゆる腰椎分離すべり症と診断されます(一般的に腰椎分離症から、腰椎分離すべり症へ移行する患者は、全体の10~20%とされる)。さらに、腰椎分離すべり症に移行すると、滑った椎骨の下の椎間板が変性するため、腰椎分離症を起こした上下の椎骨の間隔がより狭くなり、結果として神経根への圧迫が強まり、坐骨神経症状(大腿部から足へのしびれなど)が現れることもあります。
当院では、ツボ(経穴)に囚われることなく、神経学的根拠に基づいた上で腰椎周辺の筋肉へ直接刺鍼しますので、腰椎へかかる負担を確実に減らすことが出来ます。実際に、一般的な腰部の筋肉痛はもちろん、病院では完治させることが困難な腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア(坐骨神経痛も含む)、変性側弯症(完治は不可)、梨状筋症候群などをほとんどのケースで改善させています。ちなみに、現在の日本の鍼灸業界の主流は「浅鍼」や「優しい鍼」ですので、当院で用いるような長鍼(3インチ以上の長い鍼)を安全かつ効果的に使いこなせる鍼灸院は極めて少ないようです。
骨格筋は全て骨に付着していますので、硬くなった筋肉へ直接刺鍼してゆるめてやると、自ずと骨は元の位置へ戻ろうとします。つまり、慢性的に硬化した筋肉は萎縮して短くなっているので、ゆるめば元の長さに戻り、骨の位置も自ずと修正されやすくなるのです。そうすると、骨への張力や圧力も低下しますから、骨の位置がずれたり、骨自体が変性する可能性も低下します。ゆえに、わけのわからない整体術やマッサージ、カイロプラクティックなどで、筋肉をゆるめずして骨の位置を修正しようというのは、非常に無謀かつ危険なのです。骨の位置を修正したければ、まずはその骨に付着する筋肉をゆるめてやらねばならないのです。
とにかく、腰椎分離症のほとんどのケースにおいては、腰椎周辺で硬化した筋肉に原因がありますから、その硬くなった筋肉を何らかの方法でゆるめてやらなければ、症状の改善、完治は望めません。今のところ、腰椎分離症の根因である大腰筋の硬化を解除することが出来るのは、当院で行っているような長鍼治療しかないと思われます。
Q:初めまして。今度施術を受けさせていただこうと思っています。症状は、アトピー性皮膚炎です。一番治したいです。1年前くらいに腰痛で動けなくなったこともあり、今は症状がありませんが、ときたま腰痛になります。肩こり、ストレートネックでもあります。また、アトピー性皮膚炎で皮膚科通院、躁鬱で心療内科に通っているため、薬が処方されてますが、施術に関係ありますでしょうか?お忙しいと思いますが、返信よろしくお願いします。
A:とりあえずは食事を正すことが最重要です。アトピーの原因は特に過食や偏食、薬剤などによって肝臓や小腸が害されたり、炎症を起こす物質を口にすることに多くの原因があると推察されますが、それらが環境因子によるものであれば、環境が変わらない限り、鍼灸治療を施しても全く改善しない場合がほとんどです。ゆえに、当院ではアトピーの治療は行っていません。まずは、それらの異常を正さない限り、鍼灸をしても時間と金銭が無駄になってしまう可能性があるからです。とにかく、アトピーは食生活を見直せば、完治する可能性があります(酷い炎症で強く色素沈着してしまったような部位は完全には綺麗にならないようです。)。
腸には免疫細胞の70~80%が存在していると言われ、腸内細菌の状態の如何によって、免疫機能の強弱がほぼ決まってしまいます。したがって、腸内の善玉菌が増えれば、自ずとNK(ナチュラルキラー)細胞も増加するので、体内に侵入してきたウイルスや、日々産出されるガン細胞を駆逐しやすくなります。
実際に、当院に訪れる潰瘍性大腸炎患者や花粉症、鼻炎、アトピー性皮膚炎などの各種アレルギー性疾患患者に善玉菌を増加させるような食生活を実行してもらうと、それらの症状は完治するか、必ず寛解(=和らぐこと)します。
また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。さらに、睡眠リズムを安定させ、体内リズムを整えていくことも重要です。睡眠に関しては当院HP「睡眠について」を参考にして下さい。
また、鬱の原因は様々ですが、まずは動ける日だけでも、日中外に出て作業する習慣をつけるようにする必要があります。なぜなら、適度に日光を浴びたり、軽く汗を流すくらいの作業をすることで、鬱の主な原因であるセロトニンを増加させることが出来るからです。山陰地方を含めた日本海側は、年間を通して日光の照射量が少なく、気候も寒冷かつ不安定ですから、普段から意識的に活動しておくことが、鬱の予防・改善に役立ちます。気候性の鬱でもある程度は緩和させることが出来ます。ちなみに、昔、イギリスの学者がフィンランドで鬱や自殺願望とDHAの関係について記した研究結果を公表しましたが、血液中のDHAの量と精神異常は相関関係にあるようです。つまり、魚を多く食べる人には精神疾患が少ないようです。
現在処方されている薬はそのままでも、鍼治療に差し支えはありません。いずれ鍼治療で症状が改善してきたら、医師と相談して投薬量を減らしてゆけば良いでしょう。
とは言え、前述した通り、アトピー性皮膚炎のほとんどの根因は薬害と食害、飽食、運動不足であると思われます。以上のことを同時並行的に改善させてゆくことが出来れば、鍼灸治療は大いに役立ちますが、それらを改善出来ない場合は、いくら鍼灸治療に精を出しても無効となるケースが多いです。
ストレートネックは当院の鍼灸施術と木枕の常用で改善します。
Q:はじめまして。ホームページを見てメールさせて頂きました。私は昨年の12月ごろよりアレルギー性鼻炎を発症し、現在も毎日薬を飲んでアレルギー症状を抑えている状態です。今まであまり長期に薬を飲むような病気にかかった事がないので薬を長期服用することに不安があります。ホームページを見て鍼治療が様々な病気に対応しているのを知り、現在私が困っている症状に鍼治療が効くのであれば、一度診ていただきたいと思っております。また、他に肩こり首こり(たまに頭痛もあります)、顎関節症?(大きな欠伸をすると顎に痛み・またガコッという音がしたりします)、冷え性(時々夜中に足が冷たくて目が覚めたりします)の症状があります。あと、今現在風邪の治りかけのような状態ですが、鍼治療を受けるには風邪を治してからがよいでしょうか?
A:アレルギー性鼻炎は、火鍼という特殊な鍼を使えば、比較的簡単に治ることもあります。しかし、アレルギー性疾患のほとんどは薬害と食害、食べ過ぎ、運動不足による生活習慣病であると言っても過言ではありません。ゆえに、根本的な解決を求めるのであれば、己の生活を見直し、努力することが最重要になります。特に、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。アレルギー性疾患に関しては、昔は熱い灸で皮膚の蛋白質を意図的に変化させ、免疫機能を向上させて(NK細胞などを増加させて)治していましたが、酷(ひど)い灸痕が残るというデメリットがありました。昔は現代ほど狂ったような薬害と食害がなく、魚貝菜食かつ粗食少食が常でしたから、現代ではあまり効果的でないユルい鍼灸治療でも劇的に効いたのでしょう。薬はすぐに肝臓で処理されますが、その全てが体外に排出されるわけではなく、他の組織に長期間残留するとも言われています。いわゆる長期的な薬害、副作用の一部はこれによるものと考えられます。したがって、必要がない薬はなるべく飲まないのが賢明です。
肩こりや頭痛は当院で鍼をすれば数回で効果を実感出来、完治することがほとんどです(木枕の使用は必須です)。顎関節症は軽度であれば数回の鍼治療で治りますが、重症だと中々完治しにくいことがあります。特に、日常的に就寝中の歯ぎしりが酷(ひど)くあったりすると、簡単には治りません。なぜなら、歯ぎしりは過去のトラウマや、日中の精神的な過緊張が原因であり、気質も大いに影響しているからです。冷え症は当院で定期的に鍼をして、週5日くらいを目安に20~30分くらいのウォーキングを心掛ければ、簡単に治る場合がほとんどです。しかし、女性は絶対的な筋肉量が少ないのが根本的な冷えの原因ですから、冷えが完全に消失するまでは数カ月はかかると思います。あとは、温冷浴を併用すると良いです。また、冷えた飲食、薬剤、食べ過ぎなども深部体温を低下させ、代謝効率を悪化させますので、慎まねばなりません(ちなみに最近、ガンの原因は代謝異常であると言われています。)。風邪症状でも熱やだるさがなければ、施術しても問題ありません。むしろ、鍼治療後は脇窩温の左右差がなくなって全身的なバランスが整い、滞っていた血流が改善し、代謝が上がり、免疫機能が向上するため、風邪も治りやすくなります。
Q:私は36才女性です。始めは全身脱毛になりましたが三年前くらいから薄毛ではありますが円形脱毛という段階まで回復しました。冬場は特に首凝りを感じます。また、極度な冷え性です。わたしの冷えを治せるものはこの世にあるのかと思うほどです。気功治療はなさるのでしょうか?あと、広島にもあるようなことが書いてあるのですが、松鶴堂鍼さんも同じ系列でしょうか?いろいろ質問して申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
A:冷え症に関しては当院HP「冷え性」を参照して下さい。以前、毎日氷点下の冷凍庫内で働いている、という極度の冷え症の女性を診たことがありますが、日常的によほど体が冷えるような環境になければ、大抵の冷え症は治ります。一番重要なのは有酸素運動を続けることです。心臓から出た血液自体が冷たい人など存在しませんから、血液循環が正常で、ある程度の代謝量を保てていれば、冷えるということはありません。特に、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
その症状(脱毛、首のコリ、極度の冷え)から察すると、甲状腺機能低下症を疑わせますが、病院にて受診はされましたか?甲状腺機能に異常が出た場合は血液検査ですぐに陽性か否かが判別できますが、亢進低下に関わらず、胸鎖乳突筋のあたりが慢性的に張っている患者がほとんどです。したがって、当院では、甲状腺機能に異常がある患者に対しては、まずは頸部の筋肉をゆるめるような治療を施しています。ちなみに、ウィキペディアなどは信頼性の低い記述が多いので、甲状腺機能低下症については以下のサイトを参照されると良いでしょう(こちら)。
私は気功の効果については大いに懐疑的ですので、一切採用していません。どんなものであっても、実際に試してみて良いもの、鍼灸院で業として行えるものは積極的に治療に取り入れていますが、効果が一定していないものや明らかに非科学的なもの、一部の人間にしか受け入れられていないカルト的なもの、法律上禁止されているものは一切取り入れていません。太極拳等は健康の維持には良いと思われます。
残念ながら、2013年現在、広島には当院の関係者は存在しないようです。松鶴堂さんは、過去に別の北京堂に見学に来ていたということは師匠から伝え聞きましたが、正式に私の師匠から教授を受けた事実はないようです。一部の鍼灸院では、当院や他の北京堂に一度見学に来ただけとか、巷の怪しい講習会などを受講しただけで、「北京堂式」を伝授されたとか北京堂の関係者であると主張しているケースもあるようです(今のところ、師匠や師匠の治療を受けていた患者さん曰く、弟子の中では当院が最も師匠に近い効果的な刺鍼法を実践していると言われています)。どんな分野においても、本家や直系の弟子が勢力を増してくると、必ずと言って良いほど亜流や贋者(偽者)が蔓延(はびこ)ってきて、賤しくも「おこぼれ」を頂戴しようとアノ手コノ手で近寄ってきますから、十分に注意しなければなりません。
基本的にどんな病態でも、5~7日くらいのペースで3回くらい治療を続けてみて、何らかの変化が出るようでしたら、完治するか症状が軽くなる可能性はあります。とりあえずは実際に体を診て、刺鍼後の変化を診なければ、どのくらいで治るか等は断言出来ません。
Q:こんにちは、当方は60歳の男性です。何年か前から、耳鳴りがし、時々耳鼻科に行っていました。最近も耳鳴りがするものの余り気にならない程度でしたが、先月の中頃から耳鳴りに加え頭鳴りがするようになりました。仕事等のストレス等により11月末頃から12月下旬ごろまで睡眠時間が2から3時間程度でした。同時期から背中、首筋、肩のこりがきつくなってきています。耳鳴りの持病が有ったが症状が軽くなった友人に相談したところ、北京堂さんの治療のおかげで有ると聞きました。当方は、10年前から糖尿、高血圧の治療(投薬)を受けておりますが施術可能でしょうか。なお、血圧は服薬により120から80程度です。現在は多少短い(5時間弱)ですが睡眠は取れています。ご回答いただければ幸いです。
A:当院での耳鳴りの治癒率は、おおよそ50%くらいです。20年くらいの長患いであっても治ったケースはありましたが、罹患年数が長くなればなるほど治り難くなるようです。また、常に耳鳴りがあるとか、両耳が鳴るというケースも治り難いです。逆に言えば、たまに耳鳴りがする、という程度ですと治りやすいです。だいたい2回施術して変化があれば治る可能性は高いですが、一概にそうとも言えない難しいケースもあります。とにかく、耳の病態は多様で厄介なケースが珍しくありません。おそらく、脳や頸椎、咽頭、副鼻腔など、多彩な影響を受けやすい器官だからでしょう。
首、肩、背中のコリでしたら、当院の治療で比較的簡単に軽減します。しかし、メールを拝見した限りでは日常的にかなりのストレスを感じておられるようですので、刺鍼によって症状が軽減しても、完全に良い状態になるかはわかりません。なぜなら、体の状態は日常によって作られるものであり、日常的なストレスが強すぎる場合は、それらのストレス源を軽減させない限りは、刺鍼したとしても筋肉がゆるみにくいからです。
したがって、そのような過酷な状況にある患者の場合は、週1回の鍼治療を欠かさず受け続けることで最悪の状況になることを避け、ある程度良い状態を保つ、という具合になる場合があります。鍼治療は筋肉をゆるめ、体の自己修復力を補助するようなものですので心身への日常的な負荷が強すぎたり、日々過緊張を余儀なくされるような時間が多い場合は、うまく鍼を刺しても良く効くという薬を飲んでも、なかなか改善されにくいのです。
ゆえに、数回鍼治療をしてみて治りが悪い場合は、現在の生活環境を是正することが重要になってきます。しかし、数回治療をしてみて何らかの改善がみられた場合は、生活環境によらず、鍼治療を続けることで少しずつ治っていくと思います。高血圧と糖尿病は、治療に際しては問題はありません。刺鍼によって末梢部の筋肉がゆるめば、自ずと血圧は下がり、正常化してゆきます。
Q:現在高校3年生の女の子です。中学の頃からチックの症状が始まりました。中学3年の頃が一番ひどくて、目はしょっちゅう白目を向き、あごをカクカクさせていました。今は、少しマシにはなりましたが、目は相変わらず白目を向いたり、異常に早いペースで瞬きをします。友達にも指摘され、本人も辛いようです。
卒業までに治そうと、先日M市の私立病院へ行くと、専門外とのことでS病院へ回され、
S病院へ行くと、「薬は出せるけど、治すのは専門ではないのでT医大へ行ってください」といわれました。T医大へは中学の頃通いましたが、カウンセリングして薬をもらうだけでした。人から目のことを指摘されることをとても気にしています。完治とまではいかなくても、症状を緩和させることはできないでしょうか?脳波の検査は異常なしでした。
A:脳波の異常がないということですと、「てんかん」のような脳の器質的病変(=細胞組織などの形態的な異常)はないと思われますが、一般に「チック」と言ってもミオクローヌスや舞踏病、顔面神経支配下の筋肉の間代的な痙攣など色々あるため、適確な鑑別が重要です。ゆえに、しっかりと検査する場合は脳波検査の他に頭部のエックス線・MRI検査や、尿検査、血液検査などが必要になります。
しかし、その感じだと心身症の可能性が高いと思われます。中学時代はただでさえ自我が不安定になりやすい時期ですが、女性は初潮が始まる時期でもあり、余計に心身が不安定になりやすいからです。症状が中学の頃から始まっている、ということも大いに心身症を疑わせます。そもそも、子供の病態は家庭内の環境に原因があることが多いです。
小学校低学年くらいまでは男女ともに心身の状態は近似していますが、小学校高学年くらいを境に女性は出産に備えて月経が始まるのと、腹式呼吸が胸式呼吸へ移行するのとで、男性と比べて体の状態が著しく変化します。また、女性はその後も月経によって体全体のバランスをとるようになるので、環境に馴染めなかったりして月経が不安定になると精神的にも不安定になりやすく、様々な病態が現れることがあります。
ともかく、脳に器質的な異常がみられない、心身症などに起因する慢性的かつ不随意的な(=無意識的な)筋肉の異常収縮が原因であれば、鍼灸治療と精神療法を併用すれば治る可能性はあります。逆に、脳の器質的な疾患に起因するものであれば外科手術など、現代医学的な治療が必要になる場合があります。家庭内に強いストレス源がある場合は、中々良くなりません。また、軽度の心身症は当院の鍼治療で簡単に治る場合もありますが、重度の場合は精神科医による定期的な精神療法(カウンセリング)を併用した方が治りが良いです。なぜなら、潜在意識下にある異常を、なるたけ良い方向へ導いてやる必要があるからです。もし、カウンセリングが必要ないくらい軽度の状態でしたら、現在出ている眼やあごの痙攣は何回か鍼治療をすれば簡単に治ると思います。
Q:ホームページを拝見し、メールさせていただきました。平成13年春頃に突発性難聴と診断され治療をしましたが、回復せず今日に至っています。なんとか改善したいと思いますが、鍼治療で可能性はどのくらいあるのでしょうか?
