• HOME
  • >
  • 治療後の注意

治療後の注意(ver.5)

 
好転反応にご注意下さい。1回の治療で弛(ゆる)みにくいほど筋肉が硬(かた)かった場合、治療後、痛みやしびれが一時的にひどくなることがあります(50人に1人くらいの割合)。このような一見悪化したかのような症状は、筋肉が中途半端に弛(ゆる)んだことによって神経が一時的に強く刺激されている状態であり、ほとんどの場合、好転する直前の徴候です。このような症状が出た時は出来るだけ早く、痛みやしびれがある内に、追い打ちをかけるように鍼をすると、それまで出ていた症状がピタリと消える場合があります。特に痛みなどが出ない場合は4~7日おきくらいに治療し、良くなるまで治療を続けます。一般的には3回程度の施術(せじゅつ)でそれまで症状に変化が見られれば、9割くらいのケースで完治します(脳や骨、靭帯などに異常がある場合やストレス過多の場合は、完治しにくいことがあります)。
 
安静にして下さい。激しい運動は血圧を上昇させ、骨格筋の融解(ゆうかい)を促すことがあるため控えて下さい。特に治療をした当日は運動を避け、なるべく安静にして下さい。翌日からは通常通り過ごして頂いて構いませんが、完治するまでは軽めの運動を心掛けて下さい。
 
マッサージやストレッチングは控(ひか)えて下さい。治療後2日程度は内出血が起こりやすいため、マッサージや体操、ヨガなどは控えて下さい。施術後の筋肉痛のようなダルさは2日程度で自然に治(おさ)まりますから、患部は冷やさないようにしてダルさが消えるまで様子をみて下さい。
 
適度に水分摂取して下さい。鍼灸治療は血流を改善し、新陳代謝を活発にするため、免疫(めんえき)機能が向上しやすくなります。また、治療後に適度な水分を摂ることで、血中や組織間に鬱滞(うったい)していた老廃物や疲労物質などが腎臓へ流れ、尿として体外へ排出されやすくなります。季節に関わらず、なるべく水分は体温に近い温度のものを摂るのが理想です。クエン酸入りの飲料は筋肉の回復を早めます。日中はカフェインレスなお茶を、朝は白湯の常飲を推奨(すいしょう)します。治療前後の水分摂取はとても重要です。
 
腰痛治療をした後に過食をすると、腰部の自律神経が興奮して腰痛が一時的に悪化する場合があります。過食は内臓周囲の自律神経を興奮させ、腹腔内~骨盤腔内筋肉の異常収縮を引き起こします(筋性防御)。内臓は過食で炎症傾向を呈(てい)し、交感神経が常に興奮して首や背中が凝りやすくなってきます。普段はヨーグルトや麹などが含まれる発酵食品や、善玉菌の餌となる繊維質が多い海藻類や野菜を多めにし、動物性食品を少な目にして、腸内環境を良好に保つような食事を心がけることが重要です。食事量は腹八分目が理想です。
 
体を冷やさないで下さい(夏場は温め過ぎ注意)。治療後は滞っていた血流が改善し、自然治癒能力が活発化するので、血圧が安定した後に風呂に入ることで鍼灸治療の効果を促進出来ます(治療日当日はのぼせやすいので長湯は避けて下さい)。逆に治療後に冷たい物を飲食することや、極度に身体を冷やすようなことは避けて下さい。現在の細い鍼では抜いた瞬間に周辺組織の圧力で鍼孔が塞(ふさ)がれますから、治療後に細菌感染する心配はありません(太い特注鍼を使用した当日の入浴はシャワーのみにして下さい)。まれに治療後、内出血した部位が腫(は)れて痛くなったり、アザになることがありますが、熱感が無ければ特に問題はありません。一般的に腫れは数時間で治(おさ)まり、アザは2週間ほどで綺麗(きれい)に治ります。治療後は筋肉痛のような特有のダルさが2日ほど続きますが、徐々に軽くなります。湯船にはクナイプ(ドイツ製)などのバスソルトを入れると筋肉の回復が促進されます。
 
お酒は控えめにして下さい。日常的な飲酒が肝臓や腎臓に大きな負担をかけることはよく知られていますが、筋組織そのものを破壊するという事実はあまり知られていません。現在、アルコール(エタノール)は消毒用薬剤としても広く使われていますが、当然ながら体内に入れば常在菌を死滅させ、細胞を破壊すると言われています。主に薬害で起こる横(おう)紋筋(もんきん)融解症(ゆうかいしょう)と同様に、飲酒もミオグロビンの溶出(ようしゅつ)、速筋(そっきん)繊維(せんい)の部分的壊死(えし)を誘発(ゆうはつ)し、筋委縮による慢性疼痛(とうつう)や筋繊維壊死(えし)による筋力低下などを促(うなが)すとも言われています。これらはアルコール筋症(ミオパチー)と呼ばれ、飲酒量が増加するほどに症状が悪化します。例えば、飲酒した翌日に感じる体全体のダルさや、運動をしてもいないのに起こる筋肉痛などがその実例です。よって、治療後の飲酒は筋肉の回復を阻害(そがい)します。またアルコールは食道や鼻の穴の粘膜(ねんまく)を強く刺激するため、消化器の炎症や潰瘍(かいよう)、蓄膿症(ちくのうしょう)、花粉症などを悪化させたり、アルツハイマーの原因になるとも言われています。さらに、骨粗鬆(そしょう)症学会は『骨粗鬆(そしょう)症の予防と治療のガイドライン(2006年)』において、骨密度が同じであっても飲酒・喫煙(きつえん)習慣がある人は骨折のリスクが約2倍高くなるという調査結果を発表しています。カフェインやシュウ酸が含まれるコーヒー、毒性の高い薬物、動物性食品、過剰な糖分なども回復を阻害しやすくなるため、不要なものは中止し、必要なものは最低限の摂取にとどめるのが理想です。
 
十分な休息を取って下さい。治療後はβ-エンドルフィンなどの脳内麻薬放出量が増大するため、多幸感(たこうかん)や眠気を感じることがあります。また、血流改善によって一時的なめまいやダルさが出ることがあります。特に強い異常感がない場合は、しばらく横になったりして休んでいると自然に治まります。自家用車などで遠方から来院されている方は、喫茶店などで休憩して、少し落ち着いてから帰宅して下さい。