《天中、天陽、高広に現れる八色を論ず》
「天中、天陽、高広の官は、思いもよらぬ(≒予想外の)吉凶を司る。」
・青白紫の三色が現れると、思いもよらぬ愁い、あるいは驚きがある。
・黒色が現れると、思いもよらぬ損失、あるいは失敗がある。
・赤色が現れると、思いもよらぬ災い、難事がある。
・黄紅美の三色が現れると、思いもよらぬ悦びがある。
《主骨に現れる八色を論ず》
「主骨の官は主人、目上を司る。」
・青白紫の三色が現れると、主人あるいは目上に愁いがある。
・黒色が現れると、主人、目上と離れるか、あるいは目上に関する失敗がある。
・赤色が現れると、主人、目上に災いがある。あるいは、目上から自分に災いが来る。
・黄紅美の三色が現れると、主人、目上に悦びがある。あるいは、目上から自分に悦びが来る。
《福堂に現れる八色を論ず》
「福堂の官は金銭の事を司る。」
・青白紫の三色が現れると、金銭に関する辛労あるいは驚きがある。
・黒色が現れると、金銭の損失あるいは失敗がある。
・赤色が現れると、金銭に関する争いや災い、あるいは口論がある。
・黄紅美の三色が現れると、金銭に関する悦びがある。
以上、二十一穴の内の三穴を抜粋し、その判断法をここに記した。二十一穴全てにおける八色の観方は、以上の道理に準じて用いる。そうすれば何れは、顔全体に百六十もの血色が縦横に作用しているのが観えるようになるであろう。これを「八色一口の伝(はっしょくいっこうのでん)」と言い、血色を観る際の第一の要(かなめ)とする。だが、修業が足らぬ人は、以上の八色さえ看定め難い。ゆえに、まずは良い色、悪い色だけでその善悪を考え、判断しなさい。なお、血色における潤いの有無や、気色が湊(つた)い走る穴所の秘事、流年の伝、方角の伝、月割・日割の伝、家宅の伝、万法方角の伝、他身五臓の伝など、私の流派の秘伝については、『南北相法 後篇』に詳しく記した。自ら求め、誦(よ)みなさい。