A:難聴の種類によっては、当院の鍼治療で治ります。特に、突発性難聴はメニエール病に次いで、難聴の類でも治りやすい部類です。発症してすぐに鍼を打てば、95%くらいのケースで治せると思います。突発性難聴やメニエール病は診断があいまいで、症状が混合している患者も多いです。だんだんと聴力も低下し、最悪は耳が聞こえなくなります。そうなると当院の鍼治療も効きません。医学的には難病の類で、薬を飲んでも全く改善しないケースがほとんどで、失望している患者も多いようですが、当院で鍼治療した患者は、早期であればほぼ確実に完治します。大半の医者や患者は鍼治療など効くはずがない、などと根拠なく信じているようですが、まあ簡単に治ります。耳鳴りが出てきたり、発症してからかなりの年数が経っていたり、日常的に耳への負担が大きい環境にさらされている場合などは、治りにくいこともあります。
現代医学における難聴の分類は、主に耳の外方(外耳、中耳)に原因がある伝音難聴と、耳の内方(内耳、後迷路)に原因がある感音難聴、または両方の要素を含む混合難聴に分けられます。鍼治療が有効なのは特に、内耳周辺の血管・リンパ管内外に根因があるものです。つまり、内耳周辺で起こる出血や塞栓(血管の詰まり)、血管攣縮、リンパ液の過剰などが原因であれば、刺鍼によってそれらの異常を取り除くことが出来るので、内耳機能の正常化を促すことが容易で、難聴も治りやすいです。例えば、内耳はリンパで満たされていますが、内リンパの過剰(内リンパ水腫)によるメニエール病(低音難聴、耳鳴り、回転性または浮動性めまい、吐き気、耳閉塞感、聴覚過敏)などは、刺鍼によって利尿、代謝、浸透圧が改善されるため、比較的簡単に完治します(早ければ1回目の施術後に、聴力検査の数値が上昇します)。よって、当院での鍼治療はいわゆる「循環障害説」による難聴(≒突発性難聴、メニエール病)であれば有効ですが、同様にして急激に起こった難聴であっても、音響外傷や頭部外傷、髄膜炎、流行性耳下腺炎(=ムンプス難聴)などによるものは、内耳の感覚細胞や神経に大きな変性が起こっていることが多いため、治り難いです。また、有毛細胞(耳内の感覚受容器)や神経の減少・萎縮などによる、加齢に伴う生理的な難聴(=老人性難聴)においても、鍼治療は効果が認められ難いです(今までの臨床経験では、良くなるケースもみられましたが)。耳鳴りと同様に、現在の医学においては、多くの難聴の原因はハッキリと特定出来ていません。ウイルス感染説や循環障害説などが主流ですが、どれも確証はありません。ゆえに、難聴といっても実態は様々で、当院の鍼治療で簡単に治る人もいれば、治らない人もいます。他の疾患と違って、難聴においては明確な結果が出やすいのです。当院で、4に1度のペースで2回くらい施術してみて、何らかの変化が出れば、治る可能性は高いでしょう。以前、当院で完治した症例、「難聴・耳鳴りの鍼灸治療レポート」も参考になさって下さい。
Q:こんばんは。数回、帯状疱疹神経痛でお世話になりました、○○です。おかげさまで、あれからそれほど手の痺れが気にならなくなりましたので様子をみています。ありがとうございました。
ところで、質問があるのですが、実は私の飼っている猫に悪性腫瘍の疑いがありと言われました。それで、手術ができないかもしれないのですが、猫の悪性腫瘍には鍼やお灸は効かないものでしょうか?ただ、たとえ効いたとしても、鍼はいやがるので無理かとは思うのですが、例えば、先日購入させてもらったお灸は猫にしてはいけないものでしょうか?もしかしたら猫用のお灸が存在するのでしょうか?
15年も一緒にいる猫で家族同様、それ以上の存在なもので、大変なショックを受けておりまして、ずうずうしく質問させていただきました。
A:陸生の脊椎動物においては、体の基本構造に大差はありません。特に、哺乳類においては進化の重要な特徴として、「体肢の回転(つまりはヒトが二足歩行へ進化したこと)」がありますが、体肢各部においての骨格要素の配置は、ヒトも猫も本質的には同じです。つまり、脳に関してはヒトの方が遥かに進化はしていますが(本当に「進化」なのかは断言出来ませんが)、体の基本的な構造に関しては、ヒトが前足を手として用い、四足から二足歩行になったくらいの違いしかありません。ゆえに、鍼灸が人間に有効であるならば、当然ながら猫にもそれなりの効果があると思われます。
しかし、現法律下では、鍼灸師が単独で動物に鍼灸治療を業として施すことは出来ませんので、獣医師に施術してもらうしかありません。一部の鍼灸師は、獣医師の監視下という名目で施術しているようですが、明らかな違法行為で、処罰の対象になります。詳細については、週明けに厚生労働省と農林水産省に問い合わせておきます(→下記に回答あり)。
ちなみに、猫は人間ほど脳が発達していないため、治療の効果を大きく左右する潜在意識や、いわば先入観みたいなものがほとんど介在しないと思われますので、鍼灸治療は人間よりもずっと高い効果が得られると思われます。
また、癌は基本的に体の深部体温(≒基礎体温)が低いと増殖しやすいですから、適度に運動させ、便通の良くなるような食べ物を与えましょう。食品添加物が無添加で、有機栽培や無農薬の野菜で作られたエサが理想的です。体調が良くなるまでは、冷えた食べ物や、体を冷やすような食べ物を与えてはいけません(かと言って、夏場に熱すぎるエサもダメです)。さらに、猫はその生活環境によって体調が如何様にも変化しますので、現在その猫を取り巻く環境を見直してみることが最も重要です。病気は人間同様、日常に大半の原因がありますから。
とりあえず、灸を背中の正中線上から左右、人間でいう脊柱起立筋のあたりに据えてみてください。三日に一度休むペースで、左右各五箇所くらいのツボを選び、一箇所につき三個(3個×10箇所=30個)を限度に、灸を据えると良いでしょう。猫の様子をみて、体調が悪そうな時は中止するか、分量を減らして下さい。灸で定期的に皮膚を軽く火傷させることで強制的に蛋白変性を起し、NK細胞を良い状態で維持することができれば、癌の増殖を抑えることが可能になると思われます。皮膚は焼きすぎると傷になって細菌感染しやすくなりますので、灸の焼き加減には十分に注意して下さい。
最後に、猫はとてもデリケートな動物ですから、飼い主が知らぬうちに抱えているストレスが、猫の病態を悪化させることも往々にしてあります。とにかく良くなることを信じて、心配しすぎないことも大切です。
*院長が飼育動物における鍼灸治療について、厚生労働省に問い合わせました(2012年8月)。後日、厚生労働省(鍼灸師の管轄)と農林水産省(獣医師の管轄)の担当者に、現在のあはき法および獣医師法を詳解していただき、その回答を頂戴しました。結論から言えば、鍼灸師免許しか保持していない者が、たとえ獣医師の監視下であったとしても、飼育動物に施術することは違法になるとのことでした(獣医師法 第17条「《飼育動物診療業務の制限》獣医師でなければ、飼育動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫、鶏、うずらその他獣医師が診察を行う必要があるものとして政令で定めるものに限る。)の診療を業務としてはならない。」が論拠。)。現在規定されているあはき法および獣医師法の内容は非常にグレーなので、「出血させない」または「健康増進目的」の鍼灸治療であれば、飼育動物に施術出来る可能性はありますが、実際には動物も人間と同様に毛細血管が縦横無尽に全身を巡っていますから、抜鍼時に100%出血させない、などということは不可能です。よって、鍼を刺す以上、出血はどうしても免れ得ませんので、たとえ「健康増進目的」だと謳う施術であったとしても、それは極めて違法に近い状態であると言えます。灸の施術に関しては、熱傷を負わせない限りは、違法性は低くなると思われます。治療成績が向上してくると、飼育動物への施術希望が出てくることが往々にしてありますが、実際に人間と動物を同じ環境下で施術することは衛生上の問題があり、実現は困難です。また、何より鍼灸治療の際に使用する器具や施術着の厳重な使い分けなど、シビアな衛生管理が必要となります(施術室や施術者を完全に分離する必要があります。たとえディスポ製品を使ったとしても、飛沫感染などによる院内感染は避けられません。動物専門の鍼灸院であれば問題ないでしょうが、獣医師でない限り、鍼灸師がそのような鍼灸院を開業することは法的にも実際問題としても難しいでしょう。)。現在、「獣医師の下で施術しているから問題ない」などと公言している鍼灸師がいるようですが、純粋な「健康増進目的」ではなく、何らかの疾患の治癒を目的とする施術であれば、ほぼ確実に違法となる可能性があるということは知っておくべきです(まぁ、愛するペットが病気になった時は、誰しも藁にすがるような気持ちになるかもしれませんが…)。また、鍼灸師による飼育動物への施術は、有償・無償に関わらず違法となります。
Q:はじめまして。治療についてメールさせていただきました。50代女性ですが、今年2月に左腕~肩にかけて帯状疱疹になり、いまだに神経痛があります。ひどい痛みではないのですが、常に痛みがあるため、夜も何度か目が覚めたり、体もだるく(帯状疱疹とは関係ないかもしれませんが)体調不良な感じが続いています。かかっていた医者には少しずつしか治らないといわれ、ほんとに少しずつ痛みは緩和されているとは思うのですが、この痛みをとることは可能でしょうか?もしこの症状が鍼灸治療に適応しているのであれば、一度診ていただきたいです。よろしくお願いします。
A:結論から先に言えば、当院での鍼治療は有効だと思われます。
帯状疱疹の多くは肋間神経節内に潜伏しているヘルペスウイルスによるものですが、ヘルペスウイルスは大半の人が幼児期に感染し(水ぼうそうなど)、大人になっても体内のどこかで「保持」しているウイルスです。医学的に定義されている帯状疱疹(単純疱疹)の原因は非常にあいまいで、「体の抵抗力が落ちてしまった時やストレスが溜まった時など、知覚神経節内に潜伏していたヘルペスウイルスが再活性化して発症する。」などと説明しています。つまり、多くの医者が「ストレスによるものですね。」などと一蹴して、薬を処方するだけに終わりがちな病態であります。
しかし、実際は何らかのストレスによって硬化した筋肉をゆるめなければ完治は望めない場合がほとんどです。何故なら、筋肉が慢性的に硬化し続けることによって、主に物質交換において重要な毛細血管が狭窄または閉塞しやすくなり、各組織、各細胞に必要な酸素や栄養の供給が減少し、同時に不要物質の回収も滞るようになるからです。そうなると、当然ながら筋肉の状態もさらなる悪化を辿り、最悪の場合は委縮または肥大した筋肉の間を縫うように走行している神経内において、そのパルスの伝導が停止するか過剰になって、結果として様々な病態や不快症状が現れるようになります。
よって、帯状疱疹に付随する各種神経痛も、その神経を刺激している筋肉をゆるめてやれば治ります。体がだるいのは、末梢から中枢(≒脳)への伝導回路の中間地点にある脊髄周辺の筋肉が硬化して、自律神経の状態が不安定になっているからでしょう(ちなみに、野口晴哉はこのことに関連して、「腰の可動性が悪いとやる気が出ないのである。」と指摘していました。)。これも的確に鍼を打てば治ります。あとは、私のHPで紹介している温冷浴も同時並行で行うと治りが早いです。温冷浴についての詳しい解説は「温冷浴」を参照して下さい。
中医学の古い格言に「通即不痛,痛即不通」という言葉がありますが、現代医学的に解せば、ほとんどの病や疼痛、不快症状は体液(≒血液)の悪循環によるものです。ですから、例えば肋間神経に沿って痛みがあったとしても、まずは肋間神経が出ている背部の中心部にある筋肉をゆるめ、血液循環や神経の伝導が自ずと正常化するように促します。その結果として、筋肉がゆるむ度に痛みも次第に減少するか無くなり、硬化していた筋肉によってその再生を阻害されていた神経組織の回復も自ずと早まります。特に、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
医者が「少しずつしか治らない」と言ったのは、おそらく一般的な神経の再生速度(通説では1日に1~2mm)を加味したものだと思われます。大半の医者は、神経がただ再生するのを指を咥(くわ)えて傍観するしかありませんが、鍼で硬化した筋肉を確実にゆるめることが出来る鍼師であれば、その人が備える神経の再生速度を最大限に加速させることが可能です。このことは、肉離れや捻挫などをした直後に当院で鍼治療を施した場合、医者が見越した経過よりも2~5倍程度早い速度で回復する事実からも明らかです。
Q:今ホームページを拝見し、出来れば明日月曜日にお願い出来ないかとメールしました。症状は一杯あります。腰、膝、肩の痛み。眼精疲労、更年期障害。経皮ホルモン療法。一昨日より、耳の閉塞感、耳鳴り。 昨年メニエルと診断され内服により一旦落ち着いていました。不眠症はもう五年くらい毎日睡眠薬飲んでいます。整体やマッサージは色々行き、昨年よりコアトレーニングを始めましたが、時間がかかるようです。治療して頂けますか?よろしくお願いします。
A:こんばんは。予約の希望時間をお知らせ下さい。とりあえずは、質の高い休養を得ることが出来れば、自ずと心身は良い方向へ向かい始めますから、まずは睡眠薬が必要のない状態までもっていくことを目指しましょう。休もうと思った時にしっかりと体がゆるみ、満足に眠ることが出来てくれば、体の様々な不快症状は緩和していきます。
当院へ通う場合は、効果の不明瞭な整体やマッサージへ行って無駄なお金を使う必要はありません。当院では鍼治療の施術と同時に、普段の運動や食事、日常での過ごし方、精神面でのアドバイスも徐々に行います。したがって、焦って怪しいビジネスに投資しないことです。人は心身の状態が不安定になってくると、心に「すきま」が出来、他に依存することで心身の安定をとろうとして、我利我利亡者や賊に大切な財産や大事なモノを奪われがちです。
そもそも、睡眠というものは日中の適度な活動があってこそ、自然ともたらせられる生理的な休息現象ですから、日中の過ごし方如何が重要になります。まずは2日に1度でも構いませんから、毎日20~30分ウォーキングする時間を作ってみて下さい。歩くという動作は非常に原始的で、一見すると何の効果もなさそうだったり、地味に思える動きではあります。しかし、意識的な歩行は、実は直立で生きている人間にとっては、その恒常性を維持するためには必要不可欠な運動でもあります。実際、大怪我や難病などで一定期間寝たきりになった人が、急にアルツハイマーを発症したり、廃人の如くなるのは周知の事実でしょう。逆を言えば、こうやって私にメールしたり、外に出て活動出来ている間は、ベットに縛り付けられたようになった人に比べれば、回復して本来の健康を取り戻す余地は十二分にあるのです。
ゆえに、普段から歩くためだけの時間(イライラしたり、嫌なことを考えたり、過緊張状態で歩くのは×。好きな音楽を聴いたり、景色を楽しみながら、心身ともにリラックスした状態で歩くからこそ全身の血流も良くなり、健康への第一歩となる。)を作り、その習慣を身につけるだけでも、心身の平衡を回復し保つには、絶大な効果があります。心身の機能は生理学的にも証明されているように、使わなければ使わない程、その機能は低下してゆきます。逆も然りで、使い過ぎてもその機能は低下しますので、実際に少しずつ動いてみて、自分に最適な中庸(ちゅうよう、=最もバランスがとれた状態)を見つけ出し、日常的にそれを維持しようと努めることが重要になります。
巷(ちまた)で誇大広告を謳(うた)った運動や体操の類は、大体においては悪しき商業路線が多く、儲けが先にありきの様相ですから、客観的かつ俯瞰的に観察してから採用するか否かを決めるのが賢明です。整骨院や整体、マッサージ、鍼灸の業界でも、患者を客としか思っていない輩も多く存在します。基本的には、健康はあまりお金をかけなくとも、取り戻せるものです。
メニエール病は状態にもよりますが、メールに記載されたその他の症状は、鍼で治る場合がほとんどです。眼の異常、耳の異常、肩の異常などは全て、頸椎周辺の筋肉をゆるめてやることで完治するか寛解(=症状が緩和)します。まれに頚椎症を併発していることもありますが、当院のような針灸施術と木枕の常用で改善させることが可能です。女性の更年期障害は、20~40代までに様々な欲求が抑圧されてきたことに起因する場合がほとんど(ゆえにホルモンバランスが崩れる)のようですので、それらの欲求を昇華または転化させたり、物事の捉え方を変えたり、瞑想をしたり、趣味に没頭して脳波を安定させると、自ずとホルモンの放出も正常化しますので、治りやすくなります。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
Q:嗅覚障害と味覚障害が同時に起りました。病院は2カ所へ行きましたが、1カ所ではウイルスに感染したとかで一生治らないと言われました。このような場合は鍼治療で治りますか?
