・乳房が整って上を向いている者は、必ず子孫がある(≒子孫に恵まれる)。逆に、乳が下を向く者や乳が小さい者、特別に乳が大きい者、左右の乳の大きさが異なる者は、悉(ことごと)く子に縁が薄い(≒子孫に恵まれ難い、子孫がいても役に立たない、子孫に関する辛労が多い)。
・乳は胴体の日月(じつげつ、=陰陽)であり、子の食を蓄(たくわ)える場所である。ゆえに、乳の善悪(よしあし)によって、子孫の有無を判断する。
*全ての相において言える事であるが、中庸(ちゅうよう、=偏りがない)な相が最も良い。例えば、乳について言えば、成人しているにも関わらず乳が小さ過ぎるのは「不及(ふきゅう)」であるし、逆に乳が大き過ぎるのは「過」であり、共に凶である。「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、小さ過ぎる乳も、大き過ぎる乳も子孫に恵まれ難い。また、乳は子供の食となる部位であり、乳が小さ過ぎると食となる果実が未熟かつ欠乏しているに等しく、乳が大き過ぎると果実が熟れ過ぎているに等しい。ゆえに、形とバランスが良い、適度な大きさの乳が子供をより良く育てるとし、子孫に恵まれる、と観る。さらに、人の食となる植物は天に向かって伸びるのが自然であり、それゆえに上を向いた乳は健全である、とも観る。ちなみに、ここでの乳の観方は女性に限った相法である。