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  • 首の症状

疫学:頸椎の退行性変化によって、頸部痛や神経根症状、脊髄症状が見られる。また、椎骨動脈不全症状やバレー・リュー症候群の原因となることがある。
原因:頸椎椎間板の変性、ルシュカ関節、椎間関節部の骨棘形成など。
一般的な治療法:生活環境の改善、頸部の安静、牽引療法、薬物療法、手術療法など。
当院の治療法:椎間板の変性が著しい場合や、骨棘が神経根を圧迫している場合などは、手術療法しかありませんが、リスクを考えると、なるべく手術は避けたいものです。基本的に頚椎症も、頸椎椎間板ヘルニアも、頸部筋肉コリが臨界点を突破したことによる病態であると推察されます。筋肉は収縮と弛緩の反復運動によって、付着している骨を動かすことができます。しかし、筋肉に疲労がたまり過ぎると、循環不全によって、筋肉が徐々に萎縮し、病的に収縮した状態が続きます。筋肉はそれ自体にクッション性を内包していますが、筋肉の柔軟性が失われると、骨や靭帯、関節部への張力、圧力が高まり、次第に骨は壊れまいとして増殖し、骨棘を形成せしめたり、自己変形を開始します。靭帯や椎間板にも若干のクッション性は存在しますが、筋肉からの圧力が限界に達すると、穴が空いたり、切れてしまいます。したがって、筋肉のコリを取らなければ、再び靭帯を損傷したり、髄核が突出する可能性があります。的確に刺鍼すれば、筋肉は軸索反射と創傷治癒によって、血流が改善し、柔らかさを取り戻します。そうすれば、骨や靭帯への圧力が減少し、症状も徐々に緩和され、完治に至る可能性があります。医師に手術を勧められていない段階であれば、針治療で改善させることが出来るかもしれません。
 

疫学:頸部から肩、上肢にかけて、何らかの症状を示す疾患の総称。項頚部痛、肩こり、上背部痛、上肢の疼痛、手指のしびれなどが見られる。20~40代の女性に多い。
原因:上肢の過使用、心理的要因、
注意点:胸郭出口症候群やパンコースト腫瘍などとの鑑別が必要。
一般的な治療法:温熱療法、体操療法、鎮痛薬や筋弛緩剤などの薬物療法、心理療法など。
当院の治療法:パソコンの使い過ぎで三角筋前中部と頸部筋肉が障害されると、このような症状が出るようです。特に、前・中斜角筋で腕神経叢が圧迫されていたり、三角筋以外にも棘下筋や小円筋付近で血管や神経が障害されて上肢に異常感が現れることがよくあります。コリが上半身全体に見られる場合は、仰臥位と伏臥位2コマ1セットで数回治療します。初診時は基本的に伏臥位1コマで変化を診ます。三角筋が硬いと肩凝りが強いケースが多く、完治まで時間がかかります。かなり硬い場合は特注の太い針を使いますので、刺鍼時の痛みが強く、内出血が2~3週間ほど残ることがあります。内出血は時間の経過とともに綺麗に消失しますが、筋肉が硬いと、刺鍼するたびに内出血を起こすことがあり、内出血が完全に消えるまで、打撲のような鈍痛が残ることがあります。棘下筋が硬い場合、上腕三頭筋(二の腕)付近にしびれや皮膚の違和感が見られやすいですが、棘下筋へ刺鍼すれば消失させることが可能です。しかし、棘下筋も三角筋と同様、カチカチに凝っていた場合、毎回太い針を使ったとしても、完治までかなりの時間を要することがあります。基本的に、軽症であれば数回の施術で完治するか、症状が減ってゆきます。