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  • その他の症状(難病など)

疫学:漠然とした身体的愁訴のことで、愁訴を説明するに足る医学的根拠が無いものを指す。自律神経失調症とほぼ同義である。愁訴によって、本態性自律神経失調型、心身症型、神経症型に分類される。めまい、倦怠感、頭重、頭痛、動悸などが好発する。
原因:不明。
一般的な治療法:薬物療法、心理療法、行動療法など。
当院の治療法:検査しても何ら異常がみられなかったような、器質的異常のない愁訴であれば、当院の鍼治療は有効です。しかし、基礎疾患として精神疾患があり、向精神薬などを服用している場合や、不眠症があり睡眠導入剤などを服用している場合、中枢神経非刺激薬または中枢神経刺激薬などを服用されている場合は、当院のような鍼灸治療は全く効果がみられないことがあります基本的には自律神経を整えるため、頭部、頸部、背部へ刺鍼します。原因疾患のない倦怠感や頭痛、頭重、動悸、めまいなどには針治療が有効です。しかし、薬物中毒や精神疾患によるような症状については、当院では改善させることが出来ませんうつや倦怠感に関係するセロトニンは、約90%が腸粘膜のクロム親和性細胞に存在します。したがって、赤身の魚や納豆などを食べて、必須アミノ酸であるトリプトファンを摂取し、セロトニンが生合成されるよう促すことも重要です(肉は飽和脂肪酸による害が多いため避ける)。セロトニンは平滑筋を収縮させる作用があるため、腸管運動に重要な役割を果たしていますが、同時に伝達物質として錐体外路系に作用し、体温調節や睡眠、摂食抑制、攻撃行動、幻覚などに関与しているとされます。青魚に多く含まれるDHAは脳血液関門を突破して、シナプス外膜を柔らかくし、神経伝達をスムーズにするため、鬱にも効果があります。血液中のDHA量が少ないと、鬱や自殺願望、精神疾患を発症しやすいことが知られていますまた、鍼灸治療を定期的に行うことで、全身の血流を改善し、自律神経やホルモンのバランスを整え、免疫機能を向上させ、ストレスや外的環境の変化に強い体を維持することが可能です。週4~6日程度、15~30分程度のウォーキングなどの軽い有酸素運動をすることで、全身の血流を改善し、症状を軽減させたり、予防することができます。ウォーキングや腹巻の装着以外にも、腹部を毎日ゆたぽんのようなホットパックで温めるのも良いでしょう。しかしながら、重症患者において最も最優先すべきことは、食品添加物や薬物、農薬をできるだけ排除し、安全な食べ物を食べることです。多くの日本人はメディアの影響で食品添加物や薬物、農薬、枠賃の恐ろしさについて無知ですが、いわゆる現代病、過去に存在しなかった難病の類には、多様な炎症傾向が共通しており、薬物や重金属類が常時体内に残留していることによる影響であろうと推察されます。薬は基本的に毒物ですので、薬で治そうという発想自体が異常であることに気が付き、食品添加物や各種薬物、枠賃について詳しく調べ、毎日無意識に摂取している毒物を排除することに意識を向け、それらを避けることなくして真の健康を得ることはできないと自覚する必要があります。そうすることで、鍼治療の効果を最大限に発揮させることが可能です。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
 

疫学:関節部に慢性の退行性変化および増殖性変化が同時に起こり、関節が変形する病態。関節軟骨の摩耗・欠損・肥大・増殖のち骨棘形成に至る。また、滑膜の増生、関節包の肥厚、委縮、関節部の腫脹などが出現し、関節のこわばり、運動時痛、可動域制限、疼痛、軋轢音が見られる。X線像では骨棘形成、関節裂隙の狭小化・消失、嚢胞形成などが認められる。
原因:老化、過度な力学的ストレス、外傷、形態異常、代謝異常など。