A:鍼灸で治る可能性はありますが、実際にみてみないと何ともいえません。しかし、たとえ医者が治らないと言っても、嗅覚の神経は再生する可能性があり、実際に鍼を鼻周辺から打つことで嗅覚の状態が元に戻ることがあります。反応が早ければ、1回の治療で何らかの変化が出ます(まず特定の臭いに反応するようになる)。五感の障害は様々なパターンで起こりますが、医者に風邪症候群などであると診断され、単純に鼻の中の粘膜の炎症が原因であれば、鍼で治る可能性は高いです。前述した通り、基本的には嗅神経は再生しますので、他の神経損傷と違って治ることがあるので、一人の医者が言うことだけを鵜呑みにして絶望してはいけません。ちなみに、中国の鍼灸治療では、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などに伴う嗅覚障害は、ある程度メジャーな治療法が確立されています。当院では中国の鍼治療をヒントにして、独自の治療を施します。また、精製塩はカリウムやマグネシウム以外にも、亜鉛などのミネラル分が除かれているため、味覚障害が起こりやすくなります。塩は天日干しと平窯で作った海の精などの商品をお勧めします。基本的には塩を天然塩に変更し、魚貝菜食中心にすれば、亜鉛が不足することはありません。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
Q:はじめてメールさせていただきます。さっそくですが、下記の症状で長年悩んでいます。2週間ほど前に、背中や頭部に死ぬほど熱いお灸を受けました。セカンドオピニオンとして、下記の症状がお灸でみてもらえるものなのか、針がいいのか、先生の意見を聞かせてください。よろしくお願いします。 背中痛、頭皮の吹き出物、歯周病の進行続いています。現在坑うつ薬服用しているので症状が表出しませんが、減量すると再発します。(吐き気、目がしょぼしょぼ、倦怠感、疲労感が増)
A:こんばんは。基本的には、いわゆる神経痛や疼痛は筋肉の硬化によるものがほとんどですので、灸だけでの治療は効果的ではありません。また、灸の免許は鍼の免許とは別なので、灸の免許しかもっていない人だと、強烈な灸をすえる傾向がみられます。つまり、法律上、灸治療しか出来ないがために、「灸でなんでも治る」とか「灸が最高だ」などと嘯(うそぶ)く輩がいるのです。そもそも、鍼灸両方の免許をもっていて、それなりに勉強している人でしたら、そのような症状には鍼を主体として施術するはずです。松江にも熱い灸を体中に施して、体中に灸痕を残すばかりで治さない人がいるようですが、私としてはとても理解出来ませんし、怒りさえこみあげてきます。何より、治さないくせに一生消えない灸痕を嬉々として無数に残し、それでも己の治療を改めようとしないあたりが許せません。鍼灸治療においては、灸治療はあくまで補助的な治療であり、灸治療が治療の主体となるようなことはあり得ません。かつては灸治療だけで一世を風靡した人も存在しますが、真に鍼治療の効果を知っていて、実際に効果的な施術が出来ている治療者であれば、灸治療のみに依存するなんてことは到底あり得ないのです。
ちなみに、体中に灸の痕が残ると、その部分の皮膚はケロイド化して、鍼が打てなくなりますので(極度に太い鍼なら打てますが)、今後のことも考えると、その治療院では二度と治療を受けないのが賢明であると思われます。
私も皮膚を焼く灸は行いますが、皮膚を焼く範囲は極小であり、アレルギー疾患やガン患者などにだけ施術します。なぜなら、灸で皮膚を焼く本来の意味は、たんぱく変性を起こして免疫系を賦活(ふかつ、≒活性化)させる事だからです。
したがって、背部痛、頭部の皮膚の荒れ、歯周病に対しての灸治療は全くの見当違いもよいところであり、私からみると術者のレベルの低さに呆れてしまいます。特に、鬱や倦怠感、眼の異常などがあるのでしたら、なおさら鍼でないと効果は望めません。
頸部から背部の筋肉を鍼でゆるめると自律神経が安定して、脳内のホルモンの状態も変化してきますので、それらの症状は寛解するか消失するでしょう。あとは、鍼治療と並行して軽く汗が出るくらいのウォーキングなどを続けるのが良いです。
口内炎や口唇ヘルペスは、頸部や顎の周辺で硬化した筋肉に神経が締め付けられ、刺激されて起こる場合がほとんどですので鍼で簡単に完治しますが、歯周病の場合は一度歯科医にみてもらったほうが無難です。歯周病菌が血液を介して全身に回り、様々な病的症状が引き起こされる場合があるからです。また、歯周病予防には食後の歯磨き励行と正しいブラッシングが必須です。
*以前治療した遠方の中学生の母親からのメール
Q:先生 お久しぶりです。Tは頑張って学校生活を送ってます。ただ昔からですが胃腸が弱いみたいで、酷いときは一日中下痢がとまらなくて3日学校を休んだりと大変です。胃がもぎ取られるような…なんか凄く痛いと言ってます。
それと、知人が(60歳を過ぎている女性)右足を痛めてしまい、筋がどうかしただけだろう…そのうち治るだろうと様子を見ていたら日に日に酷くなり太ももから足首にかけてパンパンに腫れて膝が曲げれず痛みで寝れなくなってます。
電気治療。血液検査としたみたいですが一向に治らず病院に行っても異常はありません。と言われるみたいです。昨日、医大でMRIの検査をしたらしく今日、検査結果が出るみたいです。もし、異常なしと言われた場合、はり治療は効果的でしょうか?
A:こんにちは。まず、胃腸は迷走神経という自律神経で支配されているので、精神的な原因でも容易に不調をきたしやすいです(実際多い)。また、みぞおちより下、へその周辺あたりが痛い場合は腸内に潰瘍や炎症、ピロリ菌の感染があったり、腸内の善玉菌が不足していて不調が起こる場合があります。さらに、急性腹症(急性膵炎、急性虫垂炎、潰瘍による穿孔、腹膜炎、腸管膜血管閉塞症)の場合は激烈な痛みが走る場合がるため、病院に行かないとダメです。また、大腰筋という腹部後壁にある筋肉が凝っている場合などは慢性的なコリが腰痛か腹痛を引き起こします。したがって、腹痛といっても色々ありますので、しっかりとした見極めが必要になる場合があります(特に急激に痛みを訴えるもの)。
病院に行って問題ないと言われたような慢性的な下痢や便秘の場合は、食事の改善が治療の要になります。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。大腸には免疫機能に関する重要な組織があるとされているため、腸の状態が良くなれば自ずと免疫機能も上がりますし(NK細胞が増加すると言われている)、免疫機能が向上すれば心身も元気になってきます。そうすれば、腹痛も下痢も完治する可能性があります。
また、子供は自我が不安定で多感ですから、自分を取り巻く環境をうまく消化出来ないと、色んな意味で「消化不良」を起こしやすいものです。例えば、学校のこと、恋愛のこと、家庭のこと、親の仕事のことなどを気にかけていたり、愛情不足を無意識に感じている場合なども、「心身症」という形で腹痛や下痢を起こすことがあります。心身症とは心理的ストレスによって引き起こされる体の様々な症状で、医学的な検査をしても何らの異常が発見されることはありません。しかし実際は、患者の体は激しくこわばっており、その体の筋肉の「コリ」が神経の伝達や体液の循環の異常を引き起こし、自律神経系や脳内の神経伝達物質の状態が不安定になり、結果的に心身に様々な症状が起こると思われます。昔から「心身一如」とか「心身相関」などと言いますが、心(≒脳)の変化は如実に体に現れますし、逆に体の状態も同様に心(≒脳)に影響を与えます。ですので、今、腹痛や下痢が起こっているのは何らかの原因があるはずで、それを見つけて正さなければなりません。
いわゆる心身症においては、プラシーボ(偽薬、placebo)と行動療法が良く効きます。逆に言えば、心身症であれば、プラシーボと行動療法で完治する場合があるのです。行動療法は若干テクニックがいるので下手にやらぬ方が良いですが、プラシーボは比較的簡単に利用出来ます。医学的には、上部不定愁訴症候群という病気がありますが、潰瘍などの病変がないにも関わらず腹部の異常を訴える場合であっても、プラシーボを利用することで6割程度の患者が不快症状から解放された、というデータがあります。市販の小さなラムネのお菓子などを病院でもらったかのようにしてT君に与え、噛まずに水で飲ませてみて下さい。その際、「よく効く」ということをさりげなく聞かせておくのが良いです。ちなみに、人は直接に眼の前で話を聞くよりも、カーテン越しなど耳を欹(そばだ)てるような状況でコッソリ聞く方が、潜在意識が動かされやすいので効果的です。いわば「病は気から」を逆手にとった治療法です。また、心身症の場合は、「深刻な病が隠れているのではないか」という患者自身の思いが症状の寛解(≒回復)を強く阻むため、しっかりと検査した上で「心配ないよ」、となだめ勇気つけることも重要です。
行動療法は主に症状が軽くなってきた時期に行います。何かトラウマ(trauma)になっているようなことがあれば、それらを乗り越えられるようにわざと、トラウマティックな行動を少しずつ実践させるようにします。いきなりトラウマ的な状況に放り込むのは危険ですから、少しずつ慣らしていくようにします。
鍼をする場合は、背中や首の筋肉をゆるめるような治療(自律神経を安定させるような治療)が中心になります。あと、人は動かなくなればなるほど、心身の機能は低下しますので、適度に外に出たり、日光浴したり、運動したり、笑ったり、遊んだりすることも大切です。逆に、動き過ぎている場合は「骨休め(横になって骨髄を休ませることで血液の新生が促される)」が必要です。基本的に生物は、環境にある程度の多様性があるほど強く、活き活きとしてきますから、環境に変化をつけながら毎日を過ごすことも大切です。また、子供は親の背中をみて育ちますから、親がシャンとしていなかったり、親が平和でないと、子供も悪い影響を受ける場合があります。親は子供の鏡となるべき存在ですし、実際に鏡のような存在ですから、子供の不調は親の不調であるとも考えられます。思い当たることがあって、改善の余地があるならば、少しずつ良い方向に転換してみて下さい。
知人の方についでですが、病院で異常がないと言われた場合、ほとんどは鍼が適応です。しかし、病院によっては病変を見落としているケースもありますので、信頼できる医師にしっかりと診断してもらうことが重要です。
Q:岡山県在住のOです(50代、女性)。天道先生のリンクで水樹先生を見つけ、来年は東京に戻られるとのこと、それまでに長年の悩み(腰痛)を解決したいと思いメールします。
<原因・症状>
昨年は3月と9月に2回ひどいぎっくり腰になり、それまで恐怖だった神経ブロック注射を受けました。しかし、ブロック注射では一時しのぎ、治りはしないと思い、現在は整体等に行っています。毎朝、起きた時が腰や脚の付け根が固まっていて、体操して活動可能になるまでかなりの時間と痛みがあります。この頃は、膝の痛みも少し出てきました。体の歪みと、活動が落ちたことで、昨年から7キロくらい太ってしまいました。これらを引き起こす慢性の腰痛・・・約10年前の落馬の治療が適切でなかったことで右の大腰筋のひきつれが取れず、時々各種ストレス(精神ストレス、過労、睡眠不足体重超過)が重なると時々ぎっくり腰を起していました。(これ以前にもスポーツ障害が原因の腰痛が時々ありました。何かの時、重いものを運んだ、とか草抜きのしすぎ等々で。)9月に麻酔科を再度診療した時に、整形外科のセカンドオピニオンを求めに行った時の文章をファイルで添付しますのでそちらも参照してください。
*添付された文書ファイルは非公開とします。
<治療の希望・質問>
松江まで車でまいります。3時間くらいかかると思います。そのため、1回治療したあと、近場に泊り翌日の治療というのは有効でしょうか?そういう通いかたを月に1~2回で来年までに間に合うでしょうか。それとも毎週1回とかの方がいいでしょうか。予約は、電話でいいのでしょうか。それともメールの方がよいのでしょうか。可能なら、2月2週めまでに1回治療をお願いします。
A:こんにちは。添付された文書を読んでみて、わかったことを以下に箇条書きします。
①「昨年から7キロくらい太った。」→事故によって、骨盤が外側に向かって開いてしまったのが主な原因だと思われます。つまり、落馬の際に腰を強打したか殿部を強打したかによって、主に小・中殿筋が異常収縮を起こし、硬化したまま元の長さに戻らなくなっているのでしょう。ゆえに、短くなった小・中殿筋によって腸骨が外側へ開き、結果として腹部の筋肉に締まりがなくなったり、仙骨にある副交感神経節が慢性的に刺激され、小・大腸の働きが活発化して食欲亢進・消化吸収が増加している可能性があります。また、バランスを崩して落下した際に頸部や背中が異常に緊張したままになってしまって、迷走神経を含む自律神経が不安定になり、食欲や消化吸収に異常が出たのかもしれません。さらに、落下した際に足首を打っていたりしても、骨盤が開く場合があります。この場合はどちらかの足首が回りにくいです。野口晴哉が指摘しているように、出産後に骨盤が開いたままになってしまったり、事故などによって骨盤が開いてしまって太る場合は、おなかや顔を中心に太ってきます。逆を言えば、骨盤が閉まってくるとおなかや顔から痩せてきます。この場合は骨盤が自然と正常な位置まで戻るように、腸骨の外側に付着している小・中殿筋を中心に鍼を刺してゆるめます。また同時に、骨盤底筋を鍛えるような体操をすると良いです。ちなみに内臓下垂、月経異常、女性の生殖器系疾患、女性の尿もれ、顔やおなかの肥満、女性の性欲減退、膝の出っ張り、膝の痛み、膝の下の荒れ、O脚、不妊症、体つきが男性的な女性、鼻水が多い、喉が乾きやすいなどは、骨盤が開きっぱなしになっているために起こることが多いです。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけ、コレステロールや飽和脂肪酸が多いため肥満の原因になります。したがって、肉食を止めるか減らすことで、健康に痩せたり、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
