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当院の衛生管理について

当院では、より安全な治療を受けていただくため、米国疾病管理センター(CDC)や米国労働安全衛生局(OSHA)、米国外科学会(ACS)などの衛生管理規定を参考にした独自のガイドラインを作成した上で、それに基づいて施術しています。また、過去に中国やアメリカなどで発生した刺鍼事故を独自に検証し(詳細については講習会資料を参照)、如何にして安全かつ効果的な鍼灸治療を行う事が出来るかを結論付けた上で、施術しています。よって、「鍼灸治療を受けてみたいが、衛生面でちょっと不安が…。」というような思いがある方は、以下の文章を精読していただき、納得した上で来院するか否かを決めていただければと思います。
 
①使用する鍼について
当院では、ノンシリコンのディスポ鍼(使い捨て鍼)と再使用可能鍼の両方を使っています。最近の主流はディスポ鍼ですが、当院では特注の長鍼を用いて施術することがあるため、再使用可能な鍼も使用しています。短い鍼ならばディスポで全て揃うのですが、長い鍼を使う鍼灸院は絶滅の危機にあるためか、メーカー側はディスポの長鍼を製造していません(基本的に3寸程度までしか作ってません)。よって当院では、短い鍼は主にディスポ鍼、長い鍼は全て再使用可能鍼を使用しています。再使用可能鍼と言っても、当然使用限度があるため、定期的に新しい鍼に交換しています(初診時および初診時から1年経過するごとに別途鍼代1000円を頂戴しています)。
*現在、ディスポ鍼は様々なメーカーが製造していますが、出荷時にシリコンを塗布している鍼が一部で販売されています。刺入時にシリコンが皮下へ入ることは有害である、と当院では考えているため、ノンシリコンの鍼のみを厳選して使用しています。
*参考→「ディスポ鍼」だけでは安全とは言えない。
 
《ディスポーザブル鍼(使い捨て鍼)》
EOG(エチレンオキサイドガス)滅菌され、ノンシリコンで、品質に信頼のおける商品のみ使用しています。主に2寸までの毫鍼と、皮内鍼・円皮鍼で使用しています。
 
《再使用可能鍼》
信頼出来る日本メーカーのノンシリコン鍼と、中国製の鍼を使用しています。昔は、中国製の針には粗悪なものがみられましたが、現在、日本製を謳う針の多くが中国で製造されているように、中国メーカーの針であっても、品質は日本製とほとんど変わりありません。中国針には日本の規格には無いサイズの鍼があるため、必要がある場合のみ、品質に問題のないもののみを選んで使用しています。
 
*再使用可能鍼について…あはき法等に準拠し、オートクレーヴ(高圧蒸気滅菌器)にて、2気圧以上・温度121℃以上・40分間以上の加熱処理を施し、鍼等に付着した生物を完全に死滅させています(厚生労働省が推奨する20分では完全に安全であるとはいえないため、米国疾病管理センター(CDC)などの規定を参考にしてオーバーキル処理をとっています)。鍼皿や鍼管などの鍼灸用具は主に以下の手順で洗浄、滅菌処理を施しています。
 
当院ほど徹底した衛生管理を徹底している鍼灸院は世界的にもほとんどみられないと自負しています。現在、日本では鍼灸院の衛生管理に関する問題点が多く報告されていますが、未だ完全と言えるような法が整備されていないため、専修学校のカリキュラムにおいても、極めてお粗末な衛生管理法しか組まれていないケースが少なくないようです。例えば、看護師や医師においては常識である滅菌バッグも、鍼灸師においてはその存在さえも、ほとんど認知されておらず、使い方さえ知らぬ自称「権威」が鍼灸業界を牛耳っていたり、「講習会」やら「セミナー」やらで己の無知を晒している、というの由々しき実情があります。


 

