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疫学:漠然とした身体的愁訴のことで、愁訴を説明するに足る医学的根拠が無いものを指す。自律神経失調症とほぼ同義である。愁訴によって、本態性自律神経失調型、心身症型、神経症型に分類される。めまい、倦怠感、頭重、頭痛、動悸などが好発する。
原因:不明。
一般的な治療法:薬物療法、心理療法、行動療法など。
当院の治療法:検査しても何ら異常がみられなかったような、器質的異常のない愁訴であれば、当院の鍼治療は有効です。しかし、基礎疾患として精神疾患があったり、向精神薬などを服用している場合は、当院のような鍼灸治療は有効ではありません。基本的には自律神経を整えるため、頭部、頸部、背部へ刺鍼します。原因疾患のない倦怠感や頭痛、頭重、動悸、めまいなどには針治療が有効です。しかし、薬物中毒や精神疾患によるような症状については、当院では改善させることが出来ません。うつや倦怠感に関係するセロトニンは、約90%が腸粘膜のクロム親和性細胞に存在します。したがって、赤身の魚や肉類、納豆などを食べて、必須アミノ酸であるトリプトファンを摂取し、セロトニンが生合成されるよう促すことも重要です。セロトニンは平滑筋を収縮させる作用があるため、腸管運動に重要な役割を果たしていますが、同時に伝達物質として錐体外路系に作用し、体温調節や睡眠、摂食抑制、攻撃行動、幻覚などに関与しているとされます。腸内環境をより良く保つため、ヨーグルトや納豆などの発酵食品も毎日摂取することが重要です。また、鍼灸治療を定期的に行うことで、全身の血流を改善し、自律神経やホルモンのバランスを整え、免疫機能を向上させ、ストレスや外的環境の変化に強い体を維持することが可能です。週4~6日程度、15~30分程度のウォーキングなどの軽い有酸素運動をすることで、全身の血流を改善し、症状を軽減させたり、予防することができます。ウォーキングや腹巻の装着以外にも、腹部を毎日ゆたぽんのようなホットパックで温めるのも良いでしょう。さらに、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べて腸内環境を整え、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。
 

疫学:睡眠障害がある状態のことで、入眠障害、熟眠障害(中途覚醒)、早期覚醒に分類される。
原因:騒音などの外的要因、身体疾患、脳器質性障害、躁うつ病や神経症などの精神疾患、アルコール中毒、薬物中毒など。
一般的な治療法:原疾患がある場合はそれに応じた治療。
当院の治療法:外的要因が著しい場合や、脳に器質的障害がある場合、精神疾患がある場合、薬物中毒がある場合、睡眠薬や精神安定剤などを長期間服用している場合などは、基本的には鍼灸治療だけでは治すことは出来ません。鍼灸治療が有効な不眠症は、精神的または肉体的ストレスなどによって、頸部や背部に強いコリが見られ、自律神経が不安定になっているようなケースです。この場合、頭部、頸部、背部への刺鍼によって、不眠症を改善させることが可能です。また、より良い睡眠をとるためには、腸内環境を整えることが重要です。赤身の魚や肉類、納豆などを食べて必須アミノ酸であるトリプトファンを摂取し、セロトニンが生合成されます。セロトニンの90%は腸粘膜のクロム親和性細胞、8%は血小板、2%は視床下部や松果体などの中枢神経系に存在します。セロトニンは平滑筋を収縮させる作用があるため、腸管運動に重要な役割を果たしていますが、同時に伝達物質として錐体外路系に作用し、体温調節や睡眠、摂食抑制、攻撃行動、幻覚などに関与しているとされます。睡眠に関しては、トリプトファン→セロトニン→N-アセチルトランスフェラーゼ→N-アセチルセロトニン→ヒドロキシインドール-o-メチルトランスフェラーゼ→メラトニンの機序が体内生物時計の制御に関与していると考えられ、腸内セロトニンに分泌を促すことで、脳内セロトニンが分泌されやすくなり、セロトニンによってメラトニンが生成され、眠気を感じるようになります。したがって、発酵食品を毎日摂取することは睡眠改善に役立ちます。