②「左の大腿骨の付け根がコキコキ鳴る。」→上記したように、腸骨の外側から大腿骨周辺に付着している外骨盤筋群(殿筋、梨状筋、双子筋、大腿方形筋)と内骨盤筋群(大腰筋、腸骨筋)が慢性的な異常収縮を起こし、大腿骨の骨頭を腸骨側へ引き寄せているため、寛骨臼付近で骨がぶつかり合って、コキコキと音がするのでしょう(または関節包内での圧力差が高まり、気泡が割れる音がパキパキする)。これは、骨盤周辺の硬化した筋肉をゆるめることで、大腿骨骨頭と寛骨臼の位置関係が正常化し、異音が消えるはずです。また、事故後の骨盤歪みによって、重心が左に寄っている可能性もあります。
③「脚の付け根が固まる。」→②に記したとおり、大腿骨骨頭周辺の筋肉をゆるめることで治ると思われます。朝起きた時に特に固まった感じがするのは、起床時に筋肉が冷えていることや、血流が緩慢になっていること、外気温が低いことなどによって筋肉が硬化しているゆえです。その証拠に、動き出して体があたたまってきたり、お風呂に入ったりすると、若干でも動きが良くなるはずです。つまり、これも硬化した筋肉をゆるめて血流を改善すれば治るはずです。
④「最近、膝の痛みが少し出てきた。」→①に記したとおり骨盤が開き、下がってくることで膝に負担がかかってO脚になったり、膝に痛みが出ることがあります。また、大腰筋が硬化することで大腰筋の中を走行する大腿神経が刺激され、膝に痛みが出る場合があります。この場合は主に、膝の正面や膝の直下が痛みます。膝正面の痛みは大腿直筋の異常収縮でも起こります(オスグット・シュラッター病など)。さらに、膝の外側が痛む場合は、大腿骨周辺の筋肉や、膝窩にある膝窩筋・足底筋の異常収縮が原因にあることがあります。同様に、膝の内側の痛みは内転筋群の異常収縮によって起こる場合がほとんどです。膝の正面が痛む場合は、大腰筋をゆるめると治る場合があります。ちなみに、単純に体重が増加したために膝に負担がかかり、痛みが出る場合もあります。
⑤「腰椎が鳴る。腰椎・骨盤・仙骨のおさまりが悪い気がする。」→骨の位置は全て、筋肉の弛緩と収縮で決定します。ゆえに、硬化している筋肉をゆるめれば、骨が本来あるべき位置に自然に戻るので、異常感は消えると思います。
⑥「H23年3月より、ずっと軟便か下痢気味。」→主に大腰筋や腰方形筋の異常収縮で、小腸および大腸の働きが不安定になっているのでしょう。腰に鍼を打って腰部の筋肉をゆるめれば治ると思います。また、椎骨~仙骨に付着している筋肉が硬化していることにより、頸部・背部から出ている自律神経が障害され、内臓全般に不調が出ている可能性があります。
⑦「普段、朝に症状が重い。少しづつ動かしていると昼ごろはましになる。」→③と同様です。
当院には遠方から来る患者さんも多いですが、基本的には4~7日おきに来てもらいます。なぜなら、鍼を抜いた後は体が自ずと「回復期」に入るため、3~6日ほど放置しておく時間を設けた方が良いからです。ゆえに、2日連続で治療を続けるのはあまり意味がありません。本来、生物には自己修復するための自然で生理的な「速度」が備わっていますから、やたらめったらに刺激を与えるのは無意味であり、害になることさえあります。そもそも、治療というものは、患者の「速度」に合わせて、自然治癒能力を最大限に引き出して自立させることが本分であり、患者の自己修復の「速度」をスポイルしたような治療は、もはや自己本位の施術であり、術者の高慢なエゴでしかありません。他の鍼灸院においては、遠方の患者を2日連続で通院させているケースがあるようですが、それは明らかな商業的行為であり、患者と「客」としか考えていないように思われます。確かに、当院においても、遠方から来院した患者で、1回の治療で満足に鍼が打てなかった場合(患者が重篤である場合は初回の刺激量に限度がある←重篤であるほど鍼は痛いゆえ、初回の刺激量を最小限に抑えることがある)は、翌日にもう一度施術することがありますが、基本的には患者の様子をみながら、1度の治療でその日に与えられるだけの刺激量を施術するので、2日にわたって治療を続けることは滅多にありません。
また、当院で治療を続ける場合は、整体やカイロなど、その施術体系や治療効果が明瞭でない手技は、一切止めて下さい。当院での治療経過に不具合が生じる可能性があります。さらに、長時間の車の運転は心身への負担も大きいので、より治療効果を上げるためには、電車などで来院・帰宅するのが理想です。遠方から車で通っていても治らないことはないですが、1回の治療で回復する幅が狭くなるため、治療が長期に及ぶ可能性があります。以前、福岡から通っていた患者さんは、松江駅前のビジネスホテルで一泊してから帰路についていたようです。予約はメールでも構いません。電話だとたまに出られないことがあります。治療期間についてですが、こればかりは実際に鍼を打ち、1~3回くらいの予後をみないと何とも言えません。1回の治療で痛みや不快症状が半減するくらいだと、数回の治療で治る可能性があります。
Q:こちら(USA)に帰って、週1回鍼治療に通っています。不妊治療で行っているのはそこの鍼と週1回のyogaだけで、残念ながらまだ2人目妊娠には至りませんが、今年も細々と続けて行く予定です。この冬のボストンは雪はないですが、さすがに空気が冷たくなっています。そこで先生のところで購入しましたお灸を試したいと思い連絡致しました。三陰交で試してみようと思っています。他におすすめがありましたら教えていただければ幸いです。
A:こんばんは。基本的には腰とおなか周辺(子宮の周辺)を温めるようなお灸をします。毎回ツボは以下のものから3~5穴取り、1か所につき7壮くらいを限度にして、左右同時に据えます(1回の治療で合計30壮以内にすること)。灸は必ず同じ部位に据えるようにして、皮膚にほんのりと赤みが出てきたり、暖かさを感じるようになってきたら、そこで止めます。また、左右のツボで感じる暖かさのバランスがとれるように灸を据えるのがベストですので、熱さを感じにくかったり、赤みが出にくいツボには多めに灸を据えましょう。しかし、灸を焼きすぎて水泡が出来ないように注意してください。水泡が出来ぬギリギリのところで止めるのが良いです。灸は3日据えて1日休むのが基本ですが、体調がすぐれないときは止めましょう。妊娠が発覚したら、灸も鍼もしないほうが良いです(上半身への鍼灸は問題ありません)。ちなみに、他の疾患と同様に、不妊症の治療も薬害と食害、運動不足を改善させることが最重要になります。当院のようなインナーマッスルにアプローチする鍼治療は冷えを除き、体温を上昇させ、代謝を上げるため、非常に有効ですが、まずは生活習慣を見直すことが欠かせません。特に食生活の改善が重要です。例えば、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
《不妊症に効く灸のツボ》
・背中のツボ:大椎、腎兪、命門、志室
・おなか周辺のツボ:気海、関元、中極、曲骨
・足~脚の内側のツボ:復溜、商丘、三陰交、照海、然谷、血海
・足表面のツボ:太衝
・仙骨のツボ:上髎、次髎、中髎、下髎
Q:こんにちは。初めてメールさせて頂きます。以前からそちらのホームページを拝見しており、大変興味をもっておりました。
私はアトピーがあるのですが、最近顔が急に赤く炎症を起こし治りません。以前は悪化しても、1週間もすれば回復に向かっていたのですが・・・。冷え、ほてりも強いです。病院に行くと必ずステロイドを出されるので行きたくなく悩んでます。鍼灸で良くなるでしょうか?アトピーの治療はされたことありますか?予約の空き状況なども教えてください。
A:こんにちは。顔のほてりや炎症は、首周辺の筋肉をゆるめれば治る場合が多いです。人は緊張すると胸式呼吸が主となって、呼吸が浅くなり、上半身に力が入り、重心が上に上がるようになります。その状態が日常的に長時間続くと、上半身、特に首の筋肉が慢性的に硬くなります。すると、頭部や顔面部をはじめ、首から出ている神経の支配領域である肩や腕などにも痛みや不快症状が現れます。また、延髄から出る迷走神経は主に首の背面と側面を通過して内臓全般にまで及びますが、頸部で迷走神経が障害された場合、内臓に異常が出ることもあります。ゆえに、首のコリはあなどれません。
いわゆる「気」を重視するような、経絡治療を主とした鍼灸院においては、「上った気を下げる」というような治療(いわば「上実下虚」への治療)を行うため、首に鍼を打つことはほとんどありませんが、まずは首の筋肉をゆるめなければ解決しません。最近になって症状が悪化したとのことですが、首の筋肉の硬化(コリ)が著しくなり、頭部や顔面部に行く神経が過剰に刺激されたり、血液が首を通過する際に障害を受け、頭部と顔面部の血液循環が滞っているゆえでしょう。
「冷え」も基本的には何らかの生理的または物理的要因によって、血液循環が障害されているために起こります(特に薬害と食害、運動不足、ストレスによる)。血液は心臓から拍出され本来は温かいものですから、血液がしっかりと通っていれば、自ずと「冷え」という現象は起こり得ません。ゆえに、冷えが神経系の障害や不均衡によるものであったとしても、まずは硬化した筋肉をゆるめてやる必要があります。そのためには、ウォーキングなどの適度な有酸素運動が効果的ですが、鍼治療を併用すれば、加速度的に良くなり、「冷え」を感じることはなくなります。巷では、温かいものを多く食べよ、なんて騒いでますが、基本的には体を動かし、全身の筋肉を適度に刺激し、体液(≒血液)の循環をより良く維持することが先決です。「冷え」には、私のHPで紹介している温冷浴も効果的です。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
アトピー性皮膚炎を患っている方はステロイドを忌避する傾向にありますが、ステロイド膏薬もうまく使えば、良い効果を得ることが可能なようですが、やはり薬害は避けた方が無難です。確かに、皮膚からも薬物が吸収され、肝臓が冒されますが、ある段階においては、ステロイドを使う必要があるかもしれません。皮膚薬で見た目がある程度良くなっている事を自己認識出来るようになれば、潜在意識の状態も変化してくるので、「自分は確実に良くなっているんだ。」という「刷り込み」が可能になり、自然治癒力も自ずと高まってくるかもしらません。いわば「病は気から」というのは真実です(また、神経質になり過ぎる傾向にある患者は慢性的に筋肉が緊張していて、かつ免疫機能も低下しているため、精神面の改善がなされないと治り難いようです)。ちなみに、炎症を鎮めるような塗り薬を塗る場合、塗り方を誤ると効果は得られませんので、注意が必要です。基本的には、ペタペタと、患部を刺激しないように塗り広げなければいけません。
忠実に食事療法を実践している患者さんは、ほぼ快方に向かいます。しかし、少しでも日常生活を改めない限りは、アトピー性皮膚炎から脱することは出来ないようです。厳しいようですが、アトピー性皮膚炎は他の病気と異なり、治療と同時並行での、日常生活の改善が不可欠な病気です。軽度で、部分的な炎症を鎮めたり、斑点を薄くしたり、ほとんどみえないくらいにすることは鍼灸である程度は可能です。
Q:初めまして。九州の宮崎県からYと申します。△歳(20代)の男性です。ホームページを拝見させて頂きまして説得力のある説明等にひかれたもので今回私の症状に関して治療可能かどうかのご相談のメールをさせて頂きましたがよろしくお願い致します。
5年位前に顔面神経麻痺を治そうと思い、自分で低周波治療器を使い治療していたら誤った使い方をしてしまったようで頭皮等に違和感が起こってしまいました。
6年前に右側の顔半分が顔面神経麻痺になりすぐに医者に行き対処してもらいましたが、重めの顔面神経麻痺だったため1年経っても完治せず後遺症(右目が閉じきらず乾燥してしまう症状)が残ってしまったため、低周波通電の鍼治療を行う鍼灸院に半年近く通いましたがそこでも治りませんでした。日が経つとますます治り難くなり手術で瞼辺りに金属プレートを入れなければ目を閉じれなくなるという情報を見て焦ってしまい、自分は素人なのですが自分で直感的に悪いと思う様な場所に鍼をすれば治せるんじゃないかと思いつき、そこの鍼灸院で使われてるのと同じ全医療器というメーカーのオームパルサーLFP4000Aという低周波治療器をインターネット販売にて購入しました。
自分で低周波治療した期間は9日間だけで、素人でツボとかの知識は全くなかったので直感的に強張ってる感じがする様な場所や適当な場所に低周波鍼で1日の内数回に分けて治療をしました。その治療をしたのは5年位前なものではっきりとは覚えてないのですが鍼は皮膚に刺さずにやってたと思います。最初に鍼2本それぞれに緑と黄色のプラグを挟みますがその時点で鍼先から電気の刺激がピリピリ来てて、皮膚に刺さなくても皮膚の上に置くだけで十分電気の刺激を感じたのでその刺激が麻痺に効くのかと思い皮膚には挿さず皮膚上に置く程度だったと思います。そしてたしか黄色よりも緑のプラグからの電気の刺激の方が強かったので緑のクリップで挟んだ方の鍼ばかりを使っていたと思います。
