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HOME > 11.才知愚暗の相

才智愚暗の相を論ず

・耳が後ろへ引き上るように観える者。

・顴骨が眼の際より高く、後ろへ引き上るように観える者。

・眼に深みがあり、眼中が澄んでいる者。

以上の一相がある者は、必ず智がある。

・また、瞬(まばた)きが多い者は、才がある。俗に言う、目先が賢い者である。

・耳が清らかで正しく、天に向かう。また、顴骨が豊かで龍骨を現わし、眼が豊かで長く、黒白が分明で、ぼんやりしておらず、自ずと神(=神気)がある。

以上のような相がある場合は、必ず聡明の人である。また、この相があって、土星(=鼻)が天停(=額)へ貫く者は、必ず聡明で、天下に名を発する。だが、聡明で天下に名を発する相があったとしても、害骨(=腮、えら)が高く張っている者は、名を発するとは言っても、晩年は大凶である。この場合、人生が狂うのは、一万石以上の強勇の者である。
*「一万石以上の強勇の者」…つまりは「大名」の事である。江戸時代では、一万石以上を領有する領主の事を「大名」、と呼んだ。

・総じて、賢愚の相は、眼、口、耳、眉、顴骨にある。

・眼が愚かな者。

・眉が愚かな者。

・口に締りがない者。

・顴骨に勢いがない者。

・耳に勢いがない者。

以上の相が一つでもある者は、必ず愚才の相である。また、以上の相の部分が正しく満たされているように観える者は、必ず才がある、と判断する。