一般的な治療法:理学療法、赤外線などの温熱療法、筋力強化、運動療法、装具療法、薬物療法(非ステロイド性消炎鎮痛剤など)などの保存療法が中心となる。著しい変形、機能障害を来す場合は関節固定術、関節形成術、骨切り術、人工関節置換術などが行われる。
当院の治療法:関節部の変形が激しい場合は手術が優先となります。しかし、変形が軽微で、医師から経過観察と告知された場合は、鍼灸が有効です。また、手術後に肩の痛みやこわばりが取れない場合や、予防的に筋肉をゆるめたい場合なども針治療は有効です。肩関節の場合は、肩関節を構成する筋肉のうち、最もコリが強い部分を中心に刺鍼します。痛む部位が漠然としていて、肩の奥が痛むようなケースは肩甲下筋が悪いことが多いです。肩の前中部表面が傷む場合は三角筋、肩後部表面が痛む場合は小円筋、大円筋、三角筋後部が悪いことが多いです。整形学的には棘上筋損傷が多いとされますが、実際には肩甲下筋と三角筋の損傷が多いようです。三角筋は収縮力が強いため、刺鍼時の痛みも強いです。股関節の場合は殿筋中心に刺鍼しますが、腸腰筋のコリが影響しているケースが多いため、罹患部が両側にある場合は、伏臥位と仰臥位の2コマ1セットか、側臥位2コマ1セットが必要です。しかし、股関節は重症であればあるほど、刺鍼後のダメージが大きいため、初診時は基本的に片側だけの刺鍼で様子を見ます。一般的には、施術後30分~24時間程度は、びっこを引いて歩く感じになりますので、心配な方は杖を持参されるか、誰かに迎えに来てもらうのがベストです。膝関節も主として関節を構成している筋肉へ刺鍼しますが、膝痛が長期にわたっている場合は、腰部や臀部の筋肉が強く委縮していることが多いため、下半身全体の治療が必要になる可能性があります。腸骨筋刺鍼は腰痛や股関節痛に劇的な変化をもたらす反面、刺鍼時の痛みが激烈であるため、耐えがたい場合は、ゆるめの刺激で回数を分けて治療するしかありません。この場合、ある程度症状が改善するまで半年~1年近くかかることもあります。特に、太っている患者の場合、体重を落とさない限り関節への負荷が減少しないため、完治しないことがあります。この場合、針治療はあくまで対症療法になります。リハビリとしての筋力トレーニングは、ある程度鍼治療で痛みが減ってから開始します。股関節痛や膝関節痛の場合は、リハビリとして、転倒しにくく、水圧が適度にかかる温水プールでの歩行がお勧めです。
 

疫学:主に関節、筋肉などの運動器疼痛、変性疾患の総称で、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus、SLE)などの膠原病、変形性関節症、慢性肝疾患などでリウマトイド因子が陽性の場合、リウマチと称することがある。いわゆる臓器非特異的自己免疫疾患のこと。30~50代の女性に多い。
原因:不明。免疫系が異常を起こし、IL-6やTNFαなどのサイトカインが過剰に産生され、炎症傾向を呈す。
注意点:早期発見、早期治療で関節破壊、関節の変形を最小限にとどめることが重要になる。
一般的な治療法:消炎鎮痛薬(NSAIDs)、抗リウマチ薬(DMARDs)、ステロイド、生物学的製剤などによる薬物療法が中心となる。関節破壊が進行した場合は手術療法となる。
当院の治療法:関節破壊が進んでいる段階ですと、鍼灸治療は有効ではありません。関節に変形が見られないけれど、リウマトイド因子が陽性で、朝晩のこわばりが気になる、という段階であれば、鍼灸治療は有効です。鍼灸でリウマチ自体を完治させることは困難ですが、関節の変形が見られなければ、こわばりや痛みを軽減させて、QOLを高めることは可能です。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけ、全身で炎症が起こりやすくなります。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。
 