実際の治療内容なのですが、右側の顔面神経麻痺の麻痺してる顔だけでなく頭等にも鍼を打った方がいいかと思い最初の時から顔以外にも、右半分側の、顎、額、頭等を全体的に隈なくうってたのですがなかなか思うように顔面の麻痺感が回復しないので段々と治療器の出力や周波数を上げて治療していたらなんとなく数日目位かに麻痺してなかった頭の方まで硬直してきた様な異常感を感じる様になってきてしまいました。その時は「低周波治療器は麻痺を治すための物なんだから逆に悪くなったりするわけが無い、これは気のせいだろう」と思い、右半分側だけに鍼をするからバランスが偏ってしまってよくないのだろうか(?)と思って9日目に初めて左半分側の頭(百会の少し横辺り)にも1箇所だけ低周波鍼を打った(この時も刺してはいなかったと思います)のですが、打った瞬間に打った場所を含めその周囲(4cm四方位)の感覚がばっとおかしくなってしまいました(今まで神経が通っていた場所の神経の感覚が急に固まった様な感じです)。その時に初めて頭部に違和感を感じてきてたのは気のせいではなくやはり低周波治療器が原因だったという事がはっきりと分かり怖くなり低周波治療をするのをすぐにやめました。
その後時間が経過するに従って徐々に今まで低周波鍼を打ってきた色んな部分が左半分側の頭と同じ様な感覚に何と表現したら良いか分かりませんが、硬直した様な突っ張ったような重い様なという表現の感じに感覚がおかしくなっていきました。そのおかしくなってる部分は皮膚がぎゅっと緊張して収縮(固まってる)してる感じで、感覚をその部分に持っていく事や力を入れる事が出来ず頭や顔の所々にその様な違和感がある感じです。殆どの違和感のある箇所は把握出来ているとは思いますが(100%全部の箇所把握出来てるかは分かりませんが)特に重い場所は百会の周辺、前頭部周辺、額、百会の右、百会の左、眉辺り、頬、こめかみ周辺、顎等だと思います。違和感のある辺りの皮膚はつまむ様な感じで掴むと分厚く硬くなっていてつまみ難い気がします。
おかしくなってからすぐに何件か病院にも行きMRIやCTも取りましたが全く脳に異常はなく正常で原因は分からないと言われました。
しばらくすれば自然治癒で自然に治るだろうと思っていたのですが、時間を置いて様子を見ても変化がなく焦り出してた頃にたまたま私と同じ様な体験をした人に出会い、その方も私と同じ様に顔面神経麻痺になり低周波治療器を粗大ごみ置き場で拾ってきて顔面麻痺を治すつもりで自分で頭に低周波治療をして出力をどんどんあげてやっていたら私と同じ様な症状になったらしく、その方の話によると低周波によって皮膚が硬くなり神経が圧迫される事により神経の感覚が鈍くなり血行等も悪くなってしまってるから頭皮等に異常感を感じてしまってて、その硬くなってる部分をマッサージ等でほぐしたら治るとの事でその方は自力で硬くなった場所の頭皮マッサージをして短期間で治したとの事です。
それを聞き素人ですが親戚で勘の良い手先が器用でマッサージの上手な方にたまに頭等の指圧・マッサージをしてもらっています(自分でもやっています)。その指圧をしてもらってる人の話によれば、最初の頃は頭皮を中央に引き寄せた時に殆ど緩みがなくパンパンに張ってたのが今は随分と緩みが出てきていて、カチカチに部分的に硬くなってた箇所の頭皮は吸収される位柔らかくなっていて、コリのような物も小さくなったとの事です。私としても最初指圧をしてもらい始めたばかりの頃は全体的に悪い所だらけでしたので指圧が気持ち良い所ばかりで神経が蘇ってくる様な手ごたえを感じていた記憶があり最初の頃からしたら随分と頭のこわばり感も取れある程度は全体的に軽くなってるのではないかと思います。しかし最近はその指圧のおかげである程度こわばりが取れたのか指圧されても気持ちが良いと感じる様な所も少なくなり、場所によっては気をつけながら相当強い力で指圧してもらうのですが当初に比べたら痛くなるのも早くなる位感覚が戻ってきていて(以前は痛くなるどころか指圧する方の手が痛くなって出来なくなる位長時間してても気持ち良い位でした)ある程度は良くなってるとは思うのですが、まだ部分的に重い箇所が何箇所もあります。自分的には指圧・マッサージによって表面上のこわばりや軽い部分等はある程度取れたが指圧では届かない様な深部やこわばりの強い部分がまだ取れず残っていて皮膚の違和感も残っているのではないかと疑っております。
最近まで硬直した皮膚をほぐすためにその部分を上から押す感じで指圧してたのですが、ほぐすには押すよりつまむ感じでやった方が効果があるのではないかと思い自分でしてるのですが頭皮の場合つまみ難く皮膚もすぐに擦り切れてしまいなかなか難しいです。つい最近からですがお灸もコリや血行不良等に効くという事みたいですので自分でお灸もたまにやってます。硬直感のある所に据えるとジワっとほぐれる様な感じがしてとても気持ちよいです。
最近地元の低周波治療をする鍼灸院にも行ってみたのですがその先生によるともう一度ちゃんとしたやり方で症状のある箇所に低周波通電の鍼をすれば麻痺や頭皮の張りや硬いのも取れ1、2ヶ月位で治ると言われました。その方は全盲だったもので、どこの箇所が悪いかを私が説明しても実際に鍼をうつ時に場所が微妙にずれたりする等してたものですから、やはり自分の場合は悪い場所がある程度決まっているので目の見える方にしてもらった方が良いかと思い先日途中で行くのをやめてしまいました。その先生がちゃんと悪い箇所に鍼を刺してくれている時には硬直感がほぐれ神経が蘇る様な感覚がする様な鍼がとても効いてる様に何度か気持ちよく感じました。
自分でも色々鍼の治療法をどんな物があるのか探していましたがその中でも、薄毛の治療で頭皮に鍼をする事により硬くなっている頭皮を柔らかくし血行を良くするという方法が自分にとっても有効なのではないかと気になっております。その頭皮への鍼治療の場合大体は低周波による通電が主みたいですが、鍼治療には普通の通電をしない鍼治療と通電する治療とがありますが私の症状にはどちらが良いのでしょうか?
低周波治療器には黄色(プラス極)と緑色(マイナス極)との2つの電極がありますが、プラス極には神経を興奮させて麻痺した神経および筋の働きを活発にさせる作用があり、マイナス極の方は神経の働きを抑える鎮痛・鎮静作用があるという様にそれぞれの電極によって作用が違うみたいですが、自分の場合は(確か緑の方だったと思うのですが)緑の方だけしか使わずにやってしまった事が原因でこの様な症状になってしまったのでしょうか?
インターネットで低周波治療について調べた所、低周波の出力を強くし過ぎる等して過剰刺激になると逆に筋肉が硬くなったりコリの原因になったりする事があると言う事が分かったのですが、私の場合もこの状況に似ていて頭皮が硬くなってしまっているのでしょうか?
頭には沢山の神経が集まってるみたいですが、頭に鍼をするというのはちょっと恐いという気持ちがあるのですが頭の鍼治療というのは危険で難しく腕のある鍼灸師でないと危ない様なものなのでしょうか?
この様な状況なもので今まで鍼については恐いという気持ちがあり敬遠してたのですが、やはり自分は鍼でおかしくしてしまったので専門家の鍼師の方だったらこの私の症状の原因や治療法が分かり簡単に早く治せるかもしれないと思い評判の良い色んな鍼師の方々に相談をしてみようかと思っている所でございます。
頭皮等皮膚の硬くなってる場所が緩めば神経の感覚も戻ってきそうな気がするのですが、現在もまだ取れず残っているこわばりのある箇所や硬くなってる様な場所は自分でちゃんと把握してますのでその場所を鍼灸で治すことは出来ませんでしょうか?
なかなか直らず困り果てているもので質問が多くなってしまい申し訳ございませんが本当に藁をもつかむ様な気持ちでお便りを差し上げましたので何卒よろしくお願い申し上げます。
A:こんにちは。顔に分布する神経は大きく分けて二つあります。一つは顔面神経、もう一つは三叉神経です。顔面神経は運動神経であり、主に顔の筋肉を動かすだけの神経ですので、痛いなどの感覚を感じることはありません。逆に、三叉神経は感覚神経であり、顔が痛いとかピリピリするといった場合は、主に三叉神経の異常によるものです。
今回のメールを拝見した感じでは知覚に異常があるようなので、三叉神経や後頭神経などの支配領域にある筋肉の一部が、何らかの原因で硬化しているのだと思われます。神経というものは、物理的な刺激が加わることで初めて、痛いとかピリピリするとか、違和感があるなどと感じるわけですから、MRIやレントゲン、CTなどで異常か検出されなくとも、実際に何かが神経を刺激して不快感が出ているのは事実でしょう。おそらく、気のせいではないはずです(幻肢痛などは別)。
ほとんどの場合、痛みを感じる受容体である神経や血管を物理的に刺激するものは、筋肉か体液(血液など)です。なぜなら、神経も血管も、筋肉と体液に挟まれたり、浸かりながら存在しているからです。筋肉が硬化することで神経が刺激される、というのは理解しやすいかもしれません。しかし、体液が神経を刺激する、というとわかりにくいかもしれません。例えば膀胱に尿が溜まった時は、膀胱を構成する筋肉が膨張し、神経を刺激するゆえ、「尿意」を催します。また、立ち仕事に従事する女性に多い脚のむくみなどは、体液が下肢に溜まることによって、下肢を構成する筋肉や皮膚組織が膨張して神経が刺激されるゆえ、「脚がだるい」と感じます。
同様に、頭皮や顔面部だけに異常感がある場合は、単純に頭皮や顔面部を構成する筋肉が硬化しているか、何らかの原因でそれらを巡る体液が鬱滞して周辺部位が膨張し、神経が刺激されている、と考えられます。よって、結論から言えば、神経を物理的に刺激しているものを除いてやれば、痛みや異常感は消えるはずです。もし、マッサージや温熱刺激程度で不快感が緩和されるような感じがあるならば、鍼を的確に刺せば、治る確率は高いです。なぜなら、鍼はマッサージや温熱刺激ではゆるめ難い、深層部の硬化した筋肉をゆるめることが可能だからです。しかし、その場合は、その筋肉の厚みに適した、長い鍼を使わなければ効果は得難いでしょう。
頭部の鍼についてですが、私のHPの「講習会用資料」に記しているように、注意点を守れば、決して危険な手技ではありません。しかし、解剖的なことをしっかりと理解していない鍼灸師であれば、どの部位に刺す手技であっても、危険が伴います。また、日本の鍼灸学校では、頭部への刺鍼法をしっかりとマニュアル化した上で教授していない(実技に時間を割く余裕がない?)場合が多く、鍼灸師の免許を取得しても、頭部へまともに鍼を刺せぬ鍼灸師が多いのも事実です。さらに、鍼灸師は大体において、患者の体を解剖学的に理解することは不得手で(*そのように教育されている場合が多いため)、いわゆる「ツボ」のある場所にしか鍼を打つことが出来ません。よって、生理学的な異常を解剖学的、神経学的な異常と捉え、病状をプロファイリングする発想すらなく、何でもかんでも「ツボ」で解決しようという風潮が強いので、鍼灸院を「はしご」しても一向に良くならない、という患者さんも多いようです。
パルス(鍼治療専用低周波治療器)についてですが、特に配線の色、プラスマイナスなどは気にしなくても良いです。線は入れ替えても特に問題はありません。しかし、本来、素人が鍼やパルスを使うことは無謀であり、危険です。国家試験を通過した鍼灸師でさえ、鍼治療において事故を起こすくらいですから、ましてや素人が扱ったならば、どんな事故が起こるやも想像出来ません。よって、今後は、ご自分での大胆な企みは控えた方が良いかと思います。
顔面神経麻痺によって長らく硬化した筋肉、破壊された組織を元の状態に戻すことは困難ですが、感覚神経、つまりは三叉神経や後頭神経などの、今ある異常感を緩和、または無くすことは可能です。そのためには、何が神経を刺激しているかを解明し、もしそれらが硬化している筋肉なのであれば、それらの筋肉を適切にゆるめる必要があります。
「低周波の刺激によって筋肉は硬化するか?」との質問ですが、可能性としてはあります。パルスは出力を上げることで、筋肉をより強く収縮させますので、ひどい場合は、その筋肉が付着している骨や靭帯などが破壊されます。実際、中国における刺鍼事故の本では、パルスによって骨折した例がいくつかみられます。パルスを使い終わった後は、必ず出力を0に戻しておかねばなりませんが、0に戻していない状態で通電すると、予期せぬ筋収縮が急激に起こるため、筋肉は異常収縮したまま(ひきつったまま)、しばらく元に戻らなくなることがあります。これに似た例が、交通事故における「ムチ打ち」です。人は、予期せぬ衝撃が加わると、本能的に体を守ろうとして強く身構えますので、その時に一部の筋肉が激しく収縮すると、長期間、筋肉が固まったままの状態になり、神経が刺激され続けるため、不快感が持続します。筋肉は繊維の束のようになってますから、一見筋肉が柔らいだかのように思えても、一部の深層筋が硬化しているゆえに、痛みや不快感が消えず、慢性化することがあります。
とにかく、病院で異常がないと言われた場合は、大抵は筋肉の硬化に原因があります。以前も、交通事故に遭って以来、原因不明の背部痛、頭痛、幻視などがある子供が来院しましたが、硬化した筋肉を的確にゆるめることで完治させました。当院で治療する場合、3回目くらいまでは5~7日おきに治療して、まず様子をみます。治る場合は、おおよそ3~5回くらいで体に何らかの変化が出ます。ある程度良くなったら、7~10日おきくらいの間隔で治療します。
Q:(上記の人が再度質問)とても分かり易く詳細な説明をして頂きましてありがとうございます。私の症状の原因等について知る事ができ治療も可能みたいでとても安心致しました。最初は気持ちよかったマッサージもまだ異常感があるにも関わらずその場所を指圧しても段々気持ちが良いと感じなくなってきてたのは深層にある硬化した筋肉にまで指圧が届かなくなっていたという事ですね。実際に治療する時には症状のある場所に1本1本鍼を刺していくというやり方になるのでしょうか?大体何回位の治療回数と日数が必要になりますでしょうか?