また、鍼灸治療を定期的に行うことで、全身の血流を改善し、自律神経やホルモンのバランスを整え、免疫機能を向上させ、ストレスや外的環境の変化に強い体を維持することが可能です。週4~6日程度、15~30分程度のウォーキングなどの軽い有酸素運動をすることで、全身の血流を改善し、症状を軽減させたり、予防することができます。ウォーキングや腹巻の装着以外にも、腹部を毎日ゆたぽんのようなホットパックで温めるのも良いでしょう。さらに、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べて腸内環境を整え、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。
 

疫学:関節部に慢性の退行性変化および増殖性変化が同時に起こり、関節が変形する病態。関節軟骨の摩耗・欠損・肥大・増殖のち骨棘形成に至る。また、滑膜の増生、関節包の肥厚、委縮、関節部の腫脹などが出現し、関節のこわばり、運動時痛、可動域制限、疼痛、軋轢音が見られる。X線像では骨棘形成、関節裂隙の狭小化・消失、嚢胞形成などが認められる。
原因:老化、過度な力学的ストレス、外傷、形態異常、代謝異常など。
一般的な治療法:理学療法、赤外線などの温熱療法、筋力強化、運動療法、装具療法、薬物療法(非ステロイド性消炎鎮痛剤など)などの保存療法が中心となる。著しい変形、機能障害を来す場合は関節固定術、関節形成術、骨切り術、人工関節置換術などが行われる。
当院の治療法:関節部の変形が激しい場合は手術が優先となります。しかし、変形が軽微で、医師から経過観察と告知された場合は、鍼灸が有効です。また、手術後に肩の痛みやこわばりが取れない場合や、予防的に筋肉をゆるめたい場合なども針治療は有効です。肩関節の場合は、肩関節を構成する筋肉のうち、最もコリが強い部分を中心に刺鍼します。痛む部位が漠然としていて、肩の奥が痛むようなケースは肩甲下筋が悪いことが多いです。肩の前中部表面が傷む場合は三角筋、肩後部表面が痛む場合は小円筋、大円筋、三角筋後部が悪いことが多いです。整形学的には棘上筋損傷が多いとされますが、実際には肩甲下筋と三角筋の損傷が多いようです。三角筋は収縮力が強いため、刺鍼時の痛みも強いです。股関節の場合は殿筋中心に刺鍼しますが、腸腰筋のコリが影響しているケースが多いため、罹患部が両側にある場合は、伏臥位と仰臥位の2コマ1セットか、側臥位2コマ1セットが必要です。しかし、股関節は重症であればあるほど、刺鍼後のダメージが大きいため、初診時は基本的に片側だけの刺鍼で様子を見ます。一般的には、施術後30分~24時間程度は、びっこを引いて歩く感じになりますので、心配な方は杖を持参されるか、誰かに迎えに来てもらうのがベストです。膝関節も主として関節を構成している筋肉へ刺鍼しますが、膝痛が長期にわたっている場合は、腰部や臀部の筋肉が強く委縮していることが多いため、下半身全体の治療が必要になる可能性があります。腸骨筋刺鍼は腰痛や股関節痛に劇的な変化をもたらす反面、刺鍼時の痛みが激烈であるため、耐えがたい場合は、ゆるめの刺激で回数を分けて治療するしかありません。この場合、ある程度症状が改善するまで半年~1年近くかかることもあります。特に、太っている患者の場合、体重を落とさない限り関節への負荷が減少しないため、完治しないことがあります。この場合、針治療はあくまで対症療法になります。リハビリとしての筋力トレーニングは、ある程度鍼治療で痛みが減ってから開始します。股関節痛や膝関節痛の場合は、リハビリとして、転倒しにくく、水圧が適度にかかる温水プールでの歩行がお勧めです。
 

疫学:主に関節、筋肉などの運動器疼痛、変性疾患の総称で、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus、SLE)などの膠原病、変形性関節症、慢性肝疾患などでリウマトイド因子が陽性の場合、リウマチと称することがある。いわゆる臓器非特異的自己免疫疾患のこと。30~50代の女性に多い。
原因:不明。免疫系が異常を起こし、IL-6やTNFαなどのサイトカインが過剰に産生され、炎症傾向を呈す。