疫学:発汗が全く見られない状態を無汗症、発汗が著しく減少した状態を乏汗症または減汗症とする。汗腺の機能的または器質的変化によると考えられる。全身性無汗症、局所性無汗症、先天性無汗症、後天性無汗症などがある。特発性後天性全身性無汗症は難病指定されている。日本国内の患者数は150人程度とされる。
原因:不明。アセチルコリン受容体の異常と考えられている。先天性無汗症の場合は汗腺自体が欠如していることがある。後天性無汗症は脳炎やマラリア、チフスなどの高熱性疾患、シェーグレン症候群、汎発性強皮症、アミロイドーシス、甲状腺機能低下症、間脳性視床下部疾患、多発神経炎、熱射病、脱水症、副交感神経遮断薬の服用などによって発症することがある。
注意点:発汗作用が失われるため、放熱が出来ず、皮膚が乾燥し、コリン性蕁麻疹を併発しやすい。また、高温下では熱中症を発症しやすく、脳に重篤な障害が出たり、死に至る危険性がある。
一般的な治療法:ステロイドパルス療法、ステロイド内服療法、免疫抑制剤などが行われているが、現状では根本的な解決に至っていない。
当院の治療法無汗症の患者数は日本全国で200人程度だそうです。ステロイドの点滴などによって早期であれば改善することもあるようですが、医学的には原因が特定できていないこともあってか、難病に指定されています。特に特発性後天性全身性無汗症と呼ばれている病態は、2016年現在、診断基準、治療法でさえ確率されていないため、病院で完治させることは困難なようです。当院で初めて無汗症の患者が来たのは2010年です。その患者は隠岐の人でした。私が島根で開業していた頃に口コミで来て、何回か腰痛で治療していた患者でしたが、ある時「腰痛は良くなりましたが、実は私は無汗症です。無汗症は治せませんか?」と言ってきたのです。それまで無汗症の患者に出逢ったことがなかったこともあり、そんな病態があること自体知らなかったのですが、とりあえずやってみることになりました。当然ながら、それまでは無汗症の患者を治療した経験がなかったため、治るかどうかという確信がありませんでした。しかし、多くの後天的な無汗症は自律神経の異常であろうという考えに至ったため、自律神経を調整するような刺鍼法を試してみることになりました。そもそも、発汗は交感神経系の刺激による作用であり、交感神経系の異常によって無汗症が惹起することは医学的な常識です。そうであれば、交感神経系を正常化させるような鍼刺激を与えることが有効であると至極簡単に考えたわけです。結局その患者は3回くらいの施術で汗が出るようになり、完治しました。正直、私も未熟だったこともあり、鍼灸の可能性に少し驚きました。交感神経系の節前ニューロンは頸髄、胸髄、腰髄の側角に位置しているため、主に頸部後面から側面と、背部脊際に刺鍼することで変化が現れやすくなります。自律神経に異常が出ると、必ずと言って良いほど神経根付近の筋肉が硬くなり、それらが絶縁体のようになって神経の伝導等に異常が出ると推察されますが、実際に頸部や背部脊際に刺鍼すると、ガチガチに張っていた筋肉がゆるみ、発汗するようになります。具体的な刺鍼ポイントは中斜角筋から脊際までの範囲の筋肉群と、いわゆる華佗穴(起立筋群)、大腰筋です。また、食いしばりによる顎関節の異常も自律神経系への異常を引き起こすことがあるため、食いしばりが常態化しているような患者には、顎周囲への刺鍼も必須となります。顎が自律神経の異常と深くかかわっていることに気が付いたのは2021年頃です。日本では医学的な検証がなされていませんが、百会や本神、神庭などへの刺鍼や、四神針、四神聡、三神穴といった中国ではベーシックな刺鍼法も併用することで、自律神経が安定しやすくなり、発汗が正常化しやすくなるようです。日本では鍼治療自体の医学的な検証がほとんどなされていないに等しいことや、未だ怪しい鍼灸流派が多く、マトモな結果が出せていない鍼灸師が少なくないことなどによって、無汗症が鍼で治るなどとは信じられないという患者や医者が大半だと思います。