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  • 肩の症状

疫学:頸部、僧帽筋上部に感じられる鈍痛で、重症化すると頭痛や吐き気を伴うことがある。
原因:精神的ストレス、精神的緊張、過労、姿勢不良、変形性頚椎症、胸郭出口症候群、高血圧、眼精疲労、更年期障害、自律神経失調症など。特に、神経の過剰刺激や筋肉の過労による、自律神経失調、交感神経優位、末梢血管の収縮、筋肉の血行障害、うっ血、浮腫が主因と考えられている。
一般的な治療法:温熱療法、体操療法、マッサージ、筋弛緩剤などの薬物療法。
当院の治療法:基本的には頸肩腕症候群の治療と同じです。後頚部と三角筋、上背部への刺鍼が中心になります。三角筋は仰臥位で刺鍼した方が、効果がありますが、後頚部は伏臥位での刺鍼が基本です。小胸筋付近に痛みやコリが見られる場合は、仰臥位で三角筋前部に刺鍼する必要があります。顎関節症や歯ぎしり、食いしばり、偏頭痛を併発している場合は、仰臥位で咀嚼筋へ刺鍼します。肩凝りや頭痛、腰痛は、当院においては比較的簡単な病態で、多くの場合、数回の施術で改善させることが可能です。
 

疫学:上腕二頭筋炎、肩峰下滑液包炎、石灰沈着性滑液包炎、四十肩(五十肩)など、肩関節周囲に見られる炎症性疾患の総称。40~60歳代に好発し、肩関節周囲の自発痛、運動痛、可動域制限、肩関節の拘縮などが見られる。
原因:不明。
一般的な治療法:鎮痛消炎剤や筋弛緩剤の投与、ステロイドホルモン注射などの薬物療法、温熱療法、運動療法など。
当院の治療法:肩関節周囲炎で最も多く見られる病態は、いわゆる五十肩です。医学的には棘上筋損傷が最も多いとされています。肩関節には多くの筋肉が集まっているため、痛みの出る部位は患者によって微妙に異なります。基本的には自発痛を訴える部位と、可動域制限の範囲、圧痛のある部位などを見て、刺鍼部位を決めます。整形外科を受診して、腱や骨に異常が見られなければ、筋肉のコリが痛みの原因になっている可能性が高いので、鍼治療は有効です。肩の奥が痛む場合は肩甲下筋、肩峰付近が痛む場合は棘上筋または三角筋、三角筋が痛む場合は三角筋、棘下筋付近が痛む場合は肩甲骨間と棘下筋、三角筋後部、上腕三頭筋へ刺鍼します。三角筋の前側が痛む場合は三角筋と上腕二頭筋長頭、小胸筋付近が痛む場合は三角筋前部や上腕二頭筋短頭へ刺鍼し、必要があれば小胸筋に円皮針を貼っておきます。肩の痛みは器質的異常が見られなければ針で完治させることは可能ですが、発症してから何年も経っていたり、筋肉のコリが重度であったり、上肢や前腕を酷使するような職業であった場合などは、改善するまでかなりの時間を要する場合があります。