注意点:早期発見、早期治療で関節破壊、関節の変形を最小限にとどめることが重要になる。
一般的な治療法:消炎鎮痛薬(NSAIDs)、抗リウマチ薬(DMARDs)、ステロイド、生物学的製剤などによる薬物療法が中心となる。関節破壊が進行した場合は手術療法となる。
当院の治療法:関節破壊が進んでいる段階ですと、鍼灸治療は有効ではありません。関節に変形が見られないけれど、リウマトイド因子が陽性で、朝晩のこわばりが気になる、という段階であれば、鍼灸治療は有効です。鍼灸でリウマチ自体を完治させることは困難ですが、関節の変形が見られなければ、こわばりや痛みを軽減させて、QOLを高めることは可能です。
 

疫学:発汗が全く見られない状態を無汗症、発汗が著しく減少した状態を乏汗症または減汗症とする。汗腺の機能的または器質的変化によると考えられる。全身性無汗症、局所性無汗症、先天性無汗症、後天性無汗症などがある。特発性後天性全身性無汗症は難病指定されている。日本国内の患者数は150人程度とされる。
原因:不明。アセチルコリン受容体の異常と考えられている。先天性無汗症の場合は汗腺自体が欠如していることがある。後天性無汗症は脳炎やマラリア、チフスなどの高熱性疾患、シェーグレン症候群、汎発性強皮症、アミロイドーシス、甲状腺機能低下症、間脳性視床下部疾患、多発神経炎、熱射病、脱水症、副交感神経遮断薬の服用などによって発症することがある。
注意点:発汗作用が失われるため、放熱が出来ず、皮膚が乾燥し、コリン性蕁麻疹を併発しやすい。また、高温下では熱中症を発症しやすく、脳に重篤な障害が出たり、死に至る危険性がある。
一般的な治療法:ステロイドパルス療法、ステロイド内服療法、免疫抑制剤などが行われているが、現状では根本的な解決に至っていない。
当院の治療法:現在まで、当院には10人ほどの後天性・全身性無汗症の患者が来院しました。元々の患者数自体が少ないことや、鍼灸が無汗に有効であるということ自体が認知されていないこともあり、来院数はそれほど多くありません。患者から聞き取り調査したところ、ほとんどの患者が無汗症専門を謳う某大学病院で治療を受けていたそうですが、全く改善が見られず、藁にも縋る気持ちで当院へ来院したそうです。当院では特に副交感神経遮断薬の服用によって無汗症が発症することに注目し、器質的異常が見られない無汗症の場合は、自律神経系の異常が原因にあるのではないかと推察しました。発汗は自律神経系によって調節されますが、自律神経節が存在する頸椎、脊椎、仙骨周囲の筋肉が持続的な精神的・肉体的ストレスや過緊張などによって慢性的に硬化し、神経根付近で神経が断続的に圧迫され、発汗障害が引き起こされているのではないかと考えました。そこで、頸部から仙骨まで、十分に刺鍼し、軸索反射や創傷治癒によって筋内の血流を改善させ、神経根の圧迫を取り除くような治療を施しました。結果、数人の患者は刺鍼時の痛みに耐えられなかったのか、2~3回施術した後、来院しなくなりました。残りの5~6人の患者は何とか痛みに耐えてもらい、週1~2回通院して頂きました。早い患者は5回ほどの施術で局所的に発汗が見られ、3か月ほどで全身の発汗を取り戻し、来院しなくなりました。この2~3人はその後来院していないので、経過は不明です。残りの2人の患者は6か月ほどの施術で完治し、腰痛などでたまに来院しますが、4~6年ほど経った今も無汗症は再発していないようです。来院した患者数は少ないですし、大学病院のようなデータをとることは出来ませんでしたが、治癒率は50%程度だと思われます。無汗症の患者はとにかく背中のコリが酷いので、刺鍼時に悲鳴を上げることが多いです。実際に、当院の刺鍼法は難病の概念を覆すほどの効果があるのは事実ですが、刺鍼時特有の響きや痛みを和らげることは難しいため、それに耐えられるかどうかが、完治までの1つの分岐点になります。また、週3日程度、苦しくならない程度ののウォーキングなど、軽い有酸素運動をすることで、全身の血流を改善し、症状を軽減させたり、予防することができます(熱中症などには気を付けて下さい)。さらに、ヨーグルトや納豆などの発酵食品を食べて腸内環境を整え、免疫機能の向上とホルモンバランスの改善を図りましょう。