しかし、著名な病院や鍼灸院で治療しても全く変化がなかったような患者が、当院において数回の鍼治療で完治する事実を何度も体験していると、やはり多くの無汗症は自律神経の異常であり、ちゃんとした鍼治療を施せば完治するのではないかという確信が年々強くなってきます。これまで6年ほどの臨床で、10数人程度の無汗症患者が来院しました。全国的にも患者数が少ないとされる病態であることと、当院がそれほど有名でないこともあってか、無汗症患者の来院数は少ないです。そのため、臨床経験が豊富な病態ではないため、慢性頭痛や慢性腰痛など、その他の運動器系疾患に比べると、まだまだ自信が持てるほどの技量は備えていませんが、おおよそ80%くらいの患者は5回程度の刺鍼で完治させました。治る患者は必ず2回目までの施術で汗が出るようになります。残りの約20%の患者は1回で来なくなったりして、結果がどうなったかわかりません。これまでみてきた限りでは、首と顎、背中の筋肉が異常に凝っている患者がほとんどですので、とりあえずはこれら周囲の筋肉をゆるめ、などで頸椎を矯正してやると、完治し、再発することも少ないようです。また、多裂筋や大腰筋も異様に硬い場合は腰部の自律神経の状態が異常になっていたり、小腸が炎症傾向にあったり、ひいては腸内細菌、免疫細胞の状態が悪いと推察され、それらが結果的に慢性的な交感神経の障害を促し、無汗症を引き起こしているようにも思われます。最近の研究では腸内細菌の状態が脳や身体全体の状態を左右すると言われているように、動物性脂肪や肉、砂糖の過剰摂取を減らすことは、多くの病態を改善する効果があるようです。また、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけ、全身と自律神経の調節に異常が起こりやすくなります。したがって、肉食を止めるか減らすことで、症状が大幅に緩和されたり、症状が消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。食を改善した上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能です。とにかく、無汗症の鍼治療は3~5回程度の施術で発汗するようになれば、完治する可能性がありますが、5回以上施術しても全く変化がみられない場合は他の病態と同様、当院の施術で治る可能性は低いかもしれません。無汗症が治せるなら多汗症も治せるのではないかと考えた時期もあり、無汗症と同じような刺し方で数十人実験しましたが、ダメでした。多汗症ではETSという交感神経を切断する治療法がありますが、一時的には発汗量が減少するものの、すぐに再発するパターンが多いそうです。これは本来、交感神経の再生力が強いことによるためらしく、逆を言えば、交感神経が一時的に休眠しているような無汗症であれば、交感神経が働くように刺激してやればすぐに交感神経が再活性して、発汗するようになるようです。つまり、交感神経の働きを抑制することは困難ですが、逆に働きを活性化させることは、交感神経の再生力を踏まえれば容易いはずなのです。当院の鍼灸治療でいとも簡単に無汗症が治ってしまうのは、交感神経の再生力が強いことの証明であるかもしません。無汗症は本来生きているはずの交感神経が、何らかの原因で半ば死んでいるような状態なわけですが、その主な原因は骨格筋が慢性的に凝って、硬化していることにあると推察されます。筋肉は硬化すれば収縮して体積が減りますから、当然ながら筋肉の間を縫うように走行している神経や血管は潰されて障害され、特に神経においては筋肉が絶縁体の如き存在になるため、神経が発するパルス、つまりは電気信号が減少して伝導効率が低下し、神経の働きそのものが低下します。そうなると、司令塔である脳は発汗させる必要がないと認識して、無汗症という誤作動を起こします。