①使用後の器具はすぐに専用薬剤(タイフレッシュエース)に漬け置きし、流水にて洗浄(付着した血液など、たんぱく質の固着を防ぐためには、使用後すぐに薬剤へ漬け置きする必要がある。この時点でほとんどの汚れを落とす。酸性の薬剤は金属を犯し、細菌の温床と成り得る傷を器具につける可能性があるため使用しない。)。
②超音波洗浄器にて洗浄(家庭用向けの安価な製品ではなく、理化学用であるアズワン株式会社製の超音波洗浄器を使用。また、イルガサンDP300配合で血液、脂肪、バクテリアなどにすぐれた洗浄効果を発揮するタイフレッシュ エースを洗浄液として使用。)。
③再び流水にて洗浄。
④器具に付着した水分を完全に拭き取った後、信頼性が最も高い日油技研工業製(TS-3000シリーズ)またはセイコー製滅菌バッグに入れて、シワが寄らぬよう確実にシール処理し、高圧蒸気滅菌器(オートクレーヴ)で40分間の湿熱滅菌処理( elk製 高圧蒸気滅菌検知カードでその都度滅菌完了を確認 しているので、万が一滅菌器が故障していても目視で良否を確認可。滅菌バッグのフィルム面にもインジケーターがあり、ダブルチェックしている。)。

↑右端の滅菌バッグに滅菌検知カードを入れてある。滅菌が完全であると「OK」の「K」がくっきりと浮き上がる。画像は滅菌前の段階。

↑滅菌完了後。「K」が綺麗に出ているのは完全滅菌されている証拠。

↑患者氏名、生年月日、管理番号、症状、職業、初診日などのデータを記したテプラを貼っているので同姓同名であっても鍼を取り間違えることはない。

⑤乾熱滅菌で完全乾燥を確認した後、ステラライザー(紫外線殺菌保管庫)で更なる乾燥・殺菌処理を施し、滅菌バッグに破損などがないかどうかを確認した後、専用BOXにて冷暗保管。オートクレーブとステラライザーは万が一の故障に備えて3台常備してあります。

 
 
 


 
未だに超音波洗浄器、滅菌バッグ、ステラライザーなどを導入している鍼灸院は少ないようです。また、高圧蒸気滅菌器を導入していたとしても、「高圧蒸気滅菌検知カード」などで毎度滅菌処理が完全に行われているかを確認していない鍼灸院があるようで、滅菌処理をしているつもりでも実際には滅菌器の故障に気が付かず完全滅菌が出来ていない、というケースもあるようです。これらの一番の問題点は、鍼灸用具などの洗浄・滅菌方法に関して、法律で的確かつ明確に規定されていないため、それらを法律で強制出来ないということです。つまり、日本の鍼灸施術の現場における衛生管理は、鍼灸師各々の知識や想像力、教養などによってレベルの差が大きく出てしまう可能性がある、ということです。よって、鍼灸業を規定する「あはき法」の通りに衛生管理をするだけでは、十分とは言えません。ちなみに鍼用具の保管などに使用されているポリプロピレン製の試験管は、熱伝導度が悪く、滅菌効果が十分に現れにくいため、当院では採用していません。滅菌後の鍼はテプラで作成したタグを貼り付けて、完全個人別にて専用ケースで保管しています。ネームタグには管理番号および、患者個人を判別出来るような内容を印字していますので、同姓同名であっても鍼を取り間違えるという危険はありません。
 