少し気になる事があるのですが硬くなった深層の筋肉等が、私の麻痺?した様な何なのか良く分からないこの異常感の原因の場合には硬化した筋肉が緩めば治る可能性があるとの事ですが、インターネットで頭皮の筋肉を調べてみたのですが(画像ごとに前頭筋等の形や長さがバラバラで)画像によっては私の症状のある場所は筋肉のある前頭筋と側頭筋以外にも、筋肉が無い帽状腱膜の所にもあるみたいなのですがその場合はどうなるのでしょうか?もし筋肉の無い場所に麻痺感がある場合は、皮膚だけが硬直してて神経等を圧迫しているという事になるのでしょうか?筋肉だけでなく皮膚も緩める事は可能でしょうか?
あと私の皮膚の異常感の原因についてですが、出力を上げ低周波鍼を皮膚に刺さずにした時に鍼先から痛いと感じるくらい結構強い電流を皮膚に感じてたのですがその電気が神経を切断や損傷してしまったという可能性はあるのでしょうか?低周波治療器の仕組みを良く知らないものでおかしな事を言ってるかもしれませんが、低周波鍼は皮膚に挿すことによってその部分の筋肉を動かしますが、刺さなかった場合は筋肉を動かすのではなくスタンガンみたいに直接電気の刺激だけが物理的な刃物の様にばしっと来るという感じになり、その電気の刺激が刃物の様に神経を傷つけたのだろうかとも思ったのですが如何なものでしょうか?
A:体の外面は、そのほとんどが筋肉で覆われていて、筋肉の両端は骨に付着する際、腱という組織に変わります。つまり、腱のように筋肉が無い部分に痛みや異常感が出ている場合は、その腱の本体である、筋肉に問題がある場合が多いです。例えば、膝坊主が痛い場合(成長期痛、オスグット病、高齢者の膝の痛みなど)は、大半は膝坊主に問題があるのではなく、膝坊主に腱となって付着している前脛骨筋の硬化に原因があります。つまり、前脛骨筋が慢性的に強く「ひきつって」いるがゆえに、膝へのテンション(=張力)が徐々に高まり、結果として膝に炎症が起り、痛みが出るのです。膝に水が溜まるという症状も、多くは大腿前側部または脛(すね)周囲の筋肉硬化によって、体液の流れが悪化したり、膝関節内で炎症が起こるゆえに体液(≒消火水)が集まり、炎症を鎮めようとする極々生理的かつ原始的かつ自然で合理的な働きです。
帽状腱膜は独立して存在しているわけではなく、腱という名称の通り、頭部の筋肉とつながっています。つまり、帽状腱膜は筋肉の一部であり、帽状腱膜と一体化している、または連なる筋肉が硬化(=収縮)すれば、帽状腱膜が引っ張られて、帽状腱膜付近にある神経が刺激されて痛みや違和感が出ると考えられます。また、痛みというものは案外いいかげんで、実際に痛む部位に問題があるのではなく、その神経の上位または下位で神経が圧迫されて、痛みが「飛んで」いる場合もあります。
体全体でもそうですが、筋肉も神経も層を作っていたり、網の目状にからみあうようにして混在していますから、ピンポイントで痛みや異常が出ている場合でも、その部分だけに囚われていると、原因を解明出来ないことがあります。ゆえに、その気になる場所に筋肉がなくても、周囲の筋肉のある部位を探る必要があります。例えるならば、川の中流に異常が見つかったとしても、上流と下流はもちろん、その川を取り巻く環境すべてを探る必要性があるのです。ですから、鍼を刺す場所も様々です。
何回くらいで治るかとのことですが、実際に鍼を刺して、その時の反応と経過を観察せねば、わかりません。また、皮膚の異常感を気にされているようですが、パッとみた感じで皮膚に異常がなければ、ほとんどの場合は、その皮膚の周辺の筋肉に異常があります。神経の損傷があるか否かは肉眼では判断出来ませんが、医者が問題ないと言っているならば、とりあえずは硬化した筋肉をゆるめてみるのが先決です。筋肉をゆるめると謳う手技や方法は色々ありますが、鍼を刺すのが一番効果的で、体にとっても良いです(鍼を知らぬ医者は否定しますが)。なぜなら、鍼をしばらく刺しておけば、あとは勝手に体が筋肉を、その日に必要なだけゆるめてくれるからです。
鍼治療以外の手技では、体の自然で生理的な「欲求」を見極め難いため、不及であったり、過度であったりしがちです。ゆえに、未熟な者が行えば、術後に筋肉の硬化や損傷、神経の損傷などを招き、症状が悪化することが往々にしてあります。いわゆる「揉み返し」も、その一つです。
Q:お久しぶりです。相談があってメールしました。最近、T(息子さんの名前)が脱力感のような感じが続いています。身体がだるくて何もしたくない。何もできない感じみたいです。学校や友達の事は関係ないみたいです。思春期の準備で脱皮?がうまくいってないのかなぁと色々考えています。こんな症状にも鍼は効きますか?
*以前完治させた中学生の患者の母親からのメール。通院するには遠方のため、自宅で出来る対処法をお教えしました。
A:野口晴哉の記事でわかりやすいものがありました。以下に引用しますので読んでみて下さい(長いので表示出来なかったら再送します)。やはり、私の持論と同じで、背中の筋肉をゆるめることが一番です。気分が病的に沈むことを鬱といいますが、実際、何もやる気が起こらない、食欲もない、などと言う時は心身にやりきれぬ思いや、鬱散出来ぬエネルギーが溜まっており、それが原因で背中が硬直し、自律神経の働きが不安定になって、内臓の働きが低下したり、亢進したりします。例えば食欲について言えば、過食になるか、拒食になります。精神的にはハイ(ピリピリしてるかイライラしてる)になるか、落ち込みます。また、背中からは肋間神経が出てるので、肋間筋が硬くなり、肋間神経が刺激されて呼吸器に異常が出ます(基本的には慢性的に呼吸が浅くなって代謝が落ちるので、身体の機能が低下し、冬眠しているような状態、だるいような状態になる)。ですから、鬱滞したエネルギーがあるならば、それを何らかの方法で発散させる必要がありますし、鍼や温冷浴、体操などで背中のこわばりをとることが有効です。首の付け根あたりから、背骨の周辺に灸を軽くすえるのも良いでしょう。
「横紋筋の収縮による運動を意志で支配させるには、意志(=脳)の興奮で起きた振動(=パルス)が脊髄を伝わって、末梢神経に流れて横紋筋の収縮という現象を起こすのです。だから、脊髄(≒背中)に異常があると、それが行為にならない(=行動に移せない、やる気が出ない)。…つまり、意志が行為にならないし、行為になっても持続しない。…意志が行為にならないのは、背骨が弱いか、背の筋肉が硬直して素直に神経の衝動に応じて働かないという体の問題です。だからそういう人に”意志を強くしろ”と、水を浴びせても、お尻を叩いても駄目なのです。背骨を正せば簡単に行動するようになる。…胸椎の5番を調整すると集中するようになる。意志を行為にする生理的な処理なのです。(「月刊全生」より引用)」
胸椎の3~5番あたり周辺の筋肉をゆるめるように灸をすると良いです。首を前に傾けた時、首の後ろに大きく出る大きな突起のある骨が頸椎7番ですから、その下のヘコミを除いてから数えて3つ目のヘコミ(身柱というツボ)と、5つ目のヘコミ(神道というツボ)あたりに灸をします。あとは、そのツボの左右で、Tくんの親指の横幅1.5つ(1.5寸)、3つ分(3寸)あたりの場所に、押すと痛い場所か気持ち良い場所を見つけて灸をすると良いでしょう。
あと、中学生くらいになると女子が初経を迎えるように、男子も中学くらいになると、体が生理的に大きく変化してきます。いわば、誰もが性に目覚める年頃ですので、体調に様々な変化が現れ、その生理現象を受けとめたり、上手く昇華させることが出来ないと、鬱になって自暴自棄になったり、他人に害を与えるような行為に走ったりします。尾崎豊が「学校の窓を壊してまわった」「盗んだバイクで走りだし」なんてのは、ある程度は中学男子によくある自然なことです。いわゆる反抗期でもあります。さらに、恋愛とか喧嘩とか、受験とか人生で初めてのイベントがあったり、子供から大人に変わる多感な時期で、多くの目新しい変化に心身が順応出来ず、心身の調和が乱れやすい時期でもあります。
子供が発する微妙なサインを見逃さないことも大事ですが、ある程度は心配し過ぎないで放任することも大事ですよ。野口晴哉の記事に以下のものもあります。「逆にエネルギーが欠乏してくると、甘えだして、何とか自分を認められようとする。つまり、自分で自分に同情するようになるから、”あいたたた”と言いながら、その”痛い”と言っていることに快感がある。…苦しい自分を見せることに快感を感じて、その困ったことや、不安なことを訴えると気が楽になる。これを欠乏の集中欲求といいます。…人間の動作は、運動の平衡を得るために、鬱散と分散、あるいは集中の、どちらかの傾向に向かって絶えず無意識に平衡作用の影響を受けている。だから泣こうと八つ当たりをしようと、それはともに健康法であり、体の平衡を得る手段に他ならない。だから、人間のエネルギーの動きさえじっと見ていれば、苦しいことから逃げたいこともあるし、進んで苦しんで行こうとすることもある。(「月刊全生」より引用)」
Q:長年の腰痛があります。病院に行ったところ、ヘルニア予備軍と言われました。後輩から貴院を紹介されましたが、腰痛は良くなりますでしょうか?
A:こんばんは。医者がヘルニア予備軍という類の腰痛は筋肉性ですので、うちの鍼で治ると思います。そもそも腰椎の病変はそこに付着する筋肉が萎縮することによる張力や圧力の変化が原因ですから、その筋肉をゆるめてやれば、ほとんどの腰痛は完治します。最近は当日予約を取れぬ患者さんがチラホラいるので、早めに予約して下さい。
Q:以前、他の鍼灸院で治療を受けたことがありますが、治療後に気分が悪くなりました。鍼治療が体に合う合わない、ということはあるのでしょうか?
A:結論から言うと、「鍼治療が合わない」という患者は①重度の金属アレルギーがある(軽度ならば問題なし)、②ペースメーカーや人工心肺などの体内埋め込み型医用電子機器、心電計などの装着型医用電子機器を使用している、③妊娠中である(妊娠中でも頸部や上背部への刺鍼は問題ない場合が多い)、という場合くらいです。また、一時的なものですが、体調がすぐれない時や疲労困憊している時、空腹時、満腹時、運動直後なども鍼灸治療は禁忌です(禁忌などの詳細についてはこちらをご覧ください「当院の鍼灸治療が適合しない患者」「当院では対応不可の病態」)。しかし、基本的には、「鍼治療が合わない」という患者は存在しません。なぜなら、鍼灸治療は①筋肉をゆるめる、②脳内ホルモンのバランス整える(β-エンドルフィンやセロトニンの放出増加)、③血流を良くする(代謝をアップ)、ということが主な効果で、身体に良い効果しか存在しないからです。よって、治療後に気分が悪いという場合は①血流改善による一時的な低血圧、②鍼が肺に刺さったことによる気胸、③自律神経節周辺の筋肉がゆるんだことによる一時的な不快感、などが原因です。①と③は、鍼治療で筋肉がゆるんだ影響によるいわば好転反応であり、医学的に解せば、いわゆる迷走神経反射です。迷走神経反射とは献血時や精神的ショック時、外傷時などにまれに起るもので、一時的な血圧低下によるめまい、吐き気、不快感などが現れますが、しばらく安静にしていれば元に戻りますので、問題はありません。ちなみに、鍼灸の古典において「酷く疲れている時や空腹時、運動直後などに刺鍼してはならない」と記されているのは、そのような時には迷走神経反射が起こりやすい、ということを先人が経験的に知っていたからだと考えられます。②は鍼灸師による事故の可能性が高いです。
Q:針・灸治療とも施行して頂きたいのですが、針治療と聞くと以前問題になっていた使いまわしによる感染が心配です。出来ればディスポ製品で施行していただきたいですがそれでも治療は可能でしょうか。あと灸だけでは効果が少ないということですが灸だけの施行も可能でしょうか。
A:現在はすべてディスポ針のみを使用しておりますのでご安心ください。そのため、針代がその都度1000~2000円程度かかります。
Q:私は、普段は首が曲がっているという意識はないのですが、自分の写真をみるといつも右に首が傾いています。首のゆがみは鍼で治りますか?
A:先天性の斜頚(先天的に左右の首の筋肉の長さが違う)でなければ、治る可能性はあります。骨の位置は筋肉が決定します。つまり、筋肉は全て骨に付着しており、筋肉がゆるんだり、縮んだりすることで骨が移動します。よって、慢性的に硬くなっていたり、異常収縮し続けている筋肉を鍼でゆるめれば、骨は正常な位置に戻ります。ちなみに、この理論を応用すれば、軽度な頸椎ヘルニア(「ストレートネック」なども含め)ならば鍼治療と木枕で治すことが可能です。また、この場合は、ポンプ式の牽引器を併用すると、一層効果的です。なぜなら、鍼治療で柔らかくした筋肉を牽引する(引っ張る)ことで、骨が元の正常な位置に戻りやすくなるからです(牽引器は下手にやると危険ですが)。整形外科や整骨院では首の異常に牽引器を多用しているようですが、筋肉を柔らかくしていない状態で牽引しても意味がありません。ましてや、無資格同然のカイロプラクティックや整体院で首をゴキゴキやるのは論外です。硬い筋肉をいくら引っ張っても、筋組織を破壊するだけだからです。首には多くの神経や血管がひしめいていますから、わけのわからない治療を受けると、取り返しのつかないことになりかねません。
Q:生活習慣の改善についてです。ウォーキングの励行や、飲酒を控えめにすること以外に、何かした方が良いことはありますか?
A:温冷浴を週3~6日くらいはやったほうが良いです。慣れるまでは、手足の温冷浴から始めると良いでしょう。生物は、ある程度のストレスを受けることでその恒常性(ホメオスターシス)を維持しますから、生ぬるい環境を与えすぎてもいけませんし、ストレスの強すぎる環境もいけません。ストレスの多い現代社会では、ちょうど良いストレスバランスを維持することは難しいですが、なんとか自分で工夫していくしかありません。最近は様々な情報が氾濫していますが、情報に囚われ過ぎてもいけません。
人は心から笑うとき、自然と腹式呼吸になります。腹式呼吸は副交感神経を優位にし、精神を安定させます。また、笑うことで脳内のホルモンバランスが整い、ストレス発散にもなります。ですので、昨今のストレス社会では、お笑い番組を観たり、落語などを聴いたりするのも、健康に大いに役立ちます。笑いは癌や鬱を撃退する効果があることは、医学的にも証明されています。
とにかく、運動も、睡眠も、栄養も、情報も、適度にバランス良くとることが大事です。現代人は戦後、いろんな意味で「栄養過多」になってしまいがちで、それが原因で心身のバランスを崩してしまい、病気になることも珍しくありません。よって、日常的に、「適度なテキトーさ」で息抜き(手抜き)を心がけることも重要です。高田純次氏は、私にとっての良きお手本です。
また、休日は寝溜めしないように心がけ、毎日同じ時間に就寝・起床すること(→体内リズムが一定に保たれる)、深部体温低下・臓器失調の原因となる冷飲食を避けること(→食品添加物の害、牛乳小麦砂糖の害を考えた食事、少食の励行)です。睡眠については以下のページをご覧下さい。
Q:飛蚊症で近所の鍼灸院に通っていますが、まだ効果は実感出来ていません(今日で5回目です)。なかなか改善されないということは改善の見込みは薄いということなのでしょうか?また、そちらでは飛蚊症の治療に1年くらいかかるのでしょうか?