つまり、発汗に関して言えば、交感神経というサーバーがダウンする感じでしょうか。そうなれば当然、日常的にも発汗量が大幅に減少して、ゆくゆくは無汗になるでしょう。筋肉が硬化すると基本的に神経の興奮は抑制されますが、逆に激しくなることもあります。このあたりの微妙なシステムはよくわかりません。しかし、どうやら多汗症は筋肉の硬化だけが原因ではないようで、そもそもはもっと上位の脳に異常があるのか、遺伝子的な問題なのか、わかりませんが、私のこれまでの臨床経験でみた限りでは、鍼をして筋肉を緩めても、発汗量が変化することはほとんどありませんでした。つまり、無汗症と対極にある多汗症は、実は全くその機序が異なるようなのです。とにかく無汗症は硬化した筋肉を緩めてやれば、簡単に発汗が正常化するケースが多いので、多汗症と無汗症はその機序が似ているようでも、実は全く原因が異なるのかもしれません。私個人としては、後天的な無汗症は鍼灸で簡単に治せるケースが多いため、難病という感覚はありません。まぁ無汗症は体温調節が出来ないから死に至る可能性もあるわけで、多汗症よりも状況的にはハードなわけですが、医者が治せるか否かで現代の難病指定になるか否かが決められるわけですから、難病と呼ばれても仕方がありません。世の中には、スペシャリストだとか、その道の専門家だとか、その疾患の研究一筋30年で知識が豊富だとか、恐れ多くも自称している輩が数多存在しますが、彼らがどんなにメディアで騒がれていたとしても、結果が全てであって、結局はその疾患を改善させたり、治せなければ、素人と大差ありません。本来、患者は術者や医者に専門性や知識の豊富さを求めているわけではなく、ただ単純に現在自分を悩ませたり苦しませている病態を治したり、改善してもらうことを第一に考えているわけです。ゆえに、誰がどんな基準で選んだのかもわからない、名医100選だとか、人気の病院100選だとか、アヤシイ査定なんかはどうでも良いわけで、名誉も知識も肩書きなんかなくても、ただ治せればどこの馬の骨ともわからぬ輩であっても、それが最も尊ばれるはずです。最近はビジネスライクな専門外来や、万病を治す!などと嘯く鍼灸院が増えていて、迷える患者を喰い物にしている感が否めませんが、特に日本の鍼灸流派には怪しい治療法が多いですから、酷い目に遭わないように自衛しなくてはいけません。しかし、鍼灸はちゃんとやれば、どんな治療法や手技よりも効果的で、無汗症に関しては副作用なく短期間で治せる可能性があります。頭痛や腰痛、生理痛なんかも治らないと医者に洗脳されている患者も少なくありませんが、これも当院のような鍼灸治療であれば、多くのケースで改善または完治し、救われる患者がまだまだ沢山潜在しているのではないかと思われます。
 

疫学:慢性の軟骨組織のびまん性疼痛を特徴とした疾患。アメリカリウマチ学会が公表している診断基準に基づき、18箇所のうち11箇所に圧痛が見られた場合、線維筋痛症(FM)と診断することになっている。20~60歳の女性に多い。リウマチ性疾患に合併することがある。先行研究においては、罹患率が人口の1.7%とされていたが、近年、インターネットを用いた追加研究によると2.1%とされる。また、患者の主訴である痛み、疲労感、認知障害についての責任病巣の解析がPET画像で明らかにされた。2004年に厚労省の研究班が実施した全国疫学調査によれば、日本では200万人の患者が存在し、人口の1.7%に上ることが示唆された。