 
②施術前の手指消毒について
『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下あはき法)』の第六条には、「はり師は、はりを施そうとするときは、はり、手指及び施術の局部を消毒しなければならない。」と規定されています。いわゆる、「事前消毒の義務」です。各国の刺鍼事故で最も多く報告されているのが事前消毒の不徹底による細菌感染であり、その事も踏まえて、当院では鍼および関連器具の滅菌と、手指および施術部の消毒を徹底しています。施術前はまず手指を水道水と殺菌ハンドソープで30秒以上洗浄し、使い捨てのペーパータオルで水分を完全に拭き取り(水分が残っていると完全に殺菌出来ません)、塩化ベンザルコニウム(ベンザルコニウム塩化物の含量が100ml中0.2g以上の「オスバンラビングA」を使用)にてラビング消毒をしています。また、施術部は消毒用エタノール(最も安全なイソプロパノール70%以上)を新品の綿花に染み込ませ、消毒しています。手指消毒用の塩化ベンザルコニウムを同じ容器に継ぎ足して連続使用している鍼灸院もあるようですが、継ぎ足し使用は細菌感染の温床となり得るため、当院では継ぎ足し使用厳禁として、常に新品を使っていますまた、アルコールと同様に手指消毒用の消毒液はネット通販などで散見される安価な商品だと、ベンザルコニウム塩化物の含量が著しく少ない粗悪品が存在します。したがって、当院ではより消毒能力が高い、安全な商品のみを採用しています。さらに、鍼灸院によっては、手指洗浄後の乾燥にハンドドライヤー(ジェットタオル)を採用しているケースがありますが、ハンドドライヤーの種類によっては、ドライヤー内部で増殖した細菌が手に付着する可能性があるため、当院では使い捨てのペーパータオルを採用しています。
 
③プラスチックグローブとマスクの装着について
一部の患者においては、抜鍼時には感染予防のため、プラスチックグローブを装着しています。多くの医療現場や一部の鍼灸院においては、ラテックスグローブやラテックス製の指サックが使用されていますが、当院ではラテックスアレルギーの患者を考慮して、主として安全性の高いプラスチックグローブ(粉なしタイプ)を採用し、明健社製の滅菌済み指サックを補助的に採用しています。また、歯科医院では施術時に歯科医師がマスクをすることは慣習化していますが、鍼灸師においては慣習化していないことに加え、グローブおよび指サック、マスクの装着が義務化されておらず、法律上も明文化されていないため、未だ施術時の装着率はかなり低いようです。施術時、不意にくしゃみや咳が出ることは珍しくありませんから、飛沫物が鍼灸用具や患部に付着することを防止するためにも、施術時のマスクの使用は必須であると当院では考えています。マスクの使用は法律で規定すべきだと思いますが、あはき法は昭和初期からほとんど改変されていない日本にありがちな前時代的法律であるため、危機管理意識の高い極一部の鍼灸師だけがマスクを自主的に装着しているのが現実です。マスクをするのは怪しいなどと一笑する愚かな鍼灸師も実在しますが、現在の日本の鍼灸業界においては、そのような輩は珍しいものではありません。要するに、残念なことに、なぜマスクの使用が必須であるかを想像するアタマがないのです。実際に著名な鍼灸師や、日本の鍼灸業界を牛耳っているセンセイ方が定期的に開催している講習会の様子をみれば、賢明な方であれば、多くの鍼灸師の衛生管理や危機管理がどの程度のレベルであるかを自ずと察することが出来ると思います。
 
④患者着について
女性患者には、患者着を用意しています。患者着は、使用後は毎回洗濯し、紫外線消毒したものを患者毎に交換しています。
 
⑤ベッドのタオル、フェイスペーパーについて

患者着と同様にタオルも単回使用とし、洗濯後に紫外線消毒したものを、患者毎に入れ替えています。フェイスペーパーは使い捨てのものを患者毎に交換しています。患者が安心して気持ち良く治療を受ける事出来るよう、最大限に配慮しています。

 
 

院内感染防止の徹底について

鍼灸院での重篤な院内感染が報告された例はありませんが、日本における刺鍼事故は隠蔽される傾向にありますので、今までそのような事故が無かったとは言い切れません。実際、不特定多数の患者が出入りするのが鍼灸院ですから、考え得る限りの衛生管理および危機管理に努め、院内感染を防止する事は、現代人の免疫力低下傾向を踏まえても、非常に重要な事であると考えています。また、このような視点は現代の医療者として最低限必要な事であり、以上の理由から、当院において も先駆的に最大限の配慮をしています。一例をあげれば、オートクレーヴの使用においては、温度上昇曲線を踏まえた上での実質的な滅菌時間は減少するものであり、業界が推奨する121℃/20分(30分)では不十分である可能性があることは、容易に想像がつきます(つまり、缶内温度が121℃に達するまでのタイムラグが考慮されていない場合があります)。ゆえに、当院では米国疾病管理センターが推奨するオーバーキル(過剰殺菌)処理を採用し、121℃/40分以上で滅菌しています。