A:実際、1年かかる病気はほとんどないです(治らなそうな場合は施術を中止することがあります)。3カ月くらいが平均ですね、長くても。回数にすると、15回前後です。とりあえず、1週間に1回くらいのペースで来てもらって、3回以内に変化が出ない場合は完治しない可能性が高いです。飛蚊症の症状はすぐには消えないかもしれませんが、身体に何らかの変化があった場合は、そのまま治療を続けて様子をみます。
ちなみに眼の異常というものは、中国医学では主に肝と腎(現代医学的な肝腎とは異なる)に異常があると考えます。また、肝は筋肉、怒りの感情(イライラ)、酸っぱいモノなどと関係し、腎は恐れの感情(ビクビク)、塩辛いモノなどと関連するとされています。これらは古代の書物に書いてあることなのですが、現代でも十分に当てはまります。つまり、日常的にイライラしやすかったり、慢性的な運動不足や運動過剰で筋肉が硬化していたり、酸っぱいモノを食べ過ぎたり食べな過ぎたりすると、眼に異常が出たりします。さらに、お酒は筋肉を破壊・委縮(主に速筋繊維のミオグロビンが血中に溶解する)させるので、間接的に肝を障害し、結果的に眼に異常が出ます。
早く治すためには、日常的にイライラしない(世界のとらえ方を変えてみる)。また、お酒をやめるか、少なくする。肉食を控える。食事は薄味を基本とし、甘いモノは控えめにする。一日30分前後は歩くようにする、などが重要です。ウォーキングは大腿部の筋肉を強く刺激するので、重力で下半身に鬱滞しがちな静脈血の環流を促し、全身の代謝を促進します。代謝が上がり、全身に滞りが少なければ、それだけ細胞への栄養供給もスムーズにいきますから、病気にもなりにくいです。
鍼灸はあくまで補助であり、患者の身体を一時的に修正するモノですから、早く病気を治し、自分の力で自立できるようになるためには、日常生活を見直すことが最も重要です。よって、うちで治療を受ける患者さんには、出来るだけ生活の改善を同時並行で行ってもらいます。病気や身体の異常は、日常生活に原因がある場合がほとんどですから、飛蚊症になったことを機会に、生活を見直してみて下さい。そうすれば、鍼灸治療を受ける回数も少なくて済みます。
ちなみに、当院では頸部を中心に鍼を刺すことで、眼の異常を治しています。最近は、医学的には閃輝暗点の原因が眼の後ろを通る内頚動脈の炎症であると言われていますが、内頚動脈は頸部で凝った筋肉に圧迫されることことで炎症が起こると推察され、実際に頸部へ刺鍼すると目の異常が無くなるか減少します。また、眼の異常で多い眼精疲労などは、そのほとんどが首上部のコリが原因ですので、首の筋肉を中心にゆるめるような鍼をすれば完治することがあります。木枕だけの使用でも改善することがあります。
Q:お酒は治療日以外なら、飲んでも構いませんか?
A:お酒は基本的には控えめにするか、やめた方が良いです。私は基本的には、お神酒を年に一度、一口飲むくらいです。私は20代半ばまではかなりの飲酒量でしたが、酒を常飲していると体調を崩しやすいことを経験的に知ったので、鍼灸師になってからは、ほとんど飲酒しなくなりました。ちなみに、タバコも一切やりません。受動喫煙が健康に良いなどと言うインチキな情報を流している輩もいるようですが、あれはタバコメーカーなどによる、完全な陰謀だと思われます。
お酒は「百薬の長」であると『前漢書』に書いてあるんですが、実はそれに続く言葉には「百毒の長」である、と記されています。これまで「百薬の長」というフレーズばかりが誇張されてきたのは、江戸時代の酒屋が酒を売りたいがために流したアジテーション(洗脳するための宣伝みたいなもの)だと思われます。
また、『徒然草』には「酒は百薬の長といえど、万の病は酒よりこそ起これ」とあります。実際、最近の研究でも飲酒によって筋肉組織が破壊され、筋肉を構成する蛋白質であるミオグロビンが血液中に溶出することがわかっています(心筋梗塞と似た状態)。特に、速筋繊維(瞬発力に富んだ筋肉。白筋のこと。)が破壊されやすいと言われており、日常的な飲酒量が多い人ほど、筋肉の硬化・委縮が著しいとい言われています。よって、何らかの慢性的な痛みを持っている人は、飲酒することでより筋肉が凝ってしまい、筋肉の間を走行している神経が刺激されてしまうので、結果的に慢性痛が悪化するのだとと思われます。
現代医学的には、飲酒によって大きく影響を受ける臓器は肝臓であるとされていましたが、実際は筋肉組織そのものが破壊されているようです。ちなみに、古代中国医学では「肝」が傷つけられると「筋」が破壊される云々と言われていましたが、前述した内容を加味すれば、現代医学的にも説明が可能です。
つまり、飲酒は一時的に血管の拡張を促し、血流が改善するような傾向がみられるのですが、結果的には筋肉を疲弊・委縮させ、神経が刺激されるので、痛みが発生しやすくなるのだと思われます。例えば、忘年会などで大量飲酒した翌朝、身体が重だるい感じがするのは、飲酒によって筋肉が破壊されている良い証拠です。確かに、日常的な飲酒量が多くても(いわゆる大酒飲みでも)、優れたアスリートや、健康的に過ごしているようにみえる人も沢山います。しかし、基本的には飲酒は害が大きいと考えた方が良いでしょう。仕事や付き合いなどでどうしても飲酒が避けられぬ場合は、なるたけ休肝日を設けるようにして下さい。完全に飲酒しない日を作ることで、肝臓を休ませてやるのです。
Q:こんにちは。1つ気になる事があるのですが、頭痛外来の先生から、息子の頭痛は、緊張型頭痛と偏頭痛が混合していて、治療が難しい頭痛だね…と言われたことがあります。緊張型頭痛は身体の筋肉の凝りをほぐし、暖めて血行を良くすると改善しやすいと聞きました。しかし、かたや偏頭痛は血管の拡張によっておこる(血管性頭痛)で、拡張しすぎた血管を押さえないといけないから、痛みのある部分を冷やしたりすると楽になる。お風呂に入ると頭痛が酷くなる。と聞きました。緊張型頭痛は鍼が有効だと思いますが、偏頭痛は、どうなんでしょうか?
A:鋭い質問ですね。まずは「偏頭痛は治る」をご参照下さい。公に言われている鍼灸の効果と言うものは「血管を拡張させ、血流を改善する。」というモノですから、マトモな人は「鍼灸で偏頭痛は治るのだろうか?」と考えます。実際、臨床経験がほとんど無い鍼灸学校の教員にその答えはわかりませんし、現場に出ても、頭痛を完治させられない鍼灸師ばかりですから、聞いても答えてくれません。
しかし、実際私が臨床経験を積んで頭痛患者の身体を触ってみると、ある共通点を発見しました。まず、頭皮や後頭部がブヨブヨで、首肩背部はガチガチである、という事でした。どんな頭痛でも慢性ならば、必ずと言ってよいほど、この状態になります(頭皮もガチガチのパターンもあり。)。
この状態で、医者は首肩の状態のみに執着してしまうと「筋緊張性頭痛」だと言い、頭皮(つまりは脳内)の状態のみに執着してしまうと「血管拡張性頭痛」であると言い放つのです。しかし、実際の頭痛はどちらも混在している状態が多いですし、その時々の心身の状態(内的環境)やストレス(外的環境)によって容易に変化しますから、一個人においても冷やして楽になることもあれば、温めて楽になることもあります。
では、なぜ相反するような状態が混在するのかと疑問に思うでしょうが、実際は脳および頭皮につながる唯一の通路である首肩の筋肉が硬化して、しっかりと機能していないことに原因があります。つまり、首の筋肉の状態が悪いと血管が潰されてしまい、脳への血液供給および、脳で不要になった血液の回収が滞ってしまいます。よって、慢性的に脳内の血液が虚血状態になるパターンもあれば(頭皮がガチガチになる)、脳内の血液がどんどん溜まってしまい、いわゆる「むくんだ」状態(頭皮がブヨブヨになる)になったり、その虚血状態を無理矢理補おうとして異常に血管が拡張して脳内の血流量が一時的に増加するパターンがあるのです。つまり、前者が筋緊張性頭痛、後者が血管拡張性頭痛と診断されやすい状態だと、私は考えています。しかし、脳内の状態はちょっと手を動かしたり、考え事をしたりするだけでも大きく変化しますから、これら2つの状態が刻々と変化して現れても不思議ではありません(これが最悪な群発頭痛)。偏頭痛はいわば血管拡張性頭痛ですが、これが悪化すると群発型の頭痛になると考えられます。幻視を伴う偏頭痛に関しては、以下のページを参照してください。さらに、血管の拡張・収縮をコントロールさせるようなカフェイン入りの薬剤を常飲することによっても、頭痛が悪化することが少なくないようです。なぜなら、薬剤でそれらを無理矢理にコントロールしていると、本来脳が備えている自律的な機能に障害が起きて、無意識かつリバウンド的に血管が拡張したり、収縮したりと、機能自体が暴走しやすくなるからだと推察されます。ゆえに、薬を常飲しているのに頭痛が全く治らない、というケースが多々みられます。
とにかく医者は「部分」に囚われすぎているため、治せないとか、治らないとか、難病だとか好き勝手に言いますが、それは医学的に治せないだけであって、治らないという医者の言葉を鵜呑みにしてはいけません。実際、うちには頭痛や不眠症で薬漬けになった患者が沢山きますが、今のところ全員完治させています。あと、今日来る潰瘍性大腸炎の患者も、医者には治らないと言われたらしいですが(潰瘍性大腸炎は難病指定でもあるためでしょう)、先週でほぼ完治させました。
慢性頭痛は筋緊張性・血管拡張性に関わらず、必ず首肩の筋肉が異常に収縮していて、脳内の血流状態を良好に保てていませんので、鍼でその硬くなった筋肉をゆるめ、首の血流をスムーズにし、脳内の血液の出入りを改善することで頭痛を完治させることが出来ます。なぜなら、血流がスムーズであれば筋肉はしっかりと栄養され柔軟性を取り戻すので、神経が過剰に刺激されることもなくなるからです。また逆も然りで、筋肉や神経の状態が良好であれば、血流も自ずと良い状態を保てます。人間の身体は非常に複雑な働きを有する、信じられないほど高度な有機体ですから、「部分」に囚われた医者には頭痛を完治させることは不可能です、現状では。ま、とにかく、身体に何らかの異常があれば、必ずどこかの筋肉が硬化していますから、それをゆるめてやるのです。
偏頭痛でよくみられる閃輝暗点(頭痛に関連して眼がチカッとする)は、首から頭にかけての筋肉のコリ(収縮)で脳内が虚血状態になって、側頭葉や頭頂葉、後頭葉が刺激されて起こるんですよ。だから、それらを刺激している根因である筋肉のコリを鍼で柔らかくすると、完全に出なくなります。お子さんの現状は背部から頭部にかけての筋肉の過剰収縮により、神経が過剰に刺激され、外的刺激に敏感になっている状態です。いわば、交感神経優位の状態だから、意識で身体を休めようと思っても安まらなくて、心身ともに疲れてしまっているのでしょう。
硬化した筋肉へ、的確に刺鍼する鍼治療でないと、完治させることは難しいでしょう。最近では「医学的見地に基づいた鍼灸治療」とか、「科学的鍼灸」とか、「エビデンスに基づいた鍼灸治療」などと騒いでいる輩も多いですが、その実態は浅鍼治療で、硬化したインナーマッスルにしっかりと刺鍼していないケースがほとんどですから、インチキがほとんどのようです。特に、運動鍼などと騒いで、硬化した筋肉をより硬化させるような治療を施したり、「深鍼はやる気にはならない」などと己の愚かさを公言しつつ、「医学的鍼灸」などと騒いでいる有名な鍼灸師もいます。最近流行りの頭痛外来へ行っても、脳の興奮を抑えるてんかん薬なぞを処方されるだけで、根治することは難しいでしょう。そればかりではなく、薬害で肝機能や腎機能が低下して死ぬ可能性さえあります。一番の問題は「興奮している脳」にあるのではなく、「脳を興奮させている頸部筋肉群の慢性的な硬化」にあるのです。これを理解出来ぬ限り、医者はいつまでも慢性頭痛を治すことは出来ないでしょう。
また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。。
Q:めまい・頭痛は治りますか?以前、別の鍼灸院で優しい鍼の治療を受けていましたが完治せず、現在は整体院に通っています。また、だいぶ前に痛い鍼を受けてから、めまいが起こるようになり、それ以来、痛い鍼が恐いです。そちらの鍼は痛いようですが、優しい鍼は出来ますか?