原因:線維筋痛症(FM)の病因を中枢か末梢かで区分すると、中枢(脳の機能異常)にあることは異論がない。実際、FM患者の抹消神経、筋、腱などには病理学的異常が認められないとされ、痛みのブレーキとなる下行性疼痛抑制系の異常であることが指摘されている。また、この経路には脳内モノアミンであるセロトニンとノルアドレナリン双方の低下が関与している。過去に脳に何らかの強い痛みが働いた場合、脳がその痛みを記憶するが、その後も継続的にそのような痛みがあると、中枢感作を介して脳内で痛み刺激が累積してゆく「wind up」という状態が起こり、最終的には痛覚過敏の極限状態であるアロディニアという状態(風が吹いただけでも痛むような状態)に至る。ちなみにこのアロディニアはFM以外にも慢性疲労症候群(CFS)や顎関節症、舌痛症、歯痛症、原発性月経困難症などにもみられるケースがある。『痛みのバイオマーカーとしての機能的脳画像診断法(倉田二郎編,2020年,真興交易医書出版部)』によれば、FMは大脳辺縁系の中で、特に帯状回に主たる責任病巣があることが、動物モデルやヒトのPET画像によって、近未来に明らかになることが予想されている。
一般的な治療法:安心させる。下行性疼痛抑制系を賦活するノイロトロピン、セロトニンとノルアドレナリンの再取り込み阻害薬であるサインバルタの投与。鎮痛薬、抗うつ剤、マイナートランキライザー、漢方薬、ケタミン、オピオイド、フェノバルビタール、交感神経遮断薬、メキシレチンなどの投与、運動療法、心理療法、理学療法、神経ブロック療法、星状神経節ブロック、光線療法など。非ステロイド抗炎症薬やステロイド薬は通常無効とされている。
当院での治療法:線維筋痛症(FM)は現代病の最たるもので、これまで医学的には原因不明でしたが、現在では中枢の異常(脳の機能異常)とされています。2023年現在でも有効な治療法は発見されていません。アロディニアがFM以外にも慢性疲労症候群(CFS)や顎関節症、舌痛症、歯痛症、原発性月経困難症などにもみられるケースがあるように、過去の強い痛みや精神的ストレスが強く関与しているのではないかと当院では推察しています。実際、筋筋膜性疼痛症候群(MPS)や顎関節症などの病態は、FMとリンクする部分が多いようです。線維筋痛症が認知されるようになったのは、2000年代に入ってからで、南山堂の医学大辞典に載るようになったのは2006年以降のようです。当時は北陸の某ペインクリニックで鎮痛薬を打つことが患者にとっての唯一の頼みの綱だったようですが、私の師匠である北京堂鍼灸代表、浅野周先生が線維筋痛症患者を受け入れ始めてから、「ペインクリニックよりも北京堂で施術を受けた方が楽になる」との評判が患者同士のウェブ上のコミュニティで話題になり、2010年頃から、北京堂へ来院する線維筋痛症患者が増えるようになりました。しかし、北京堂で施術しても完治する患者は稀で、施術後3日程度は症状が寛解するものの、数日すれば元の木阿弥、というのが多くのケースにおける実際の状況でした。北京堂では最初はマニュアル通りに刺鍼し、効果がなければ針の本数を増やしたり、より長く太い針を用いる、というのが定番の治療法でした。当院でも師匠の教え通り、数年間はそのように施術していたわけですが、一定期間施術すると、治りにくくなったり、悪化する患者が少なからず出現することがわかりました。そこで、当院では良い刺鍼法を考え出せるまで、3年ほど線維筋痛症の患者の受け入れを断っていました。しばらくの間、最新の中医の刺鍼法などを研究しつつ、様々な刺鍼法を試した結果、2019年6月頃に、従来とは全く異なる刺鍼法を考え出しました。そして、この刺鍼法が本当に効果があるのかを試すべく、他の北京堂系鍼灸院を5年ほど放浪し、10人以上の鍼灸師の施術を受けてきたという、「線維筋痛症患者四天王」と呼ばれていた最も難治な某患者の治療を開始しました。この某患者曰く、5年間ほぼ毎週治療しても全く変化が見られなかった肩や臀部、背中の痛みが当院の3回程度の施術で明らかに変化し、施術後3日経っても元の状態に戻るということはなくなり、徐々にではありますが、明らかな改善を実感していただけるようになりました。詳しい刺鍼法についてはここでは述べませんが、この刺鍼法を用いれば、これまで治せなかった患者も治せるのではないかという思いが確信になってきています。