 
*体内への刺鍼が不可欠な鍼灸院においては、易感染傾向の患者をベースラインとして、最大限に必要な院内環境を考え、整えるのが当然であると考えています。
 
①院内感染とは
主に病院で、細菌やウイルスなどの病原体に感染する事を院内感染と呼びます。治療の場である病院は、元来様々な病原体(に感染した患者)が集まる場所でもあり、薬剤耐性菌が多く発生しやすい環境であるという点においても、重篤な感染症が発生しやすい危険な場所であると言えます。一方、鍼灸院においては、病院に比べて使用する薬剤の種類も少なく、耐性菌が発生する可能性はかなり低いと言えますが、危険性はゼロではありません。よって、皮下深部への刺鍼を行う鍼灸院においても、注射針等を用いる病院と同様に体内に病原体が侵入するリスクが伴いますので、院内感染の予防を徹底する事が非常に重要になります。
 
②院内の清掃を徹底
院内は毎日清掃し、空気の入れ換えも定期的に行っています。特に患者が利用するトイレや洗面台は一日に数回清掃し、常に清潔な状態を保っています。
 
③施術時にはマスクを使用
施術時、施術者はマスクを着用し、院内感染の予防に努めています。過去に発表されている刺鍼事故では飛沫感染等による事故は報告されておりませんが、施術者が言葉を発した時や、くしゃみ・咳をした時に鍼や鍼治療関連器具に細菌やウイルスが付着し、感染しないとは言い切れません(落下菌同様、鍼には様々な菌が付着する可能性を考慮しています)。また、施術者が何らかの飛沫感染系病原体に感染したままマスクをせずに施術を続ければ、施術者自身が保菌者となるため、患者間での感染が拡大する可能性があります。そのために当院では万が一を考え、施術時はマスクを着用する事で危機管理を徹底しています。歯科医がマスクを着用することは常習化していますが、今後は鍼灸師もマスクを常用すべきでしょう。
 
④医療廃棄物の処理について
使用済みの鍼や血液が付着した綿花などは、法に定められた通り医療廃棄物として適正に処理しています。具体的には、市町村指定の産業廃棄物業者と契約した後、購入した専用のBOXにて厳重に保管し、BOXが一杯になった状態で引きとってもらい、処理していただいております。
 
 

灸の施術について

易感染傾向患者(糖尿病患者など)には灸の施術は行わないか、熱傷を伴わない灸(熱く無い灸→輻射熱を利用する棒灸など)で施術しています。灸の効果は主に温熱効果と、蛋白変性による免疫機能賦活効果があります。温熱効果だけを求めるならば痕を残さない八分灸で十分ですが、免疫機能の強化・向上を求めるならば痕を残す「焼き切りの灸」が必要になります。しかし、「焼き切りの灸」は文字通り皮膚を焼くため、皮膚の水疱化が避けられないので、当然ながら施術部位が第2度以上の熱傷となり、糖尿病などの既往歴がある易感染患者に対しては禁忌となります。したがって、当院では患者の状態を的確に見極めた上で、灸を施術するかどうかを慎重に考えています。灸は熱いとか痕が残るなどと言って、たまに灸施術を極端に嫌がる患者がいますが、要は灸の用い方如何(テクニック)でして、熱く無い灸でも痕の残らない灸でも、効果的に施術が可能です。特に冬場は筋肉がカタくなりやすいので、鍼と灸を併用することによって鍼の効果をより良く引き出す事が可能です。現在は、もぐさを炭化させた最新の棒灸をしようしており、より高い熱量と赤外線によって、鍼治療単体よりも鍼と灸を併用する方が、遥かに効果が高くなりました。特に冬季は灸と鍼を併用する場合がほとんどです(寒い時期はなるべく温めた方が効果が高いため)。基本的には灸は痕を残さないように施術しますので、女性でも安心して治療を受ける事が出来ます(現に、来院する患者の7~8割は女性です)。
 

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