A:治せます。当院ではメニエール病も比較的簡単に完治させています。ちなみに、10年以上もめまいで悩んでいた人でも、数回の治療で完治したケースもありました。頭痛は2~5回くらいの治療で、ほとんどのケースで完治させています。
痛い鍼でめまいが起こったとのことですが、痛いのは悪い筋肉に刺入している証拠(チクッとする刺痛でなければ)であり、鍼が原因でめまいが起こるとは、通常は考えられません。鍼治療後に筋肉が弛む過程で神経が再刺激され、好転反応として起こるめまいや、刺鍼中に一時的に血圧が低下して起こるめまいはあります。ですが、その場合は、長くとも3日前後で治まり、鍼治療を続けていると自然に消えてしまいます。
ちなみに、その鍼灸院がどのような治療を行ったのかはわかりませんが、頭痛治療でよく使われるツボ、天柱、風池あたりの刺入角度を誤ると、大後頭孔(頭の後ろに開いている孔)から鍼が脳に入り、脳幹を損傷し、吐き気やめまいが起こることがあります。私のHPでは、私がまとめた講習会の資料を公開していますが、日本の鍼灸師の多くはそのツボへの刺入を斜めに行うため、2寸以上の長さの鍼で斜刺したならば、かなりの確率で脳を損傷します。もし、脳を損傷したことによるめまいでしたら、鍼で治すことは難しいです。
あと、「鍼が痛い=悪い=効果が無い」と勘違いされているようですが、本当に効く鍼は痛いです。何故かは、簡単に順を追って説明しましょう。
まず、鍼は生体にとって侵害刺激であり、鍼を筋肉に刺入すると筋肉と血管が一時的に収縮します(置鍼後約20分くらいから弛緩する場合が多い)。よって、筋肉の間やその周囲を走行している神経が刺激され、一時的に痛みが誘発されます。これが、刺鍼における、最大の特徴です。ゆえに、元から筋肉が凝って(硬化して)いる人ほど、鍼を刺す時の痛みは強いです。ちなみに、日本の鍼灸院では筋層に届くまで刺入しないことが多いので、このような反応は起こりにくいようです。つまり、痛くないわけです。たとえ、筋肉に刺したとしても浅層部の柔らかい筋肉までしか刺入しないので強い収縮は起こらず、痛みもありませんが、その代わりに明確な効果も得難いようです。
筋肉は、ほとんどの場所において重層構造になっています。つまり、筋肉は一緒に動いているようでも、筋膜を介してそれぞれの階層でほぼ独立していますので、浅層部の筋肉と、深層部の筋肉の状態は大きく異なります。当然、最外側にある浅層部の筋肉はあん摩でも、赤外線でも、温泉でも外的影響で容易に弛みますので、それほど悪化する、つまり凝ってカタクなることはありません。しかし、深層部の筋肉は外的影響を受けにくい深さにあるため、どんどんカタクなってしまい、そう簡単に弛まなくなってしまっています。
よって、前述した通り、カタクなった深層部の筋肉に刺入すると、通常よりも強烈に収縮し、刺鍼時に痛みがともないます(元からの異常収縮に、刺鍼時の一時的収縮が重なる)。つまり、凝りすぎた筋肉ほど、鍼を刺した時の抵抗が高まり、痛みが誘発されるのです。
しかし、いわゆるインナーマッスルは、使えば使うほどに硬化状態が積み重なりやすいので、鍼を深刺せずに放置しておけば、どんどん症状は悪化します。どのように悪化するかと言うと、本来、意識でコントロール出来るはずの骨格筋(随意筋)が、意識で制御出来ない状態におちいるのです。つまり、凝ったまま動かなくなったり、異常収縮や、痙攣が頻発し、その度に神経を強く刺激するので、痛みが出て、どうしようもない状態になります。筋肉はすべて骨に付着しているので、その収縮がひどくなると、骨が通常ある場所からずれたり、靱帯や、骨組織自体を損傷するようになります。例を挙げれば、慢性腰痛→ぎっくり腰→椎間板ヘルニア・すべり症など、という感じです。筋肉の慢性硬化が原因の異常収縮は、首で起これば寝違え(胸鎖乳突筋・斜角筋)、腰で起こればぎっくり腰(小/大腰筋・多裂筋)、足で起こればこむら返り(腓腹筋・ヒラメ筋)です。
とにかく、痛くても深部の硬化した筋肉を弛めなければ、完治しません。あん摩やマッサージ、浅鍼で一時的に良くなるような感じがしても、完治しないのは、深部筋肉の硬化を放置しているからです。当院には、何十年も腰痛や頭痛、肩こりで悩んで、病院や浅鍼鍼灸院をたらい回しにされた患者が多く来ますが、数回の治療で完治することも珍しくありません。実際、90歳以上の高齢者でも、完治します。なぜなら、多くの慢性痛や病気の原因である、インナーマッスルに確実に刺鍼するからです。
ちなみに、何回か刺鍼していると、確実に筋肉がゆるんでくるので、刺鍼時の痛みは軽減してきます。刺入時、抜鍼時に痛みが無くなれば、大抵は完治であり、もう治療は必要ありません。
刺鍼における「痛みの抜けかた」はおおまかに2パターンあります。まず、治療回数を経るごとに、刺鍼時の痛みが減少し、目にみえて良くなっていくパターン。そして、刺鍼時の痛みが一時的に増加したり、急激に減ったりして(回復に波があって)、少しずつ治っていくパターンです。前者は、軽症の患者に多く診られるパターンで、後者は長年患ってきた重度の患者に診られるパターンです。しかし、どちらのパターンにしても、不快症状が減少していくことには変わりません。
鍼は、しっかりと深く、筋肉がゆるむ本数(表面積)を刺してなんぼ、ですから、初診時にどれだけ鍼を刺せるか、初診後1週間の変化はどうかで、どのくらいで完治するかどうか判断出来ます。私は優しい鍼も出来ますが、治さない鍼はやらないので、覚悟が出来ましたら、ご連絡下さい。本気で治そうと思ったら、鍼の痛みにも耐えられると思います。
*2021年5月頃から新しい刺鍼法を開発し、以前よりも少ない痛みで、より効果のある治療ができるようになりました。
Q:12歳の小学生ですが、交通事故にあって以来、原因不明の頭痛、耳鳴り、めまい、背中の痛み、過食症があります。病院で検査しましたが、「異常は無い。」と言われ、整体やマッサージ、優しい鍼、カイロなどを受けましたが、一向に良くなりません。そちらの鍼で治りますか?
A:一般的な慢性頭痛とは違うようですね。大人は簡単に治りますが、子供にはまた違ったアプローチが必要です。子供は自律神経系、脳・心の状態(自我)が未完成なので思わぬ要因が、体の不調を生んだりすることがあります。事故がどのように起こったのかにもよりますが、予期せぬ衝撃というものは、心身に通常では考えられないようなダメージを与える(筋肉が異常に収縮する)場合がありますから、検査しても原因を発見できないことがよくあります。いわゆる不定愁訴の類ですね。私は、病院をたらい回しにされた患者を多く治しているので、医者がお手上げの状態でも治る可能性はあります。基本的には週一回のペースで治療して、3~5回以内に何らかの変化が出れば治るかもしれません。家庭で出来ることは、とにかく背中の筋肉をゆるめるように努め、そして背中を中心に温めることです。必ず背中が硬かったり、こわばりがあったり、背中の皮膚上に異常が観えるはずです。昼間は背中に、服の上からホッカイロを貼ってあげると良いでしょう。前屈や後屈が困難なようなら、背中の筋肉が強張っている証拠ですので、治る可能性は高いです。結果があるなら、必ず原因があります。
私のHPにも記載していますが、ちまたの整体やカイロプラクティック、マッサージの類はすべて民間資格(無資格同然)なので、運が悪いと障害が残るようなケースもあります。よって。軽い気持ちで行かない方が良いでしょう。鍼灸師は一応は3年間、厚生労働省の認可を受けた専門学校で学んだ後、国家試験を通過した者に与えられる資格ですので、まぁ安全と言えば安全です。しかし、私のような業界人からみたら、鍼灸師にも危険な治療をしている者が沢山います。特に事故で多いのが、衛生管理の不備によるウイルス感染と、アルバイト(整骨院での無資格学生の採用など)の施術による気胸(肺に穴が空く)などです。
整体やカイロなどでは、ゴキッとやるためか、頸椎ねんざや腰椎損傷が多いようですね。とにかく、口コミで評判の良いところに行くのがベターです。鍼灸院のHPでも、ウソのデータを載せている所も多いですから、自衛するしかないです。治療行為として首をポキポキやるのは無意味です。何より、筋肉が硬直したままで関節を強制的に動かしたりすれば、神経や血管などを損傷する場合があります。しっかりとした解剖学や生理学などの知識があれば、そのように無暗やたらにポキポキ鳴らしたりはしません。特に、医師などは絶対にそのような事はしません。首は脳と体幹部を繋ぐ重要な神経や太い血管が密集していますから、下手にいじると大変な事になります。半身不随になる可能性もあります。日本の医療関係の法律は、先進国では最も遅れた内容で、しかもお粗末で、全く機能していないに等しいです。よって、世間には危険な施術が数え切れぬほど多く、まかり通っています。気をつけて下さい。
Q:(上記の人が再度質問)リンパマッサージってどうなんでしょうか?今は浅い鍼をする鍼灸院に通っていますが、あまり変化がありません。また、子供はよく風邪をひきます。枕はどういったものが良いのでしょうか。枕が合わないと頭痛の原因にもなるそうですが。
A:リンパマッサージは軽くやるなら良いですよ。オイルでも、ハンドクリームでも良いので、背中を中心にマッサージしてあげると良いでしょう(筋肉に沿って)。お灸は、その症状だと、背中中心にやらないとダメです。起立筋の上を中心にやけどにならない程度にすえてあげましょう。
柔軟体操の類では、ヨガがおススメです。ゆっくりと息を吐きながら、無理しないで続けると良いです。主に背筋をゆるめるポーズ(ネコのポーズ、スキのポーズ、前屈のポーズ)などをやると良いです。
おそらく、その鍼灸院は経絡治療(ツボを中心に行う治療)でしょうから、中々効果を見込めないと思います。3~5回通って全く体に変化が出ないならば、他の鍼灸院に変えた方が良いです。
頭痛(頭部の症状)を治すには、主に首の筋肉をゆるめなければなりませんが、ほとんどの鍼灸院は経絡治療(ツボにしか刺さない治療)なので、頭痛を完治させることが出来ません。なぜなら、基本的には、首にはツボが無いからです。彼らは頭と首の付け根にある、天柱、風池、完骨というツボに刺鍼するのがせいぜいでしょう。でも、それでは治りません。首には神経や血管がひしめいているので、並みの鍼灸師では、恐がって鍼を刺せないのが現状です、残念ながら。
また、恐がって子供には鍼は刺さない鍼灸師が多いですよ。「小児鍼」と言って、ローラー鍼でゴリゴリやったり、散鍼(さんしん)といって、鍼を散らして当てるだけです。確かに私も講習会資料には「子供に刺すな」と書いてますが、中学生くらいなら刺鍼して問題ありません。むしろ、刺さないと治らないケースがほとんどです。
風邪(インフルエンザも含め)は身体の左右差が大きくなると、発症しやすいです(医学的には信じられないでしょうが)。よって、普段から子供さんの顔をよく観察していると、風邪をひく前には必ずどちらかの顔半分が腫れぼったくみえますので、事前に察知出来ます。または、腋窩温(ワキの下の体温)に大きな左右差が出ますので、「そろそろ、風邪をひくだろうな…。」とわかります。また、食べ過ぎたりすると、胃のある右半身に重心が移動するので、風邪をひきやすくなります。子供さんにも日頃から腹8分目を身に付けさせるのは重要です。ちなみに、普段からお灸をすえて、軽く皮膚を焼いておくと免疫力が高まり、ウイルスにも感染しにくくなります。
枕はイトーヨーカドーなどで売っている子供用の低反発枕が良いですよ。1000円くらいで、大人にもおススメです。枕の高さは後頭部の骨の出っ張り方にもよりますが、6センチ前後が妥当です。あと、布団はせんべい布団が良く、ベッドは良くありません(フランスベッドであろうとも)。また、木枕(もくちん)という木の枕を作って、定期的に首の下に入れると、頸椎の矯正が可能です。慢性頭痛やストレートネックは木枕と当院の鍼治療で完治します。昔、西式健康法で使われていたもので、西式健康法の協会で販売されていますが、作れるなら自分で作ったほうが安いです。現在はアマゾンなどでも販売されているようですが、サイズには注意が要ります。6cmくらいの最も小さいサイズを選びましょう。そして、木枕は就寝時には使わず、あくまで就寝前など1日10~15分程度、頸椎修正器具として使いましょう。木枕で寝てしまうと寝返りがしっかりと打てず、良くありません。
ちなみに、子供は元気に寝返りを打つことで一日の体の歪みを修正しますから、十分に寝返りを打てる広さを確保してあげると良いです。また、寝相を観ると、体の悪い部分や、潜在意識(深層心理)の状態が大体わかります。例えば、うつ伏せで寝るのは、背中に熱があって、背中の筋肉がカタクなっている証拠です。背中を上にして外気にさらすことで、熱を放出しようとしているのです。さらに、深層心理学的には愛情を欲している状態だと、うつ伏せで寝ることが多いです。木枕の詳細は「木枕について」をご参照下さい。
Q:首や肩のコリをとるというネックレスの類はどうなんでしょうか?有名人やスポーツ選手も装着しているようです。
A:磁気ネックレスや、トルマリンのネックレスなどは、全く効果が無いことはないはずです。なぜなら、人間には微弱な電流が流れていますから、それなりの作用はあるはずだからです。でも、うちに来る患者さんの身体を診ているからわかるんですが、そういうキワモノを常時付けていても、ほとんど変化は無いようで、実際、首肩はガチガチです。あるとすれば、極わずかなプラシーボ(偽薬効果)だけでしょう。有名人が装着するのは、大抵、裏にスポンサーがついていますから、多くの有名人はメーカーにお願いされて無料で装着しているのでしょう。そうすれば、大衆を洗脳して沢山売れますから。だいたい、プロには専属のトレーナーが付いていますし、体調管理は厳しいはずですから、ああいうキワモノをつける必要性は低いでしょう。それに、ああいう商品はゴマンとありますが、ほとんどは苦しんでいる患者を食い物にしているケースばかりです。ちなみに、某商品は放射性物質を発しているそうで、それが効果を生み出すと主張していますが、私は微量なりとも放射性物質による害に疑念を抱いているため、おすすめしません。
Q:慢性頭痛がありますが、酸素吸引すると症状が軽減します。酸素吸引だけで頭痛は治りますか?また、薬で頭痛が治る人・治らない人がいますが、あれは何なのでしょう。あと、先生は子供の治療は得意ですか?
A:酸素を吸入して楽になるのは、筋肉が硬化(収縮)している証拠ですよ。酸素は血管の中を通ってそれぞれの組織を栄養するのですが、血管は筋肉の間をぬって走行しているため、筋肉がこって(収縮)してくると、血管を押しつぶしてしまい、各組織に酸素が行き渡らないので、低酸素症状(冷え、めまい、耳鳴り、痛みなど)が出るのです。例えば、首の筋肉がカタイと、脳へ行く酸素の絶対量(脳が必要とする血流量)が減り、生あくびや眠気、頭痛、耳鳴り、顔面麻痺など、様々な頭部症状が出ます。頭部で起こっている不快症状のほとんどは、首のコリによるものです。ですから、首の筋肉をゆるめなければ、いくら酸素を吸入したところで、頭痛は根治しません。いわば、西洋医学で顕著な「対症療法(症状だけに囚われた治療法)」というやつですね。「木をみて森をみず。」という感じですね。
おそらく西洋薬だけで頭痛が完全に治る人など稀でしょう。改善したようであっても、一時的に治っているようにみえるだけだと推察されます。または症状が軽くて、温泉や有酸素運動、ヨガ、ストレッチングなど何らかの別の要因が影響したか、原因となるストレスが無くなったかで、自然治癒したのでしょう。頭痛薬は、痛みを感じている神経を麻痺させて、一時的に体を鈍感にしている状態ですから、完治させることは不可能です。慢性頭痛における完治とは、首の筋肉をゆるめることです。よって、薬は出来るだけ飲まない方が良いです。想像出来ないくらいの副作用、薬害があります。特にカフェインの害が慢性頭痛に強く影響しているようです。女性の更年期障害や不定愁訴も、薬害によるものが多いと思われます。製薬会社にとっては、薬が売れなくなることは死活問題ですし、製薬会社のスポンサー広告で喰ってるメディアなどが、頭痛薬を強くすすめる動きがあるのは否定出来ない事実です。また実際、製薬会社も病院も、所詮は利潤が無いと生きて行けませんから。
ちなみに、当院には2歳~95歳の患者が来てます。