また、顎関節症(食いしばりや歯ぎしり)も繊維筋痛症の慢性化や症状固定に影響しているのではないかと、2021年の1月頃から考えるようになりました。顎関節症の主な症状は、歯を強く食いしばることによる側頭筋の痛み、顎の痛み、開口時のクリック音、開口障害、斜角筋や胸鎖乳突筋の痛みなどですが、副次的な症状として手足の冷え、イライラ、不眠、自律神経失調などもよくみられます。ある病院での実験によれば、食いしばりや歯ぎしりが常態化した患者は、サーモグラフィ画像で全身の状態を観察すると、手足の体温が低下していることがよくあるそうです。これはつまり、食いしばりや歯ぎしりによって交感神経が優位になり、末梢血管が収縮したり、血液の粘度が増すことなどに原因があると推察されますが、これらが常態化すれば、手足の毛細血管が減少したり、造血機能が低下したり、慢性的な血液循環不全が起こり、手足の冷えだけでなく、手足の肌荒れ、爪の異常、汗疱(異汗性湿疹、主婦湿疹)、易感染(蜂窩織炎)、そして原因不明の全身の疼痛、交感神経異常による全身の掻痒感やしびれ、発汗異常、睡眠障害、自律神経失調症などが起こりやすくなるようです。したがって、歯ぎしりや食いしばりが常態化した患者においては、以上のような症状は、薬物治療、局所的な治療、対症療法的な治療で完治することは難しく、顎の治療を最優先しない限り、進展がみられないことがよくあります。当院では、古代に線維筋痛症のような病態が見られなかったことから、これは明らかに現代病であり、枠賃や農薬、食品添加物、その他様々な薬物が強く影響しているのではないかと考えています。特に、枠賃などに含まれる水銀やアルミニウム(アジュバンド)などの重金属類や劇薬であるホルムアルデヒド、その他の薬品やサプリメント、食品添加物の原料となる石油やGMO、飽和脂肪酸が多く薬物まみれの肉などは、毎日微量でも摂取し続けることによって、血液中の毒素の残留濃度が高いまま維持され、飽和脂肪酸、コレステロールが血管内壁を汚して血流不全を促し、様々な炎症反応を引き起こす主因になっているのではないかと推察しています。例えば自己免疫疾患や膠原病、アトピーなども線維筋痛症と同様に現代病と言えるでしょう。もちろん、ガンも医学的に言えば炎症の成れ果てですから、現代病と言えるかもしれません。人間の体を作るのは食べ物ですから、まずは食を正しつつ、当院のような鍼施術を同時並行で行えば、完治は難しいとしても、かなり良い状態まで心身を回復させることが可能かもしれません。特に、肉は飽和脂肪酸が多く、繊維質がほとんどないため、胃液が長時間(3-4時間)かつ大量に放出し、胃だけではなく背中や小腸、大腸にも負担をかけます。したがって、肉食を止めるか減らすことで、様々な病態が大幅に緩和されたり、病状が完全に消失することがあります。さらに、肉以外にも、不飽和脂肪酸が多く血流をドロドロにする卵や乳製品を少なくするか中止し、不飽和脂肪酸の多い魚とビタミンや繊維質の多い野菜やフルーツ、海藻類、貝類、納豆などの発酵食品を食べて血流をサラサラにして、四肢末端の血液循環の改善、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。人間の血管の99%は毛細血管(毛髪の1/100の太さ)であると言われ、飽和脂肪酸の多い肉や乳製品などの動物性食品、飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸を含むコーヒーなどを常食していると、コレステロールが血管の内壁を汚し、血液循環不全が発生しやすくなります。血液の循環不全は四肢末端の冷えだけではなく、万病の元になります。病多くの病気は食によって作られ、食によって改善することが可能です。また、食を改善し、適度な有酸素運動を心掛け、ストレスコントロールをした上で鍼治療を施せば、心身共により良い状態を取り戻すことが可能と考えております。